2018/12/12

『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』

『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』(三方行成:著 早川書房:刊 Kindle版)読了。
古今東西の昔話や童話をSF仕立てにした短編集です。今年の第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作だそうです。(優秀賞の上に大賞があるようですが、今回は該当作なしとか)

短編集ということで、お試しとして本書に収められた「地球灰かぶり姫」がKindle版として無料公開されています。それを読んで面白かったので、購入しました。
Kindle本を買う場合、紙の本と比べて中身を確かめるのがなかなかに難しくて、まだまだ戸惑うことも多いのですが。お試しとかありますけど、やっぱりそういうのに拘束されずぱらぱらと眺めてみたいですしね。でも本書は短編集のおかげか、1篇無料という事で、とっつきがよかったです。

本書に収められたおはなしは

  1. 「地球灰かぶり姫」(シンデレラだと思います)
  2. 「スノーホワイト/ホワイトアウト」(これは白雪姫になるのかな)
  3. 「<サルベージャ>VS甲殻機動隊」(これはなんになるのかちょっと。タイトル的にはアレが元ネタかもしれませんが、アレは昔話でも童話でもないしなぁ…)
  4. 「モンティ・ホールころりん」(これは「おむすびころりん」ですね)
  5. 「アリとキリギリス」(これはそのまんま)

の全5編。それから「第6回ハヤカワSFコンテスト選評」として審査員の方々の選評が載ってます。これについては本作以外への言及もあります。
三方行成さんご自身の前書きやあとがきはありません。

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2018/11/06

高野秀行『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』

『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』(高野秀行:著 文藝春秋:刊)読了。
「辺境ライター」高野秀行さんの世界各地の珍食奇食に関する紀行エッセイです。

先日、「食フェス」ってのに行ってきました。広場にたくさんの露店が並んでいて、日本や世界の各地の料理が食べられるというイベント。

181106

そこで、仲間がアフリカのどこかの国のブースで買ってきたという焼いたイモ虫を持ってきました。後日改めてネットで調べるとモパネワームという物らしいのですが。

お酒が少々入っていたこともあり、食べてみました。中がぐちゅっとしてたり、妙な味がしたらダメだったかもしれませんが、けっこうもくもくと食べられました。ネットで煮干みたいというたとえを見かけましたが、食感はそんな感じかな。味もそう濃い方ではなかったかと。あとかすかに小エビのカラの風味がしました。キチン質って奴かしら?

ま、昆虫食としては初心者向きではあったのでしょうが、けっこう食べられるものだなと思いました。それで、その手のイカモノ食いにちょっと興味を持って。
で、フォローしている高野秀行さんのツイッターによると、高野秀行さんが経験してきたそういう世界の珍食奇食を取り上げた本が出ると知って、これは幸いと本書『辺境メシ』を買ってみました。

高野秀行さん、ファンです。以前はよく読んでいたのですが、近年はそういう本を読むことも少なくなってしまい、あまり読まなくなってしまっていたのですが。
辺境ライターの高野さんが紹介する、世界の辺境でのエピソード、とても楽しく読みました。

昔はこういう本を「いつかそういいう所にもいく機会があるのかなぁ」と思いながら読んでいましたが、近年は「こういうところに行く機会はないだろうけど、面白いなぁ」と感じながら読んでます。老いてますわ。

また、そういう辺境をじかに見てるぶん、氏の見識もまた、鋭いものがあります。ミャンマーのアウンサン・スーチーが、ミャンマー民主化のホープと世界に思われていたころに読んだ氏のミャンマー旅行記に「ミャンマー問題の本質は少数民族問題である。その点においてミャンマー民主化の期待がかけられているアウンサン・スーチーも少数民族については差別的に見てる。だから氏がミャンマーの政権を取ってもそれは変わらない」と書いていらっしゃいました。スーチーが政権の座についたその後の展開は氏の分析通りになってしまいました…。

という事で、久しぶりに高野秀行さんの本です。

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2018/09/18

池内恵『シーア派とスンニ派』

『シーア派とスンニ派 【中東大混迷を解く】』(池内恵:著 新潮選書)
「『シーア派』と『スンニ派』」をはじめとする近年の中東情勢の流れの概観を紹介した本です。ちょっと前に読了。

中東情勢。産油地帯であり、日本はもちろん世界の生命線を握っている場所ではありますが。でも、そういう場所なのに、いや、そういう場所であるからか、しょっちゅうドンパチしているという印象もあります。

私の近現代の中東史の理解は…。まずイスラエルの建国があって、それに対立する中東諸国、そしてパレスチナ問題、PLOとかPFLP。そして日本赤軍。それからイランでイスラム革命があって、イスラム教をバックボーンとする反米国家が生まれて。それからイランとイラクの戦争とか湾岸戦争とかイラク戦争とか。民主化の流れがあって、でも、イスラム原理主義が勃興し、イスラム国とか言うのが人々を虐殺し、異教徒の遺跡を破壊して回っていて。それから『シーア派』とかいうのと『スンニ派』とかいうのがなんか宗教戦争みたいなのをやってて。なんかそういう断片的なイメージはあるのですが、それのつながりとかなんかはあまりよく解りません。

もちろん日本や世界の生命線な場所ですから、訳知り顔にそれを解説したい人もいるようで。つまり、「単純化して理解したつもりになる」って事かな?そういう動きもまぁあるっぽいですな。
そういう「単純化して理解」って手法の一つが本書にもある「マジックワード」化って奴なんだろうけど。そのその解りやすい「マジックワード」として立ち現れてるのが『シーア派』と『スンニ派』というキーワードで。「中東問題とはつまりシーア派とスンニ派の宗教戦争なんだよ」って言い方が近年はよくあるそうで。

そういうわけでたまには中東情勢の解説本でも読んでみようかと思って手を出してみました。
著者の池内恵氏は『イスラーム国の衝撃』(文春新書)を読んでます。それが面白かったので本書も手を出してみました。

本書の目次は

はじめに

第一章 中東問題は宗派対立なのか
1.決まりきった問いかけ
2.中東現代政治の「宗派対立」
3.レバノン-宗派対立の「元祖」
4.「アラブの春」と宗派対立
5.宗派の相違は「原因」か「結果」か
6.「宗派対立」概念への批判
7.宗派対立の虚実

第二章 シーア派とは何か
1.「宗派」と「宗教」
2.シーア派は「少数派」なのか?
3.シーア派は「異端」なのか?
4.シーア派の誕生
5.ムハンマド死後の政治権力-正当性と実効性
6.実効支配か血統か
7.アリーの血統への「あるべきだった権力継承」
8.歴史の肯定と否定・優越感と劣等感

第三章 それはイラン革命から始まった
1.イラン革命の衝撃
2.イラン革命の四つの要素
3.イスラーム革命の思想
4.革命の輸出と反発
5.一九七九年という年
6.「一九七九年以前のサウジ」?

第四章 イラク戦争が解き放った宗派対立
1.イラク戦争
2.「任務完了」果たせず
3.「同盟者としてのシーア派」
4.イラク新体制の設立と宗派問題の浮上
5.米国のイラク三分割論
6.「シーア派の弧」への警戒

第五章 レバノン-宗派主義体制のモデル
1.レバノンという国
2.ブッシュ再選に沸いた民主化勢力
3.聖ヴァレンタイン・デーの爆殺と「レバノン杉革命」
4.レバノン政治の複雑怪奇
5.二〇〇六年夏-レバノン戦争という転換点

第六章 「アラブの春」と「まだら状の秩序」
1.「アラブの春」がもたらしたもの
2.「まだら状の秩序」の時代
3.非国家主体の台頭
4.地域大国の台頭と「拒否権パワー」

あとがき

となっています。

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2018/09/12

『ヨコハマ買い出し紀行』

『ヨコハマ買い出し紀行』(芦奈野ひとし:著 講談社:刊 Kindle版 全14巻)読了。
コミックスです。
ここんとこ、まとまったボリュームの小説とかコミックスがとんと読めないメンタルコンディションなんですが、この夏は本書に出会い、面白く拝読できて、久しぶりに長い作品を読了できました。

本書の事はずいぶん前から気になっていたような気がします。もうだいぶ前に書店に平積みになっていたのを見て『ヨコハマ買い出し紀行』って面白い題名だなって思って見てた記憶があります。でもその時は、そのタイトル通り、横浜の(隠れた)名店を紹介するウンチク漫画みたいな物なんだろうなと思っていました。そういうのはあまり食指が動かないし。

ちょっと前にたまたま本書の内容を知る機会があって。自分の好きな世界観だなと思って、試しに買ってみました。それから面白いなって思って、気がついたら全巻買って読んでました。

舞台は関東地方の海沿いのどこか。ちょっとだけ未来のお話。優しく滅びつつある世界のお話。この「優しく滅びつつある世界」ってのが私にはとてもツボなのです。

確たる理由は明らかにされないのですが、衰退に向かっているらしき世界です。地球温暖化のせいかそれとも何か地殻変動のような現象のせいか、海面が上昇し、陸地がどんどん海に飲み込まれていっているようです。人口も減ってるのか、街はどんどん寂れていっているようです。

不思議なハイテクガジェットがいろいろあります。何十年も着陸せずに飛んでいるらしい飛行機、街灯は生きている素材でできてるようで、外部から動力を与えなくても自前で光るみたい。だから、廃墟と化したり水没した街でも街灯だけはともっていて、それもまた美しい景色のようです。
人の形をした植物のような鉱物のような存在。

そして、人間そっくりのロボットもいます。通常のSF用語なら「アンドロイド」と呼ぶべき存在なのでしょうが。本作では、あえてでしょうが、「ロボット」と呼んでいます。

そういうかつてはハイテクが進んだ世界であったようですが、それはどうも衰退しつつあり。作中の人々の生活レベルは昭和30~40年代くらいかな。そんな感じです。
その昭和30~40年代を感じさせる、ちょっと古い感じの軽トラックとかあります。ハイテク時代が衰退しての品物なら、そのハイテクデザインは残ってるとは思うのですが。

今の日本で言う県とかそのレベルの範囲が「国」と呼ばれる行政区分になってます。だとするとそれぞれに国会とか国レベルの行政機関があるのかなぁと思うのですが、それは描かれません。っていうか小国寡民?

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2018/06/20

『戦争は女の顔をしていない』

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ:著 三浦みどり:訳 岩波現代文庫)。読了。第2次世界大戦当時、侵略してきたドイツ軍と戦ったソ連の女性兵士(全員がそうではありませんが)の証言集です。

第2次世界大戦当時、ソ連の大勢の女性が戦線で戦ったという話は、ミリタリー本に書かれていたのをちらっと読んだことがあります。映画だと『戦争のはらわた』にソ連の女性兵士たちが出てきたかと。ただ、きちんとした戦記的なものを読んだ記憶はありません。
本書を読んでみたいと思ったのは何がきっかけだったかな?ネットをうろついていて何かを見かけて興味を惹かれたと思うのですが。それで買ってみました。

トータルで500ページ弱、ちょっとした長編小説ぐらいのボリュームです。私はここんとこほとんど小説が読めなくなってきていて、だから、「こういう厚い本、読み通せるかしら?」と思ったのですが。読了しました。
ま、ロシア文学って分厚いってイメージがありますな。同じくロシアの証言集ならソルジェニーツィンの『収容所群島』がもっとボリュームがあるかしら。あれは本書と同じくらいの厚さで何巻にもなってたと思うし。読んではいないのですが。

その厚さ。

「苦悩というのは、秘められた真実にもっとも直接関係をもつ高度の情報だと思う。それは生きているということの神秘に直接関わっている。ロシア文学のすべてがこのことを扱っている。ロシア文学は愛についてより、苦悩について多くを書いていた」(14-15p)

そうか、ロシア文学って「厚くて重い」って先入観がありますが、そういう事なのかなと。ロシア文学は苦悩について書かれている。

とても面白く、いや、「面白く」という表現は違うかもしれないけど、読みました。本書に収められたたくさんの元女性兵士たちのたくさんの証言、ぼっとなるくらいのボリューム。
そのボリュームだからこそ、読み通して自分の中に残ったものは、逆に言えば、自分の中の何かに「引っかかった」、印象に残ったものなのかなぁと思います。
そういう意味での「分厚さ」だったのかもしれないなぁとも思います。

内容としては彼女たちの証言集がメインで、合間合間に作者さんの取材メモが入ります。
戦記的な、どの部隊がどこでどう戦ったかとか、そういう書き方ではありません。彼女たちの記憶を、思い出を、収めていくというスタイルでした。

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2018/05/14

『歴史修正主義とサブカルチャー』

『歴史修正主義とサブカルチャー 90年代保守言説のメディア文化』(倉橋耕平:著 青弓社:刊)。近年勃興している「歴史修正主義」の発生を、90年代のメディアとサブカルチャーの動きと絡めて論じている本です。読了。

まず、本書の目次から紹介します。

序章 なぜ「メディア」を問うのか?

  1. 保守言説の広がり
  2. これまでの調査研究でわかっていること
  3. 本書の対象-歴史修正主義と一九九〇年代
  4. 「何が語られたか」ではなく「どこで/どのようにして語られたか」
  5. 本書のアプローチ-コンバージェンス文化
  6. 本書の構成

第1章 歴史修正主義を取り巻く政治とメディア体制-アマチュアリズムとメディア市場

  1. 歴史修正主義の特徴
  2. 歴史修正主義はどこで/誰が展開しているのか
  3. 教科書をめぐる政治運動と右派メディア知識人
  4. 歴史修正主義をめぐるメディア市場

第2章 「歴史」を「ディベート」する-教育学と自己啓発メディア

  1. 「自由主義史観」と「ディベート」
  2. 「歴史」を「ディベート」する
  3. メディアでのディベート表現の展開

第3章 「保守論壇」の変容と読者の教育-顕在化する論壇への参加者

  1. 「論壇」の輪郭と「論壇」の問い直し
  2. 読者の「教育」-読者コーナーのメディア論

第4章 「慰安婦」問題とマンガ-『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論

  1. これまで小林よしのりはどう語られてきたか-先行研究と本書のアプローチの違い
  2. 「慰安婦」問題を否定する保守言説の構築とそのメディア特性
  3. 「読者」の扱いと言説空間の構築

第5章 メディア間対立を作る形式-<性奴隷>と新聞言説をめぐって

  1. <性奴隷>の初出をめぐって
  2. 主要新聞報道で<sex slaves>はどのように用いられたか
  3. 批判の「形式」へのこだわり

私が本書をどれだけ理解できたか自信はないのですが、簡単に感想を書いてみたいと思います。
いや、本書は、できる限りわかりやすいように書かれていると思います。「序章」で本書の構成をあらかじめ紹介していますし、各章の最後にも「おわりに」として簡単なまとめを挿入していますし。
そして、このことは、今は私が最も理解しておきたいと思っている、現在進行形のこの世の動きの一つであります。

なお、本書はサブタイトルにもあるように、主に90年代の動きについて紹介しています。
いわゆる「ネット右翼」。ネット時代に右翼的なものが勃興してきたと思っていて、だからネット普及以前の動きより近年のネット時代からの動きが知りたいと思っていましたが。

本書を読むとその動きの萌芽は90年代にあらかた現れているようです。インターネットの普及はそれをバーストしたに過ぎないようです。また、その、90年代の動きがなかったら、インターネットの普及が起きたとしても、また異質な今日の状況になってたのかもしれません。

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2018/04/13

『フィリップ・マーロウの教える生き方』

『フィリップ・マーロウの教える生き方』(レイモンド・チャンドラー:著 マーティン・アッシャー:編 村上春樹:訳)
「ハードボイルド」の名探偵、フィリップ・マーロウを生んだ作家・レイモンド・チャンドラーのアフォリズム集です。読了。

レイモンド・チャンドラー、昔は夢中で読みました。ただ、もうほとんど憶えてないのだけど。
思い出もあります。故郷にいた頃、チャンドラーの長編で『湖中の女』と『高い窓』が書店に発注しても手に入らなくて。でも、上京してそこらの書店に入ってみたら、両方ともポケミス版が並んでいて「東京はえれえ所だ!!」って大感動した思い出があります。

そして、近年はぜんぜん小説が読めなくなってきています。それは老化か、それともメンタル的な不調か、どちらかはわからないのだけど。でも、血を熱くして読んできた「ハードボイルド」小説や冒険小説が、今の自分を支えてくれてるってのは体感しています。昔読んだ面白本のことを思い出すと、今でも血がかーっと熱くなってくるのですが。

「ハードボイルド」小説の名台詞集というのは昔何冊か出てて、買ってました。名台詞とそれを語るエッセイってフォーマット。だからこのレイモンド・チャンドラーのアフォリズム集というのもずいぶんと懐かしい気がします。今もそんな本が出てるかどうかは分からないのですが。

翻訳は村上春樹とか。押しも押されもしない大作家でありますが、恥ずかしながら村上春樹の小説は未読です。タイトルが印象的なので、雑誌の書評コーナーなんかで「羊を~」とか「ピンボール~」とか、そういうタイトルを見かけて、なんとなく心には引っかかっているのですが。

村上春樹の翻訳リストを見ると、このレイモンド・チャンドラーのほかにサリンジャーとかティム・オブライエンとか、自分的にもツボな作家さんの翻訳も手がけられていて、そういう意味でもいつかは読んでみたいなとは思ってるのですが。ただほんと、近年は小説がほとんど読めなくなっていて。

いや…。

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2017/12/09

堀井憲一郎『愛と狂瀾のメリークリスマス』

『愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか』(堀井憲一郎:著 講談社現代新書 Kindle版)読了。戦国時代のキリスト教伝来から今日までの日本でのクリスマスの扱われ方を「あるユニークな視点」から資料を駆使して概観した本です。

堀井憲一郎さんの著作は何冊か読んでいます。そして『若者殺しの時代』がとても印象深かったです。本田透さんのいう「恋愛セックス資本主義」の勃興、80年代あたりからの『恋愛』をコアにした消費市場が立ち上がり、若者を取り込んでいった歴史を解き明かした書物でした。

その『若者殺しの時代』にクリスマスの話もあって、どうやってクリスマスが恋人同士のカネを使うイベントとして成立していったかという話も載っていて。とても面白かったです。
だから堀井憲一郎さんが日本におけるクリスマスの歴史をお書きになった本書もとても面白いだろうなと思って、買ってみました。

本書の章立ては以下のようになってます。

序 火あぶりにされたサンタクロース
 1章 なぜ12月25日になったのか
 2章 戦国日本のまじめなクリスマス
 3章 隠れた人と流された人の江戸クリスマス
 4章 明治新政府はキリスト教を許さない
 5章 “他者の物珍しい祭り”だった明治前期
 6章 クリスマス馬鹿騒ぎは1906年から始まった
 7章 どんどん華やかになっていく大正年間
 8章 クリスマスイブを踊り抜く昭和初期
 9章 戦時下の日本人はクリスマスをどう過ごしたか
10章 敗戦国日本は狂瀾する
11章 戦前の騒ぎを語らぬふしぎ
12章 高度成長期の男たちは、家に帰っていった
13章 1970年代、鎮まる男、跳ねる女
14章 恋する男は「ロマンチック」を強いられる
15章 ロマンチック戦線から離脱する若者たち
終章 日本とキリスト教はそれぞれを侵さない
あとがき
参考文献

となっています。

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2017/10/15

『超スーファミ』

『超スーファミ』(多根清史・阿部広樹・箭本 進一:著 太田出版:刊)
読了。『超クソゲー』シリーズ最新刊で、任天堂スーパーファミコンのゲームを紹介した本です。

あの、「超クソゲー」シリーズ共通のスタイル。版型は新書サイズ変形くらい、紙質の工夫もあるのでしょうが、分厚いです。
記事フォーマットは1作1本スタイルで、見出しにゲームタイトル、ジャンル、メーカー、発売日、定価、そして簡単なリード文があって。1記事は数ページ。3段組み。それから途中にレイアウトを変えたコラム記事が挟み込まれてます。超クソゲーシリーズ共通。

ゲームはリリースされた日付順に並んでいます。1990年11月21日にスーパーファミコン本体と同時にリリースされた『スーパーマリオワールド』から、2000年12月1日発売のスーパーファミコン最後のゲーム・『メタルスレイダー グローリー』まで。八十数本のゲームが紹介されています。

ゲーム紹介以外のコラムとしては、「ゲーム和尚・いたのくまんぼうロングインタビュー」「ゲーム機が綴る物語 現在に息づくスーファミの系譜」「スーファミハンター、浅草へ行く!featuringゲームセンターCX夏祭りin花やしき」。あと、「まえがき」、お三方による「あとがき」です。

さて、簡単な感想ですが。

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2017/09/30

『寺山修司のDNA 若い女性にアングラ人気の怪』

『寺山修司のDNA 若い女性にアングラ人気の怪』(朝日新聞:刊 Kindle版)
読了。朝日新聞のコラムをまとめた物になるのかしら?電子書籍版のみで紙の本は無いようです。前5章でボリュームは薄めですから、紙の本じゃペイしないかなと。だから、電子書籍ならではの本ではないかと。
お値段もお安く、Kindle版で108円でした。自販機の缶ジュースより安いです。

買ったのは7月の終わりごろです。

寺山修司とその関連の本を時々Kindleで探しているのだけど。寺山本は資料としていつでも見られるように手元においておきたいです。その点、Kindle本はスマホやタブレットに入れて常に持ち歩けますし、検索も簡単、マーカーも本を汚す心配なく引けます。そしてKindle本は時々バーゲンもしてくれますから、安価で手に入れることもできます。なかなかに便利です。

で、その日もまたなんか出てないかなと思ってKindle本を検索していたのですが。
それで見つけたのが本書です。
「若い女性にアングラ人気の怪」とかなんか茶化したようなサブタイトルがついていて、ちょっとむっとしたのですが。何が書いてあるんだろって思って買ってみることにしました。なんといっても108円と安いですし。

そして、面白く読みました。私のその翌月、8月に青森の三沢に寺山修司関連のイベント、市街劇『田園に死す』を見に行ったのですが。直接にはその紹介は無かったのだけど、その理解を深められるお話もありましたし、面白いご縁だなぁって思いました。

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