初春狸御殿
昨日もフィルムセンターに行って、『初春狸御殿』を見てきました。
日本映画データベースによる、スタッフ&キャスト表は
http://www.jmdb.ne.jp/1959/ci005470.htm
です。
映画が始まってから、観るの2度目と気がついたけど、面白いし、前に見たお話ほとんど忘れてるからいいや。
豪華キャストだと思います。この豪華キャストで演るお話というのはタヌキの世界の物語。若尾文子も市川雷蔵も勝新太郎もみ~んな人の姿をしてるけど、ほんとはタヌキという設定。若尾文子が、市川雷蔵が、勝新太郎が、み~んなタヌキであります。
歌謡ショーという風情。なんか、新宿コマ劇場あたりでやってそうな感じです。いや、見たことないけど。
さて、お話は。
呑んだくれのやくざな親父(もろにタヌキ親父ですな)・泥右衛門と暮らす若い娘タヌキ、お黒(若尾文子)。彼女は父親に強いられて、木の葉のお金でお酒を買いに行かされたりしてます。父親は父親で娘がどうしても行こうとしない鶏盗みに行ったりして。で、とうとう鉄砲持った村人に追いかけられます。で、追い詰められてままよと傘に化けるんだけど。そこを通りかかった狸御殿の女中さんに拾われて、狸御殿にやってきます。
狸御殿のお姫様、きぬた姫(若尾文子:二役)。彼女は人間世界に憧れていて。お見合いのその日だというのに、人間世界へ家出をしてしまいます。困った狸御殿のひとたちは、お黒がきぬた姫にそっくりなのを利用して彼女をきぬた姫に仕立て上げ、お見合いをさせます。
お見合い相手は狸吉郎(市川雷蔵)。彼ときぬた姫に扮したお黒はたちまち意気投合。狸吉郎に恋するお黒、しかし、彼女はきぬた姫の替え玉。彼女は狸吉郎とは結ばれない運命。彼女の心は千々に乱れて。
彼女の恋の行方は?行方不明のきぬた姫は?そして、泥右衛門の悪巧みは?という物語。
ラスト、ド悲劇に終わるかと思いきや、胸をなでおろしました。
しかし、ほんと、贅沢です。「娯楽の王様」として君臨していた頃の日本映画だからできるお遊びだったかと。市川雷蔵は自分のことを「タヌ吉郎」なんて呼ぶなんて、ほんと大贅沢です。映画会社のファンサービスなのでしょうか。
着物の着こなしが面白かったです。お姫様、もちろんキンキラキンの衣装なのだけど。その着物にチョーカータイプのネックレスとか、ブレスレット、ティアラのような髪飾り、帯留めもシルバーに石をはめたようなものを加えて。洋風の装身具なんだけど、和服に似合ってます。
しかしほんと、若尾文子とか女優さんたち、きれいだったなぁ。たぶん、「スター」という言葉が生きていた時代。高いところで輝き、庶民には決して手の届かない存在。
そそ、せくしぃ系のシーンもありました。清酒黄桜のCMに出てくるような、半裸のカッパ美女もいました。乳首にシール姿です。乳首シールの踊り子さんは他にも出てきました。シースルーの衣装に乳首シールとか。
ただ、そのカッパ役のおひとり、毛利郁子さんはWiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%9B%E5%88%A9%E9%83%81%E5%AD%90
によると、後に人を殺めてしまったとか。スクリーンから笑顔とセクシーを振りまいていた方が、後にそういう運命を辿ってしまうのは悲しいです。不倫関係のもつれとか。不倫はダメだよぉ。ほんと、好きになってた女の子が実は不倫してましたってのが何度かあったのだけど…。
とまれ、『初春狸御殿』、楽しい映画でした。
日本映画データベースによると、“狸御殿”シリーズは他にも何作かあるようです。
他のも見てみたいです。
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