喜劇 駅前百年
昨日はフィルムセンターに豊田四郎監督『喜劇 駅前百年』を見に行きました。
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明治百年にちなんだ作品とか。
上野で戦った彰義隊と官軍の兵士が仲良く上野で始めた旅館、葵館。しかし時代の足音は葵館にも着実に押し寄せてきて。宿決めも旅行代理店主導になってきて。宿代の1割を取る代わりに客を紹介するとやってきた大手旅行代理店の男、フランキー堺を追い返したせいで葵館は客をライバルの赤門ホテルに取られてしまうと。それに葵館の跡取り息子と赤門ホテルの女将の姪の恋模様とか、ひとりで旅行代理店をやっている、かつてはフランキー堺の上司だった女性とか、いろいろお話は絡んできて。
そして、時代の流れは葵館と赤門ホテルに決定的な選択を迫る、と。
「いいもん」VS「悪いもん」という図式はほとんどありません。「悪いもん」が欲をかいて失敗し、「いいもん」が勝利を収めるとか、分かりやすい図式はありません。時代の流れ、おのれの欲、思い入れといったものに人々が右往左往する様が描かれています。
ザ・スパイダーズがゲスト出演してました。ベースとエレキギターのひとりがリッケンバッカーを使っていました。やっぱりリッケンバッカーのギターってかっこいいです。
そしてやっぱり皆さん若いです。森繁久彌も別人みたいですし。そして、森光子さんがあれだけ喜劇ができるのも驚きでした。
駅前シリーズは小さいころ、一本だけ映画館で見た記憶があります。たぶん、ゴジラシリーズ(こちらも作品名は失念しましたが)の1作と併映だったと記憶しています。そっちを見に連れて行ってもらった訳だったのでしょう。商店街の映画館。そう、近所の商店街に普通に映画館があった時代の最後のころでした。今時の若い人には想像もできないでしょうが。
「東京は人の住む所じゃなくなっちまったな。」(フランキー堺)
でも、住んでますけどね、私。
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