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2007/01/28

煌翔月例上映会

昨日は1月の最終土曜日、かわなか先生の月例上映会の日。
という訳で拝見してきました。南阿佐ヶ谷の煌翔へ。
今回も萩原朔美さんは講演会との事でお休みでした。

上映作品は
『映像書簡8』(かわなかのぶひろ&萩原朔美 DV 33分 2002年)
『Rule』(難波阿丹 DV 15分 2006年)
『酒場#4唯尼庵』(かわなかのぶひろ DV 30分 20007年)
でした。

『映像書簡8』。本作より映像書簡シリーズはDVになったようです。いつもでんと構えていた映写機がなかったのでちょっとびっくりしましたが。
かわなか先生のお話によるとフィルムでもやりたいそうですが。

各パート間に“死”に関するさまざまな箴言が挟み込まれていたり、墓地で撮影されてたりしますが、作品自体からは“死”の匂いは漂ってこない感じでした。それは映像書簡シリーズ過去作からの引きかと思います。シリーズ通して拝見しているとそういう感じがします。

本作ではかわなか先生と萩原朔美さんの映像に対する対話の比重が大きいです。これも前の作品から通しで拝見していくと、その流れの延長上になるのではないかと思われます。これもシリーズ通しで拝見していると見えてくる部分かと。

萩原朔美さんパートではイコンのような女の子のショットがところどころに挿入されます。カメラを構えた女の子の画。シンプルな白いブラウスに黒いスカート。

クレジットに九條今日子さんのお名前があったのだけど。作中にはお姿がなかったような。かわなか先生のお話によると、萩原朔美さんパートで挿入された、電車に手を振る朔美さんの写真の中の一枚の、後姿の女性が九條今日子さんとか。これも萩原朔美さんの“技”なんだけど、同じようなショットをいくつも、何年もの間、撮り続けるという“技”の中の一枚。

高尾霊園のペット墓地とか寺山修司のお墓で撮ったショットなどありました。踏み切りの中でおふたりの対談を撮ったシーンなど、電車が来るのであわてて逃げ出したり。

上映後、ちょっといい話を伺ったり。いや、あたしも周りが盛り上がってくると浮くタイプですから。

今回の若手映像作家作品の上映は難波阿丹さんの作品。難波さんは大学院生。去年のイメージフォーラム卒業生で、今は映画美学校にお通いとか。
作品は『Rulel』。いくつかの“ルール”を持ち、それをこなしながら淡々と生きていく男の独白、かなぁ。
あたしは去年のイメージフォーラム付属映像研究所の卒業作品展で拝見しています。ただ、オリジナルヴァージョンが30分くらいあったのを15分に切り詰めたとか。

時折挿入される、8ミリで撮影された心象風景が印象的でした。

上映後のお話で、なぜ、彼がこのような暮らしをしているか隠し設定の説明などありました。

そしてかわなか先生の今回の新作は『酒場#4唯尼庵』。
去年、唯尼庵のキヨさんが急逝されて。かわなか先生とキヨさん、その前の夜に三上寛さんのライブを観に行って。そして別れてから、キヨさんは急逝されたそうです。
かわなか先生たちが夜っぴて呑んだ後の、夜明けのシーン。その時はもうキヨさんは息をされていない。それが胸に迫ります。

唯尼庵は何回か行ったことがあります。三上寛さんの本、『怨歌に生きる』に、三上寛さんが唯尼庵のカウンターの中にいらした事があると書いてあって。それで興味を持って覗いてみました。キヨさんに「また来いよ!」と言われて、しかし、行かずじまいになってしまいました。それが心残りです。

今回も煌翔さんのご好意でおいしいものを頂いて、呑んで、楽しい時間を過ごしました。
どうもありがとうございました。

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