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2019年10月

2019/10/27

喜国雅彦「それはオカズだ」展

吉祥寺のリベストギャラリー創さんで漫画家の喜国雅彦さんの個展「それはオカズだ」展を見てきました。
喜国さんの4コマギャグマンガ『傷だらけの天使たち』を中心とした個展でした。

喜国雅彦さんはファンです。といってもライトファンの方です。代表的とされる作品も読んでなかったりします。
『傷だらけの天使たち』シリーズは読んでいました。

四コマ漫画誌に凝っていたころがあります。30年くらい前、「いがらしみきお」が不条理四コマでブームになっていたころ。書店やコンビニで四コマ雑誌を見かけるとほぼ手当たり次第に買っていました。そのころに『傷だらけの天使たち』に出会ったと記憶しています。
やっぱり「あの絵でギャグ」が面白かったのかなぁ。下ネタが好みだったという部分もあったかと。単行本も買っていました。あのハードカバーのゴーカな感じ。特装の四コマ漫画の単行本ってのもはしりだったかも。
ただ、そうして買った単行本も引っ越しで処分するくらいのライトファンでした。だいたい私は引っ越しのたびに大量の本を処分して大家さんと揉めるのですが。本が多いこと自体「床が傷む」と嫌がられますしね。

「それはオカズだ」展と聞いて、思い出してピンときました。その『傷だらけの天使たち』シリーズのネタです。ヒロシと父ちゃん(だったかな?)のシリーズ。貧乏な父子家庭のお話。

最初の方のネタだけど、父ちゃんがご飯を正油で炒めます。で、ヒロシが食べようとすると「ばかやろう。それはオカズだ」と言って、その正油炒めご飯をおかずに白ご飯を食べるの。で、連載の最後のほう、その時はもう父ちゃんはいなかったかな、大きくなったヒロシが子供(だったかな?)に正油炒めご飯を作ってみせると。で、子供がそれを食べようとすると、「ばかやろう。それはオカズだ」ってあのころと同じように正油炒めご飯で白ご飯を食べると。作品は環となると。なんか不思議な感動がしました。

こういうしょうもない(ごめんなさい)ネタがなんか不思議に深い感動を呼び起こすっていうの、私は好きなのだけど。
だから憶えていました。

その『傷だらけの天使たち』をフィーチャーした個展ということで、見てみようかなと。

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2019/10/21

吾妻ひでおとわたくし(いち読者として)

「漫画家の吾妻ひでおさんが死去 実体験の「失踪日記」で大賞」(共同)
https://this.kiji.is/558866148372300897

漫画家の吾妻ひでおさんが亡くなられたとか。
とても残念です。

私は「吾妻ひでおショック」を経験できた、幸運な者のひとりです。

ある日、マンガ好きの同級生が「こういうすごいマンガがあるぞ!」って持ってきたのが吾妻ひでおの作品、たぶん『やけくそ天使』だったと思います。
それをちょっと見せてもらって、とても面白かったんですが、「えー!スケベなマンがじゃん。私はいいよ」と口では言いつつ、こそっと本屋さんで『やけくそ天使』の漫画文庫版を買って、あっという間に読み終えました。

気がつけば吾妻ひでおは大ブームになっていて、書店にも吾妻ひでおの単行本はもとより、雑誌の特集号、記事を載せた雑誌もたくさん売られていたと記憶しています。

それから吾妻ひでお作品はいくつか読んできました。『不条理日記』『メチル・メタフィジーク』『チョコレートデリンジャー』とか、もうタイトルもあまり憶えてないのですが。

そして雑誌記事から「吾妻ひでおは失踪したらしい」という話を知って。
吾妻ひでおもそのうち読まなくなって。

そして近年(といっても十年以上前ですが)カムバックなさって。失踪時代、アル中時代をモチーフにした『失踪日記』や『アル中病棟』なども興味深く読みました。

最近、ツィッターをフォローして、ガンで闘病中という話で、気を揉んでいたのですが。

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『ジョーカー』を観てきました

映画『ジョーカー』を観てきました。あとのネタバレゾーンに行く前に書いときますが、面白かったです。

近年、アメコミの世界観をバックボーンにした映画がたくさん作られているようですね。私は良く知らない、それ以前にそう映画にも行くほうでもないのですが。映画としてはそういう「アメコミ映画」が一ジャンルをなしていて、ヒット作も多いようですが。
本作は『バットマン』の世界のバットマンの代表的敵役・『ジョーカー』の誕生にまつわるお話とか。ジョーカーに関しても数年前に観た『ダークナイト』でのジョーカーの姿しか知らないのですが。ただ、あのジョーカーは強烈で、だから今回のジョーカー誕生にまつわる映画も見てみようかと思った次第。

ほんと、面白く観ました。以下、ネタバレを気にせず思うように感想を書いていきますので、ネタバレご用心です。

↓ネタバレ注意

うん、先に言っておくと、私はジョーカーにかなりイレコんで観ていた部分もあります。そしてその「イレコミ」がとても危険であるとも同時に感じながら。そういうちょっと不安定な気分で本作を観ました。

『タクシードライバー』トリビュートの部分が興味深かったです。たぶん、『ジョーカー』が好きな人なら『タクシードライバー』も好きになるでしょう。私がそうだし(笑)。タクシードライバーのロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィスもまたジョーカーのように孤独で狂気の世界に入り込んでしまった人物。

『タクシードライバー』トリビュートなのは、そのデ・ニーロが出演しているという部分。それから、劇中しばしばジョーカーは指鉄砲で自分を撃つしぐさをします。それは『タクシードライバー』のラスト、デ・ニーロがジョディ・フォスター演じる少女娼婦がいる娼館を襲撃し、そこにいる人たちを皆殺しにしたあとにやってきた警官に見せた、自分を指鉄砲で撃つしぐさへのオマージュかと思います。襲撃の最後、デ・ニーロは自分を銃で撃って自殺しようとするのですが、銃は弾を撃ちつくしていて、カチカチという音だけが響きます。たまにジョーカーが自分を空の銃で撃って見せるのもそのトリビュートかもしれません。

そしてクライマックス、ジョーカーがデ・ニーロを撃って、その撃った反対側からほとばしった血しぶきが壁に散るのも、デ・ニーロが最後の相手を射殺するシーンを下敷きにしてると思いました。(勘ぐりすぎかな?)
その『タクシードライバー』をオマージュしつつ、その主役のデ・ニーロを撃つというクライマックス。その演出意図はちょっとわからないんですが。孤独の中、狂気の世界に入っていく人物の物語として、『ジョーカー』は『タクシードライバー』を超える新しいスタンダードを目指したんじゃないかなとも思います。

『タクシードライバー』で、そのような殺人事件を起こしたトラヴィスは英雄として世間に迎えられます。それにリアリティがどれだけあるのかは分からないのだけど。欧米ではペドフィリアは日本以上に強烈なタブーだと聞きます。だから、警察に通報もせず、そのような一方的な殺戮を行ったトラヴィスは「英雄」になったのかな?そしてジョーカーも「英雄」になって、彼を讃える人々が暴動を起こしたし。

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