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2019/05/27

月蝕歌劇団『聖ミカエラ学園漂流記』

昨日は新宿スターフィールド劇場さんで月蝕歌劇団公演『聖ミカエラ学園漂流記』を観てきました。

『聖ミカエラ学園漂流記』、昨秋急逝された高取英さん率いる月蝕歌劇団さんの初期の傑作、月蝕の名を不動にした作品だと認識しています。あまり詳しくはないのですが。
私はもともとは寺山修司ファンでなのですが。寺山系劇団の雄、月蝕歌劇団さんの公演はほとんど見に行ってません。数回程度なのですが。
この、月蝕にあまり詳しくない私でも知ってる演目、『聖ミカエラ~』がかかると知って、ちょっと興味を持ちました。寺山修司の演劇実験室◎天井棧敷の衣鉢を寺山没後に継いだ演劇実験室◎万有引力を率いるJ・A・シーザーさんが監修、そして万有引力の俳優・高橋優太さんが客演という事でさらに興味が深まりました。
高取英さんご自身は天井棧敷には在籍したことがなく、寺山修司のデータマンのようなお仕事をなさっていたようです。あのころのシーザーさんと高取さんの関係はどんな感じだったかなぁって思います。

ただ、場所が以前はタイニイアリスだった場所という事で、ちょいと諦めかけていたのですが。タイニイアリスは小さな座布団で床に直座りするタイプの劇場でした。ま、だから、デブ的にはちょっときつい場所で(汗)。すいてる時は良かったのですが、混んでて縮こまって座ってなきゃいけない時は足腰が痛み出して観劇どころじゃないときもありました。
ただ、タイニイアリアスさんのあった場所がスターフィールドとなってリニューアルした時、座席が椅子席になったようで、なら行けると思って予約しました。

新宿二丁目は花園神社のお祭りらしく、祭り装束の人たちがたくさん。
まず、詩劇ライヴ『堕天使たちの嘆き』から。

この詩劇ライヴがあるというのも月蝕さんの特徴かしら。歌や朗読やダンスのライヴショーなんですが。
おみくじコーナー、団員さんの手書きのおみくじで、「凶」と「大凶」が当たりだそうで、生写真がもらえるみたい。あと、ホチキス留めに生写真をぺたぺた貼り付けたパンフレット類もあったかな。このパンフレット、そういう手作り感満点なのに高取さんのウンチクが凄くて、資料性が高いのですが。今回はパンフレット買えなかったけど、どういう感じだったのかな。
あと、団員さんとのチェキもあります。ここらへん、地下アイドルのノリなのかな?あまりその世界はよく知らないけど。でも月蝕さんは「地下アイドル」なんて言葉ができる以前に「地下アイドル」だったと思います。ちょう元祖だったのではと。

歌と踊りも良かったけど、衣装も素敵でした。なんていえばいいのかな、衣装も調っていて、しゅっとした感じがしてました。ちっともヨレた感じがしないって言えばいいのかなぁ。シーザーさん作曲の曲もあって、シーザー節も聞けて面白かったです。

詩劇ライヴが終わり、外で食事をして、スターフィールドに戻って。いよいよ『聖ミカエラ学園漂流記』です。

入場して。舞台装置。正面奥に扉があって出入りできるようになってました。この舞台中央奥に扉があるって舞台装置、万有引力さんでも月蝕さんでもよく見かけます。寺山系演劇の特徴なのかしら、それとも演劇一般に普通にある手法なのかな。その左右、上手と下手奥に台。これは動かしていろいろ展開できるようです。

今回も開演前にまたちょっと物販があって、ややあって開演。

聖ミカエラ学園。人里離れた場所にある全寮制の女子校。その聖ミカエラ学園にある日、転校生の少女がやってきます。聖ミカエラ学園はどうやら70数年前の太平洋戦争末期の日本とつながっているらしく、聖ミカエラ学園の園長のシスターはどうやら何かをたくらんでいるようで。そのたくらみの帰結は、そしてその転校生の正体とその目的は……?っておはなしでした。寺山系のお芝居だと確たるストーリーがよく分からない場合も多いのですが、ミカエラ~は確たるストリーリーがありました。ちょっとシュールですけど。

「燃える本」がありました。開いた本に燃える何かが仕込んであって、開いた本から炎が上がる小道具。これは他の何かのお芝居でも観たことがありますが、これが本家なのかしら。あるいは天井棧敷が始めた事なのかな。照明を落とした暗闇の中、「マッチ擦る~」のシーン、蝋燭のシーン、懐中電灯で照らされるシーン、好きです。マッチの硫黄の匂いが好きです。
暗転して明かりがつくとセーラー服少女たちの勢ぞろいのシーン、いいです。
少女たちの軍事教練のシーンで得物が鉄パイプなのは学生運動華やかなりし頃へのオマージュなんでしょうか。日本刀を振りまわすセーラー服の少女たち。武装したセーラー服の少女。いいです。この武装したセーラー服少女たちというのは『セーラー服と機関銃』あたりが嚆矢なのかしら?もっと前にもあったのかな。好きです。もんぺセーラーも好き。

チラシのイラストだと十字軍っぽい衣装の女の子も描かれていましたが。こういう形でつながるのかと思いました。(少女たちの)少年十字軍。
天草四郎が出るという話も以前読んで記憶がありますが、こういう形で出るなんて思いもよらなかったです。
ただかわいらしい、男の身勝手な妄想を具現化したような少女たちでなく、やさぐれたところもある少女たち。その少女たちの反乱。近年かまびすしい「従軍慰安婦」も作品のモチーフに取り入れられていました。これもまた男の身勝手な慰みものにされようとする少女たち。それに対する叛旗。

学園の少女たちが世界を変えるというと、アニメ『少女革命ウテナ』を連想するのですが。なんか影響はあるのかな?

月蝕歌劇団のキャッチフレーズに「暗黒の宝塚」というのがありますが。聖ミカエラ~ではまさに宝塚も作品に取り入れています。
そして、ざっくりとググっただけですが、戦時中、宝塚海軍航空隊というのがあったそうです。戦時中、活動を「自粛」することになった宝塚歌劇団の施設を利用して運営されたそうです。高取英さんは大阪の方だそうですから、そのことをご存知で、それを下敷きにしたんだなと思うのですが。その『宝塚』のダブルミーニング。(実際の宝塚海軍航空隊は飛行機は持ってない訓練部隊だったそうですが)

今回、キャスティングが数パターンあったそうですが。私の観た回は万有の高橋優太さんご出演の回でした(他の方がその役の回もあったそうですが)。登場シーンはそう多くなかったのですが、キーストーン的な役どころだったと思います。

高橋優太さんもそうですが、もうほんと、キャスティングは皆さんキャラ立ちまくっていました。ほんと「特濃!」って感じ。その濃ゆさがとてもよかったです。
敵役になるのですが、学園長のシスター役の方も素敵でした。いや、その修道女のたたずまいもしゅっとしていていました。隙のない修道女の衣装。
そう、詩劇ライヴでもそうでしたが、衣装もきれいに調えられていたと思います。衣装が汚れるシーンもありましたが、たぶん数セットの衣装を用意して、きれいに洗ってアイロンかけて使っているのかなと思います。あ、糊付けもか。

なんていうのか、やっぱり異様といってもいいぐらいの空気が今回漂っていました。なんかとてもすごい舞台でした。
それが今回の公演の印象です。

そしてやっぱりセーラー服の女の子はエエな……

いや。

昨秋、高取英さんが急逝されたときはほんとうに驚きました。そして月蝕の公演ももっと見ておくべきだったなと思いました。(懐具合が、だけど……)
でもほんと、こんなすごい公演が観られてとても嬉しかったです。
僭越とは存じますが、高取英さんがお遺しになったよきこと、受け継がれていったらと思いますし、そしてされにそれが育っていったらと思います。
公演、こまめには観に行けないでしょうが、ほんとそう思います。あの、高取英さんネタ、笑いと涙がごっちゃになりましたよ。それっていいなって。

またいつかです。

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