『ゴジラ-1.0』を観てきました
(以下、ネタバレを気にせず書いていきます。ご用心)
山崎貴監督作品『ゴジラー1.0』を観てきました。簡単な感想など書いてみようと思います。
といっても私は他の山崎監督作は拝見してないし、ゴジラも初代と昭和40年代ころのシリーズ、それから『シン〜』しか観てません。
だから特に意義のある感想なんて書けそうにないです。
ま、極私的感想という方向で。
『ゴジラ-1.0』ではゴジラが終戦直後に出現するという話なので、旧軍兵器とゴジラの対決があるのかなとちょっと興味を惹かれました。
そして公開、ツイッターで高評価が流れてきて。
それで重い腰を上げて観てみることにしました。映画も年数本も見なくなってしまっているのですが。
終戦直後、1945年ごろがが舞台かと思いましたが、本作は1947年が舞台でした。そしてテロップで米軍の核実験・クロスロード作戦があったことが語られます。多分それが元々ある島に生息していたゴジラが放射能怪獣に変化して暴れるようになったきっかけみたい。
実は1945年あたりが舞台なら、大和武蔵は無理にしても長門は残っていたはずだから、長門の40サンチ砲一斉射VSゴジラが見られるかもしれないなと思ったのですが。でもクロスロード作戦で長門(とあと軽巡洋艦の酒匂)は沈んでますから、出てこないんだなって観ながらちょっとがっかりしました(笑)
しかしその後、シンガポールから急遽戻ってきた重巡洋艦・高雄とゴジラの殴り合いがあります。軍艦とゴジラの格闘戦なんて、言葉ではちょっと想像がつかないけど、見事に殴り合いをやってくれます。「そういうものもあるのか!」と見せつけてくれます。壮絶に敗北しましたが…。
でもやっぱり長門との対決は見たかったな。40センチ砲なら勝てたかなぁ。
そう、ほんとミリオタ的に狂喜乱舞するシーン続出です。CGIでしょうが、とてもリアルだし。ミニチュア撮影にもその魅力はありますが、CGIの出すリアリティがほんと、とても活きていたと思います。
極めつけは震電が登場すること。
登場シーンでは変な笑いと涙と震えがいっぺんに来ました。イかされました。
飛行シーンも垂涎もの。震電タイプのプロペラの先尾翼機はアニメ『王立宇宙軍』でも出てきましたが、あれはつまり私の脳内では震電の系譜だったんで、今回は震電がモロに出たんで、大感動でした。
旧軍の兵器は出てきましたが、でもそれが旧軍賛美、軍国主義賛美に堕さないように気を使っていたと思います。そしてまた逆にかつて日本映画が戦争を描いてたときの呪縛、過剰に反戦主義、軍国主義批判もなくて。そういう意味では『ガールズ&パンツァー』ぽいとも言えるかな。
ただし逆に観客側にそういうのを求める心情もあるし、それが制作側に意図されてないにしろ、それがうずく部分もあります。
いや、ま、忘れてならないのは主人公の乗る木製漁船改造の特設掃海艇、そして太平洋戦争当時の本土空襲を察知するための哨戒部隊「黒潮部隊」を思い起こさせるゴジラ警戒の船団。彼らもまた重要な役どころでした。花形の軍艦だけでなくそういうのもきちっと見せていってくれるのがとても良かったです。
それでふと思ったのですが。
南太平洋からやってきて東京を破壊するゴジラは本土空襲をするB29のルートだなぁ、あれはB29のアレゴリーかもって思いました。まぁ思っただけですけどね。
主人公の神木隆之介の家族形態が面白かったです。男女の関係のない夫婦、血の繋がりのない親子。まるで「家族合わせ」のような家族。新しい家族のカタチかなと思ったり。いや、単純にまだアイドル売りしたい女優さんに人妻役はさせられないってことかもしれないけど。しかしあれだけのべっぴんさんとひとつ屋根の下に暮らしながら手を出さなかった神木隆之介は偉いなぁと思いました。
(それで同じような「家族合わせ」の物語りとしてアニメ『スパイVSファミリー』を思い出したのですが、それは見てないのでなんとも語れないのだけど…)
細かい考証をいえばいろいろあるんでしょうが、あの時代に合わせてほんと面白く「ゴジラ」というピースをはめ込んでくれたと思います。なんといっても観客は「論理的整合性」を見に映画館に足を運ぶのではなく、面白いおはなしのために映画館を訪れるのですから。話の勢いで多少の矛盾点なんて押し流されてしまうでしょう。それだけの「ちから」が本作にはありました。いや、そんな言い方は畏れ多い。圧倒的にねじ伏せられるパワーでしたよ。
そしてラスト、ちょっとご都合主義では?と思わせるハッピーエンドからちょっと嫌な感じなショットが続きます。次回作への伏線なんでしょうが。ヒットしてるみたいですし次回作は作られると思いますが、どんな次回作になるのかな。
それも含めて楽しみです。
『ゴジラ-1.0』、ちょうおススメです。
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