2017/09/12

『もうふりまわされない 怒り・イライラ』

『学校では教えてくれない ピカピカ 自分みがき術 もうふりまわされない 怒り・イライラ』(名越康文:監修 日本図書センター:刊)
読了。タイトルどおり、怒りやイライラのコントロール術を教えている本です。基本は子供向けのようです。

近年、暮らしも苦しくなり、先の希望も持てず、イライラとした感情にまとわりつかれることが多いです。それから逃れ、落ち着いた気持ちでいたいのだけど。だから、そういう感情のコントロールができたらいいなと思ってました。
なんかそこらへんのことが書かれた本でも読もうかなと思って。で、AMAZONで検索してたらこの本が見つかりました。名越康文さん監修という事で、いいかもしれないなと思って。

名越康文さんは何冊か御著書を拝読しています。そして御贔屓のミュージシャン、日比谷カタンさんとのトークショーも拝見しています。名越さん御監修の本ならすとんと腑に落ちるかなぁと思ってAMAZONにオーダーしました。
届いてちょっと驚いたのですが、カラー印刷の子供向けの本でした。子供向けなら分かりやすいかなぁ。

この本では、そんな怒りとじょうずにつきあう方法を、みなさんにわかりやすくお伝えします。「じょうずにつきあう」とは、怒りをがまんするということではありません。なぜなら、怒りは悪いものでも、きけんなものでもないからです。どんな人のこころにも生まれる、とても自然でだいじな感情です。だから、怒りを消そうとがんばるのではなく、怒りとしっかり向きあって、ふりまわされず、自分でコントロールできるようにしましょう。(「はじめに」より)

もうこの一文だけで、この本は役に立ってくれそうな予感が沸いてきました。さすが名越康文さんです。買ってよかったと思いました。

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2017/09/08

みなもと太郎『マンガの歴史1』

『岩崎調べる学習新書 マンガの歴史1』(みなもと太郎:著 岩崎書店:刊 Kindle版)
読了。文字通り漫画の歴史について書かれた本です。第1巻ということでシリーズ化されるようで、本書は終戦~60年代の話となっています。
みなもと太郎は漫画家ですが、これは字の本。

みなもと太郎はその代表作であろう『風雲児たち』を恥ずかしながら未読です。単行本もあまり買った記憶はありません。子供時代の学年雑誌に掲載されていたギャグマンガを楽しく読んでいたのがメインだったかと。あのしゅっしゅとした線づかい、口のフチをぐるぐるぐると線で描いた特徴的な絵。面白く読んでました。

私は休刊前の1年半ほど『マンガ少年』誌を読んでいたのですが。『みなもと太郎のなんだなんだなんだ』を毎号楽しみにしていました。これはマンガ論エッセイだったかなぁ、メインは。「マンガ描きは版下作業」「一生懸命それを目指してデビューして、その先に広がるのは一面の荒野」なんて痛烈な指摘は記憶に残ってますし、身に染み付いてます。ま、あたしは何者かになろうと努力した経験はないのですが。
この『なんだなんだなんだ』は単行本になってくれないかなぁっていつも思うのですが。

そういうことで、氏がお書きになったマンガの歴史解説書という事で、面白そうと思って購入しました。

この「岩崎調べる学習新書」シリーズですが、「調べる学習」というのは、「子供たちが自分が興味を抱いた分野について自主的に調べ、学んでいくという学習方法」(巻末の「『岩崎調べる学習新書』について」より)だそうです。私はKindle版を買いましたが、紙本版は開きやすい「コデックス装」という装丁を使ってるそうです。
そして漢字には一部ルビが振られています。そのおかげで私はずっと「水野英子」を「みずの・えいこ」と読んでたんですが、ほんとうは「みずの・ひでこ」って読むのだと知りました。大人向けのルビのない物しか読んでないとなかなかに気づかないことかなと。

さて、以下に『マンガの歴史』の私的感想を。

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2017/03/11

『寺山修司 青春書簡』

『寺山修司 青春書簡 -恩師・中野トクへの75通-』(九條今日子:監修 小菅麻起子:編著 二玄社:刊)読了。
寺山修司が青春時代、青森の恩師・中野トクへ書き送った手紙を集めたものです。

この手紙の展覧会は拝見してると思います。たしか場所は世田谷文学館だったかと。
このブログを検索しても出てこないので(見たら必ず書いていたと思いますので)、ブログを始めた2005年3月以前のことかと思います。そしてそこで本書も出版されると知ったのかなぁ、そこらへんは憶えてないけど本書の存在も知っていて、いつか読みたいなぁと思っていたのですが、もう10年以上も経ってやっと手にしました。

本書は昭和28年1月、まだ青森高校の生徒だったころから始まり、早稲田大学に入学して上京、そして3年間の長い入院期間を経て退院、そして本格的に活動を始動した、昭和38年5月までの寺山修司からの書簡が収められています。

寺山修司は中野トクの生徒だったのかなぁと思っていましたが、おととし読んだ若き日の寺山修司の評伝、『寺山修司 その知られざる青春』(小川太郎:著)によると、寺山は中野の直接の生徒だったわけではなく、寺山の友人の紹介で中野トクと知り合ったとか。
ここらへんの経緯はもちろん本書にも紹介されています。そして『~知られざる青春』の方が先行書だったので、『~知られざる青春』への言及もあります。

本書は、手紙の一通一通を、モノクロですが、手紙の現物、それを文字起こししたもの、そして解説で紹介しています。この解説が丁寧で凄いです。丹念な考証です。ほんと、資料性が高いです。手紙の中で触れられた人物のこととかもできる限り詳しく書かれています。

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2017/01/31

『この世界の片隅に』(漫画のほう)

『この世界の片隅に』(こうの史代:著 双葉社:刊)
読了。現在劇場アニメが大ヒット中の原作本ですね。映画も見に行くつもりで、その前に原作をと思って読んでみました。

この単行本には2バージョンあります。前後編の2冊組みのとそれよりすこし大きい上中下の3冊組みのと。私は前後編が旧バージョンで、上中下が現行版と思ってましたが、Wikipediaによると2巻ものの方が新装版のようですが。でも現在本屋さんで見かけたのは3巻組のほうだったけど。私は小さいほうの2巻組みのほうを最初に買いましたが、文字が小さくて(特にコマ外の書き込みが)読みづらいので、判の大きな3冊組みを買い直しました。それでもちょっと読みづらかったので、読書用眼鏡を買い直しましたが(笑)

こうの史代さんの作品は『夕凪の街 桜の国』と『長い道』を読んでます。『この世界の片隅に』は、『夕凪の街 桜の国』と同じく、広島に生きた女性の戦前~戦中~戦後を描いてます。
ちなみにこの私のブログに書いた『夕凪の街 桜の国』の感想はこちら、『長い道』の感想はこちらであります。どうかよろしく。

これから以降、ネタバレを気にせず、ストーリーにも触れて書いて行くと思いますので、まず最初に書いておきますが、とても面白く読みました。そしてまた同じくあのころの広島を描いた『夕凪の街 桜の国』と同じく内容のとても濃い、ぎゅっと詰まった作品で、二読三読したい作品です(まだ一読だけど)。
ちょうおススメです。

(以下ネタバレゾーンにつき注意)

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2016/06/09

『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』

『サーノ博士のヒーリング・バックペイン-腰痛・肩こりの原因と治療-』(ジョン・サーノ:著 長谷川淳史&浅田仁子:訳 春秋社:刊)読了。著者が提唱する腰痛・肩こりに関する新しい疾病概念・TMSに関する解説書です。

ここんとこ、腰痛が酷かったです。4月の頭からぐらいかな、腰がひどく痛んで。杖ついて歩いたりしてました。もちろん医者にも行ったのですが。通院しながら自分でもネットで腰痛情報集めてたりして、そして本書の存在を知り、買ってみました。1ヶ月以上、なんかほんと治らなくて、この本読んだだけで腰痛が良くなるって話もあったりして、2千円ちょっとでよくなるんなら大助かりと思って買いました。(鍼とかカイロとか指圧とか行くお金はないのです。保険のサポートする範囲内しか…)

本書に紹介されている「TMS」とは、“Tension Myositis Syndrome”の略で、日本語に訳すと「緊張性筋炎症候群」になるそうです。TMS理論によると痛みの直接の原因は軽い酸素欠乏で、その原因となるの は抑圧された感情(主に怒り)になるそうです。
ではどういう機序で抑圧された感情がその部位の酸素不足を起こさせるのか?はまだよく分かってないようですが。

本書の目次は
はじめに
第一章 TMS(緊張性筋炎症候群)とは何か
第二章 TMSの心理学
第三章 TMSの生理学
第四章 TMSの治療
第五章 従来の診断
第六章 従来の治療
第七章 心と身体
患者からの手紙
監訳者あとがき
となっています。

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2016/04/13

『世界一やさしい精神科の本』

『世界一やさしい精神科の本』(斉藤環&山登敬之:著 河出文庫)読了。
タイトル通り、精神病や精神科についての初歩的な入門書です。

斉藤環さんのお名前は以前から存じ上げていましたが。最近の「引きこもり」に関するツィッターでのご発言に、引きこもりに片足突っ込んでいた私は(今でもお金の問題がなければ引きこもりしたいです)興味を持ち。「なんか御著書を拝読したいなぁ」と思って近所の本屋さんで見つけたのが本書です。

本書は総花的な精神医学入門となっています。これって逆に珍しいんじゃないかな。精神病の本って、ご当人や家族や親しい方が患ってる(かもしれない)精神病についての解説とか治療法の本が多いんじゃないかな。たとえばうつ病の本とか、発達障害の本とか、人格障害の本、とかを手にと取ると思いますし。
本書は単行本のときは「14歳の世渡り術」シリーズの一冊だったそうで。だから、総花的な書きようになってるようです。そして、巻末に「もしも精神科にかかるときには」と「精神科の仕事に関心を持ったら」と最初に対象として書かれた子供たちの将来を考えた項が入れられています。

もくじは、

第1章 みんなのように上手にできない-「発達障害」について 山登敬之
第2章 人とつながってさえいれば-「ひきこもり」について 斉藤環
第3章 人づきあいが苦手なんです-「対人恐怖/社交不安障害」について 斉藤環
第4章 やめられない止まらない-「摂食障害」について 山登敬之
第5章 自分がバラバラになっていく-「乖離」について 斉藤環
第6章 トラウマは心のどこにある?-「PTSD」について 斉藤環
第7章 「困った人」とどうつきあう-「人格障害」について 斉藤環
第8章 なぜか体が動かない-「うつ病」について 山登敬之
第9章 意外に身近な心の病-「統合失調症」について 山登敬之
おまけ1 もしも精神科にかかるときには 山登敬之
おまけ2 精神科の仕事に関心を持ったら 山登敬之
文庫版あとがき 斉藤環

となってます。私が知ってる精神病はだいたい網羅されてるかなぁ。「認知症」がないけれど。あれは精神病というより内科系の病気かな。

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2016/03/07

『寺山修司からの手紙』

『寺山修司からの手紙』(山田太一:編 岩波書店:刊)
寺山修司19歳~23歳、山田太一20歳~24歳ころの書簡を中心にまとめられた本です。早稲田大学時代にふたりは知り合い、親友だったとか。

寺山修司未発表歌集の『月蝕書簡』、寺山修司撮影の写真集『写真屋・寺山修司』、寺山十代のころの未発表私家版詩集『秋たちぬ』に続く、寺山修司の秘書だった田中未知さんの寺山修司のお仕事発掘シリーズの一冊のようです。(書簡は「仕事」ではないかもしれませんが)

本書は近所の書店に発注したのですが、奥付を見ると2刷でした。山田太一の名前もあるのでしょうが、こういう書籍に重版がかかるのは嬉しいことです。

本書の構成は、全体のページ数の半分強が今回発掘された書簡。それからこれも未発表の当時の寺山修司の日記。それから関連アンソロジーとして寺山修司の書籍に採録された当時の手紙(創作部分もあるそうです)、寺山修司の葬儀のときの山田太一の弔辞。田中未知さんのあとがき「過去から現在・現在から未来」、山田太一さんのあとがき「手紙のころ」、が収められています。

寺山修司と山田太一の邂逅。やはり才能は才能を識る、でありましょうか。

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2016/02/18

ボリス・ヴィアン『日々の泡』

『日々の泡』(ボリス・ヴィアン:著 曾根元吉:訳 新潮文庫)読了。
有名な恋愛小説でありますが。いまさらながらに読了。

本書はずいぶん前から、書名と「胸に咲く睡蓮」だけは知ってた小説です。思い出せないくらいずいぶん前から。ま、恋愛小説らしいとも知っていて、恋愛小説とかはほとんど読みませんし、あまり興味も湧かなかったので、そのままだったんですが。
数年前、『じょしらく』という深夜アニメでヴィアンの一節が紹介されたりしました。そのときちょっとだけ興味も湧いたのだけど。
ま、なんか知らないけど、近所の本屋さんで詠むものを探していたとき、本書を見かけて、「あ、そういえばタイトルだけは昔から知ってて、読んだことないなぁ」とほんの気まぐれで買って読んでみることにしました。

本書は『うたかたの日々』というタイトルで紹介されることもあるようです。本書の訳本は早川書房版もあるようで、早川版だと『うたかたの日々』らしいです。訳の内容についてはまったく知らないけど、語感としては『うたかたの日々』のほうがかっちょいいですね。

読み始めると…。なんか不思議な世界観です。最初はSFかなと思ったけど、その考えは一瞬で、あと、ファンタジーかなぁと思って。その考えもすぐに引っ込んで。よく知らないけど、前衛とかシュールとかそんな感じかなぁと。それも過ぎていちばんしっくり来る、でも全面的にはしっくりきたとは言えないけど、言い方は「なんか夢の世界みたい」って感触でした。

不思議な世界観。メーターのたくさんついた調理器具、知能のあるハツカネズミ、変形していく部屋。不思議な名前の武器。エトセトラ、エトセトラ…。
本作はそういった世界で展開される、恋人たちの物語。悲恋の物語。

(以下ネタバレゾーンにつき)

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2016/01/08

うめざわしゅん『パンティストッキングのような空の下』

『うめざわしゅん作品集成 パンティストッキングのような空の下』(うめざわしゅん:著 大田出版:刊)
読了。コミックスです。

「うめざわしゅん」のお名前はまったく存じ上げませんでした。だからもちろん本書が初めてのうめざわしゅんの作品なのですが。
ツイッターで本書のタイトルが流れてきて、「おぉ!」となって。それで興味を持って買ってみました。元ネタが三上寛さんだったので。

三上寛さんに「パンティストッキングのような空」という曲があります。三上寛さんらしい、シュールな歌詞にダークな情念をこめた曲だと思います。人生のやりきれなさ、かなしみがとても胸に届いて涙が出てくる、好きな曲です。

おいらが眺めた空は
パンティストッキングのように透き通ってはいたが
バーゲンセールの値札がついていて
ちり紙とも交換できなかったんだ

ほぼ絶対あの曲が元ネタなのだろうと。だから興味を持って買ってみました。ほんと、うめざわしゅんは存じ上げないのですが。買いに行った書店でも本書は平積みされていて、人気のあるお方のようであります。

本書の後書きによると過去15年間に描かれた単行本未収録作品から選ばれたアンソロジーのようです。目次によると本書の収録作は、

パンティストッキングのような空(前・後篇)
平成の大飢饉予告編
学級崩壊
渡辺くんのいる風景
いつ果てるとも知れぬ夏の日
未来世紀シブーヤ
メンデル
朝まだき(前・後篇)
唯一者たち(前・後篇)

です。

作品名を見ると三上寛さんの曲名が題名の元ネタになってるのは『パンティストッキングのような空』のほかに『平成の大飢饉予告編』があります。三上寛さんのは『昭和の大飢饉予告編』ですが。

愛だの平和だのぬけぬけと抜かしやがる
愛だなんてただ単にヤりゃ片付くもんだ
平和だなんてただ単に殺しゃ片付くもんだ
おまんこに指突っ込んでそのダラダラした指でVサイン作ってなんになる

って曲で、こちらも鬱屈したやりきれなさが伝わってきて好きです。(引用したも歌詞は2曲ともうろ覚えなので間違ってたらごめんなさい)

以下本書の感想を書いてみます。すこしネタバレもするかもしれませんから先に書いときますが、面白く拝読しました。
こういうきっかけで本書に出会えてよかったと思います。

(以下ネタバレゾーンにつき)

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2015/11/24

『寺山修司 その知られざる青春』

『寺山修司 その知られざる青春』(小川太郎:著 中央公論新社 Kindle版)読了。
寺山修司が22歳で『空には本』を上梓するまでの評伝です。寺山修司の生い立ちからさらに遡って、あの、寺山修司の母・はつの生い立ちなどにも触れられています。

筆者の小川太郎さんは女性週刊誌の記者でいらして、生前の寺山修司とも親交があった方だそうです。

寺山修司の大好きな言葉のひとつに「事実は人間がいなくても存在するが、嘘は人間がいなくては存在しない」というのがあります。『嘘』は『事実』よりもむしろその人について雄弁に語るものなのかもしれません。

「今の筆者には、「実際に起こらなかったこと」というのは、寺山の場合、「実際に起こったこと」と光と影のような関係のようなものであり、「起こったこと」の影が、寺山が創造した「虚構」の言葉のリアリティーを複雑な回路を経て支えているのではないか、と思われてならない。寺山修司の評伝に意味があるとすれば、恐らくその回路を追求するという一点にあるのではないか。(本書「はじめに 実際に起こらなかったことも歴史の裡である」より)

というスタンスで書かれています。

そして、まず、寺山修司の母親・はつの生い立ちから書かれています。

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