イメフォ卒展Cプログラム
日曜日は渋谷のイメージフォーラムで「イメージフォーラム映像研究所ワークショップ2008年卒業制作展」のCプログラムを見て、三軒茶屋のグレープフルーツムーンに日比谷カタンさんたちのライブを拝見してきました。
まず、イメージフォーラムの卒展、Cプログラムから。20日にA,D,Bプログラムを拝見したので、これで今年の卒展全作品拝見したことになります。ま、どれだけ解ったか自信はないんですが。
Cプログラム、作品数が少なかったので、今回は全作品簡単に書きます。
「nude」(ビデオ/28分)
自営の製材所で働く父親とその母親をモチーフにした作品。(父親の奥さんは亡くなっているようです)
モノクローム、台詞は音声としては出てこず、テロップでした。それだけで外国の映画のような不思議な感じが出ます。
惜しいのは、カメラがパンするあるシーン、あそこは手持ちじゃなくてぜひとも三脚とか使って滑らかにパンして欲しかったです。
「にっちも さっちも どうにも 青犬(ブルードック) AO!!」(ビデオ/13分)
研究所で働く、細胞を培養するという仕事の日々、上司との関係のストレスから?転職をしようとしてる作者。歌舞伎町のごみ拾いのボランティア。というイメージで展開される作品。
例えば、実験室での作業、細胞の増殖とか、もうちょっとニュアンスを持たせたつくりにしたら良かったのではと思います。
ただ、私は、そういう作品の「息遣い」というものが具体的にどういう風にしたら立ち現れるか、具体的な部分はまったく解らないのですが。(これが半可通の私の限界です)
「BRINKY」(ビデオ/20分)
引きこもりの兄をモチーフにした作品。兄は離島でひとり暮らしをしていたようですが。両親の実家とかだったのかしら?その家の内面の荒廃を映したような荒れ果てた様子。私もそれに近い暮らしをしていた経験があるので、ちょっとぞっとしました。というか、引きこもりに関しては他人事じゃないので、かなりイタかったです。
引き篭もりからの脱出は、家族、特に両親の覚悟がほんと必要だなと思いました。
「左手にかくしたはちみつドロップ」(8ミリ/4分)
プログラムによると今回の8ミリ作品は1本だけかと思っていましたが。プログラムにはビデオと書かれていた本作も8ミリ作品でした。都合2本か。
映像と音楽のコンビネーションがクリシェっちゃクリシェかもしれないけど、いい感じでした。
という方向で、全プログラム拝見しての総合的な感想ですが。
今年も「フリチン映画」がなくてちょっとさみしかったです。
「フリチン映画」ってのは、なんていうかな、衝動を抑えきれず、どうしていいか自分でも良く解らず、思わずフリチンになってわ~っとやったり、無茶したりする作品です。もちろん私はフリチンが見たいわけじゃなく、また、危ない無茶を推奨するわけではないのですが。
そして、私自身フリチンとは正反対の、ヘタレな人間であると思いますが。
(ここ読んで誤解されると困るので、念のため書きますが、私自身は映像作家どころか、ビデオさえ大して撮ったことない人間です)
また、イメージフォーラム付属映像研究所のあり方も変わっていってるのだろうなと理解しますし。
8ミリからビデオへ、編集も機材も揃えるのにひと財産要った時代から、そこそこのスペックのPCと編集ソフトさえあれば可能な時代(なのですが、私はビデオカメラ持ってませんが)、映像作品を作るということの敷居がどんどん下がっている時代。
そういう時代は決して悪くないと思います。
そういう時代の流れの中で、「映像作家」であることは(それは「実験映画」の作り手であるという意味だと私は理解していますが)、どうなっていくのかしら、「映像作家」の養成所であるイメージフォーラム付属映像研究所はどうなっていくのかしらと思ったりします。
私はあくまで「部外者」ですが…。
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