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2011/05/23

BD『ブレードランナー クロニクル』

なんかキャンペーンとかで安価になっているので、『ブレードランナー クロニクル』のブルーレイを買ってみました。

『ブレードランナー』は思い入れのある映画です。封切りのとき見てます(同時上映は『燃えよドラゴン』(リバイバル)でした)。

『ブレードランナー』を見に行ったきっかけは、当時の月刊PLAYBOYの映画紹介コラムからでした。もう誰がお書きになったか、どんなコラムだったか、ぜんぜん憶えてないのですが。それで興味を持って見に行って。

独特の世界観や美術、お話の面白さに惹かれ、好きになりました。

公開されてしばらくしてからブームになりましたね。気がついたら関連書籍とかグッズがお店に並んでいました。封切り時はぱっとしない興行成績だったそうですが。

数年は名画座にかかるを情報誌で見かけるとほぼ必ず見に行ってました。名画座追っかけしてました。名画座追っかけしてた映画はこの『ブレードランナー』と『タクシードライバー』くらい。

まぁグッズ類はあまり買わなかったのですが。サントラは劇中使われたオリジナル・サウンドトラックというのは昔はなくて、「オリジナルスコア盤」というのを買いました。オリジナルの楽譜に基づいて再演された音楽が収められている版。今はオリジナルサウンドトラックもあるようですが。それから書籍は特撮解説雑誌(誌名失念)のブレードランナー特集号を買ったぐらい。

原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は読みました。といってもだいぶ違いますね。だいたいデッカードには奥さんいるし。んで、「夢を見るか?」は寝て見る夢のことじゃないんですな。「スターになるのを夢見る」みたいな「希望する」という意味での「夢」でしたな。

んで、セルソフトは最終版の収められたDVDが廉価版で出たのを買いました。
そして今回『ブレードランナー クロニクル』BDの廉価版が出たので手を出してみた次第。

『ブレードランナー クロニクル』には3種類の『ブレードランナー』、「オリジナル劇場版『ブレードランナー』」「インターナショナル劇場版『ブレードランナー完全版』」「ディレクターズカット『ブレードランナー最終版』」が収められています。各版の違いはWikipediaに解説があります

どんなかたちで収録されてるんだろ。3本独立して収められているのか、それとも共通部分は同一のものを用い、違う部分だけ切り替えて再生するのかな?後者だと技術的に面白そうですが。でも、シークが発生するだろうから、再生が途中でギクシャクしたりするかな?

まず「オリジナル劇場版『ブレードランナー』」を見てみました。これが私が映画館で見たバージョンっぽいです。ほんと見るのは20年以上ぶりになるかと。

やっぱ『ブレードランナー』はいいわ。そしてやっぱり『ブレードランナー』はこの「オリジナル劇場版」がいっとう好きです。やっぱ封切りで見た&名画座追っかけしていた思い入れがありますし。

主人公・デッカード役のハリソン・フォードの語りは「最終版」では省かれていますが。ここらへんはあるほうが好き。所謂“ハードボイルド”小説の一人称視点の感じがしますし。

ラスト、緑の風景が出てくるの、批判する意見もありますが、ま、OKではないかと。「あの時代、緑なんて残ってないだろう」なんていう人もいますが。今後いかに都市化が進もうと、都市はそれを囲む大自然(人の手がだいぶ加わっているとしても)の中、点在するというかたちではないのかしら?ただ、都市の過密化はどんどん進み、デッカードが住んでいるような100階ぐらいあるアパートもできるかもしれませんが。そして、その反動で農村なんかはどんどん消滅して、自然に飲み込まれているかもしれない。

雨の街というのも、最近東京での「ゲリラ豪雨」とか予言してるっぽいですね。
その反面、モニター類がまだCRTだったり。あのころ液晶はどのくらい進歩してましたか。
そして、TV電話はあっても携帯電話はない。デッカードの車には自動車テレビ電話がついていたようですが。面白いものです。あのころの未来はあんな感じだったのかと。

あの時代だと宇宙開発が進み、スペースコロニーとかもあるようですが。2019年には間に合いそうもないですな。空飛ぶ自動車・スピナーも。

ただやっぱりレプリカントは早く実用化されないかなと。

「デッカードもまたレプリカントである」という解釈もあるようですが。私はそれはとりません。この映画は「人間と人造人間の恋は成り立ちうるか?」というのがテーマのひとつであると思ってます。

「人」と「人ならざるもの」の恋愛は、例えば神話時代から異種婚姻譚として存在しているようですが。人が作りし「ひとがた」との恋愛譚になるとギリシャ神話のピグマリオンの話になるかな?あまりよく知らないのだけど。

それからリラダンの『未來のイヴ』は読みました。これは絶世の美女だけど俗世的な恋人・アリシアに絶望した青年貴族・エワルド卿にエジソンが人造人間との恋愛を奨めるという小説だけど。
まだそういう時代になる前でしたでしょうし、リラダンもヘタレで、エワルド卿が人造人間・ハダリーとの恋愛を受け入れた直後、あっという間にハダリーを事故で失わせてしまいますが。

しかし、もうそういう時代になっていいと思うのです。
そして私もレプリカントの理想の女性を購えるなら、そうしたいと思ってます。
現実の女なんかに理想は持てないから。

ま、私自身がキモメンで、もともと現実の女に洟も引っ掛けられないというのもありますし、また、恋愛というのは天上的なものであって欲しい、それを具現化できる“現実”の女なんてめったにいない、いても私のところに来てくれっこないと思いますので。
当時の未来観だとレプリカントにそういう用途はないようですね。せいぜいが宇宙植民地の慰安用?まだそこまでは想像力が及ばなかったか。

いや、ま、閑話休題。

やっぱブルーレイは画質いいです。21.5インチワイドモニタでもわかります。しかし、昔は、DVDでも「なんて高画質!」なんて思っていたのにね。今までDVDで揃えた映画もそのうちブルーレイ版が欲しくなるのかなぁ、なんて。

『ブレードランナー』にはこれに入っている「ディレクターズカット 最終版」のあとに「ファイナルカット」版があるそうです。特撮シーンもブラッシュアップされているとか。ま、それもあると楽しいのでしょうが。また、「ふたつでじゅうぶんですよ」の意味のわかるワークプリント版とかもあればいいのでしょうが。
ま、今のところは映画館で見た最初のバージョンに再会できて嬉しいな、というところ。

今はオリジナルサウンドトラックもあるそうなので、次に欲しい『ブレードランナー』関連商品はそれかなぁ。

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