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2015/05/06

2015年の寺山忌とイメージフォーラムフェスティバル

5月4日は寺山修司の御命日なのですが。
今年もまた高尾霊園の寺山修司のお墓にお参りしてきました。

150505

それから昨年4月30日に亡くなられた九條今日子さんのお墓へ。
生前墓だったのですが、今はもう九條さんがいらっしゃるのですね。

汗ばむほど…、というより汗まみれになるくらいのいい陽気。
高尾霊園も緑の渓谷にあるとてもいい場所です。
しばらく過ごしてから新宿パークタワーホールで開催されているイメージフォーラムフェスティバルへ。かわなかのぶひろ先生、萩原朔美さんの新作がかけられるFプログラムを拝見しに。

かわなか先生と萩原朔美さんの作品の上映があるイメージフォーラムフェスティバルFプログラムは『運動性の映画』とサブタイトルがついてます。

上映作品はは
『ミシンと機関車』(萩原朔美/デジタル/20分/2015)
『in the room』(YUKA SATO/デジタル/7分/2014)
『ほったまるびより』(吉開菜央/デジタル/38分/2014)
『経路(route)』(かわなかのぶひろ/デジタル/25分/2015)
の4本でした。

萩原朔美『ミシンと機関車』
リュミエール兄弟の世界最初の映画『ラ・シオタ駅への列車の到着』。萩原さんはなぜ人類初の映画のモチーフが列車だったのだろうとかんがえます。

リュミエール兄弟が発明した映画装置、キネマトグラフ。そのコマ送りのメカニズムはミシンを参考にしていると。そして、ミシンは円運動を往復運動に変える機械。キネマトグラフもハンドルの回転運動をコマ送りの往復運動に変えるメカニズムがあるのだけど。

往復運動と回転運動、相互の変換。それが産業革命のミソであって。
だからリュミエール兄弟は列車を最初の映画のモチーフにしたのではないかと。

そしてさらに発想は拡がり…、という作品でした。
あらゆる風景の映像にエンドマークを被せてみるという趣向が面白かったです。
私のエンドマークの映像はなんなんだろ。

YUKA SATO『in the room』
もとは8ミリフィルム作品みたいです。ミシンをかける様子やいろいろな映像を写したフィルムを加工して作られた作品。ほんと、フィルムならではの作品。今後、8ミリフィルムがなくなっていって、この種の作品はどうなるのかなぁ。それをエミュレートするような映像編集ソフトでもできるのかなぁ、もうあるのかなぁ。まぁ、デジタルになればなったでデジタルならではの映像加工技術も生まれるのでしょうが…。

萩原朔美さんの『ミシンと機関車』に続いて、ミシンの映像がフィーチャーされた作品があって、そのつながり方も面白かったです。

吉開菜央『ほったまるびより』
作者さんはダンサーでもいらっしゃるようですが。だから本作も「ダンス映画」と呼べると思いますが、ほんと不思議な1本でした。

古い日本家屋。風呂場とか洗面台がタイル貼りになってるような。そこを妖しくうごめく、生成りの薄物をまとった踊り手さんたち。なんていうかな「女子」って感じのダンサーさんたち。動きはダンスっぽくも舞踏っぽくも感じられるのですが。

小さいころ、家の中、自分が寝静まってる時とか、自分の目の届かない片隅とかで、小人とか妖精とか動き回ってるなんて空想する事がありましたが、まさにそんな感じでした。

その「女子」な踊り手さんたちの、ちょうフェティッシュ、ちょいとエロチックな様子。
唸らされた作品でした。

かわなかのぶひろ『経路(route)』
8年前の愛猫の死から始まり、逝く人々を惜しみ、そしてぐんぐんと世に出て行く人々を紹介していく作品でした。「散る花を惜しむな。昇る月を待て。」だったかなぁ。そういう言葉を措いて。

かわなか先生はいつもふと気がつくとカメラを回していらっしゃるのですが。そのかわなか先生ならではの膨大な量の映像をもとにした作品でした。

という寺山忌の1日でした。

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コメント

私も墓参していました。青森県三沢のほうが5月4日に盛大にイベントしてて、東京本家は蘭妖子さんを中心に毎年、今年も続いているようでしたね。

投稿: AA | 2015/05/11 11:27

◎AA様
ほんとにあそこはいい場所であります。いい季節でもありますし、なんかあそこに行くのが、変な言い方ですが、楽しみになってます。

投稿: BUFF | 2015/05/11 12:27

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