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2008/05/25

『世界で一番美しい夜』

昨日は『世界で一番美しい夜』の初日封切りを観てきました。三上寛さんご出演というので。

大好きなバンド、母檸檬の御手洗花女さんと水子さんが表紙になってるというのでたまたま購入したトーキングヘッズ叢書№34『奇想ジャパネスク』に紹介記事が出ていて、本作のことを知りました。ほんと、面白い巡り合わせです。

劇映画の封切りを観るのは久しぶりであります。最近は実験映画かドキュメンタリーしか観ていませんし。たまに劇映画を見るのもフィルムセンターか名画座でしたし。

ストーリーに触れる部分はネタバレゾーンにしようと思いますので先に書きますが。三上寛さん、重要な役どころでたくさん出てました。ピンポイントなご出演かなと思っていたので嬉しかったです。

ギターを弾き語るシーンもありました。ライブでいつも目前で拝見している、聴き慣れた三上寛さんの旋律、それが目の前だけど、スクリーンの中にいらっしゃる三上寛さんから聞こえてくるというのは、とても不思議な感覚でした。

東京での上映館、渋谷のシネアミューズですと、31日に天願大介監督、田口トモロヲさん、三上寛さんのトークショーつきの上映があるようですが。ただその日は仕事で行けません。残念ですが。だから、封切り初日の今日に行くことにしました。

あと、エンディングも三上寛さんでした。CDはいつリリースなのかしら?劇中歌では「かけら」(アルバム『南部式』)と「陰画」(アルバム『BACHI』)とあと何だっけな?があったようです。

スズキ コージさんのサイケデリックなイラストのアニメーションが印象的でした。プロローグの挿話とか、劇中スズキコージさんのイラストと実写の人物の合成もありました。エンディングの三上寛さんのイラスト、Tシャツが欲しいです。シネマアミューズにはスズキコージさんのオリジナルイラストの展示もありました。

さて、お話は。

海辺の小さな漁村、要村。村民たちが東京へバスで出かける前日から本編は始まります。
その村は出生率日本一ということで、総理大臣に褒めてもらいに行くとか。

そうなったのには実は秘密があって、中学生の少女がその秘密をあるジャーナリストに書き送るというかたちで14年前に遡り、お話は始まります。

14年前、要村に左遷されてきた新聞記者・水野一八(田口トモロヲ)。その新聞社の社主の出生地ということで、記念館となった生家(茅葺をトタン葺きにしたボロボロの農家ですが)の管理と共に、不始末をしでかした記者の左遷先として、小さな村なのですが、支局があるようです。

以下、ストーリーに触れつつ書いていきますので、ネタバレゾーンにつき。

いや、公式サイトの予告編を見れば大体のストーリーは察せられます。

支局の局長は遠藤(佐野史郎)。労組活動が原因で左遷されたという事になっているようです。今は支局で勤務中にも酒を呷る呑んだくれ。あ、佐野史郎さんのライブや佐野史郎さんの奥さんのライブも拝見した事があります。
暴力闘争、爆弾テロに絶望した元・活動家、仁瓶欽一(石橋凌)。彼は新しいテロの手段を開発していて。
スナック「天女」の謎のママさん、檜原輝子(月船さらら)。彼女はある理由により、不思議な能力を持っていて。
〆子(美知枝)。彼女はちょっと頭のおかしい女性に見えますが、実は大天才で、彼女の父親、権三が村いちばんの凄腕漁師なのも、彼女が発明した特殊な装置のおかげでした。三上寛さんが権三役でした。

彼ら彼女らの人間模様、そして起こったある事件。それが村の日本一の出生率に繋がっています。さらにその秘密を応用して、村民たちの上京ついでに、〆子の娘が東京であるテロを決行します。その〆子の娘がジャーナリストに村の秘密を書き送る訳ですが。

そのテロ、良いです。

なんか、三上寛さんが月例ライブをなさっている高円寺のライブハウス・無力無善寺の大将、無善法師さんの口癖、「おまんこ、やりたいですネ!」が浮かんできました。
いや実は原作は無善法師さんじゃないかって妄想さえしてきます…

故郷が舞台になる場面があって、懐かしかったです。偶然に驚きました。
作中、成績が良くないことを父親に叱られた事を苦にして自殺した15歳の少年が出てきますが。22日の無力無善寺でのやまさんのライブに遅れたのは、成績を苦にして中央線快速に飛び込んだ14歳の少年のせいでした…。この世の中、クソです。

封切り初日初回ということで、上映後、舞台挨拶がありました。
天願大介監督、田口トモロヲさん、月船さららさん、石橋凌さんがお見えでした。

天願大介監督は2006年に亡くなられた今村昌平監督の息子さんだそうです。
トークショーで今村昌平監督の『にあんちゃん』への言及がありました。ちょうど去年、フィルムセンターでの今村昌平監督の追悼上映で『にあんちゃん』を拝見していました。要村は『にあんちゃん』の舞台の近くということになるというお話でした。『にあんちゃん』の舞台は佐賀の海沿いの炭鉱街。『世界で一番美しい夜』のエンドクレジットを見ると、佐賀の地名がありましたので、要村も佐賀の海沿いの漁村という設定なのでしょうか。

糸島半島から唐津にかけて、海沿いの道を50CCのバイクでのんびり流すのが大好きでした。今でもまた行きたいなと思っています。

月船さららさん、宝塚歌劇団の男役出身の方だそうですが。宝塚の男役というと、背の高い、身長1メートル70センチ以上というイメージがあったのですが。意外と普通の背の高さという感じがしました。劇中、月船さららさんの唇にドキドキしました。

『世界で一番美しい夜』、おススメであります。

こういうテロをやるんだったら私も混ぜて欲しいです。
何とかして狂気の域に達しつつあるこの世界の時計の針を停めなければと私も思います。

なんだったら自爆テロでもいいです。志願したいと思います。
いや、その勇気はないか…

しかし、そのテロのあった夜も、私はあぶれているような気がしますけど(涙)

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