« 縄文展に行ってきました。 | トップページ | M.2 SSDにしてみました »

2018/07/28

ムーンライダーズ『時代はサーカスの象に乗って'84』

180728

先日出た『Archives Series Vol.10「時代はサーカスの象にのって'84」オリジナル・サウンドトラック』というアルバムを購入しました。1984年にパルコパートⅢで行われた寺山修司原作・萩原朔美演出のお芝居『時代はサーカスの象に乗って』のオリジナルサウンドトラックとか。ムーンライダーズの鈴木慶一作曲・ムーンライダーズ演奏で、初のアルバム化になるそうです。幻の音源。ムーンライダーズはお名前ぐらいしか存じ上げないのですが。

まだ数回聴いた程度ですが、感想など。
いや、楽曲の感想はほとんどありませんが。
ごめんなさい。

『時代はサーカスの象に乗って』、オリジナルは寺山修司率いる演劇実験室◎天井棧敷の演目です。1967年に演劇実験室天井棧敷旗揚げ。そしてその2年後、1969年に天井棧敷は渋谷の並木橋に天井棧敷館という拠点を立ち上げます。地下に小劇場、1階に寺山修司の母・はつが店主を勤める喫茶店、そして2階は劇団事務所という構成の場所だったとか。この地下劇場の杮落とし公演がこの『時代はサーカスの象に乗って』だそうです。

萩原朔美さんの天井棧敷時代の回想録『思い出のなかの寺山修司』によると、この最初の『時代はサーカスの象に乗って』公演も萩原朔美さん演出とか。
萩原朔美さんは演劇実験室◎天井棧敷の旗揚げ当初に入団され、3年くらい在籍していらしたそうです。最初は美少年役として入団し、後に演出をおつとめになったとか。トークショーを拝見した事がありますが、さすがのイケメンさんであります。

『時代はサーカスの象に乗って』は私にとってとても興味深い演目です。
それは昭和精吾さんの影響なのですが。

昭和精吾さんは天井棧敷団員でいらした方、そして、「天井棧敷の語り部」として、当時の天井棧敷公演の一節や、寺山修司の詩や短歌の朗読、そして当時の思い出話など、いろいろ楽しい公演を見せて頂いた方です。昭和さんは惜しくも3年前の夏の終わりに急逝されてしまったのですが。

その、昭和精吾さんのレパートリーに『時代はサーカスの象に乗って』からの演目らしいものがありました。ボロボロの星条旗を振ってアジテーションする演目とか。このボロボロの星条旗は『時代はサーカスの象に乗って』で使われた後、何かの寺山修司の映画で火をつけられてボロボロになったとか。だから、『時代は~』ずっと見てみたかった演目でした。

実際に『時代はサーカスの象に乗って』が観られたのは去年の1月、Project Nyxさんの公演としてでした。Project Nyxさんは寺山修司の少女世界を描いてこられた宇野亞喜良さんが美術をおつとめになってる劇団です。

小コーナー集というスタイルのお芝居でした。「レビュー」と言ってもいいかもしれない。舞台はリングになってます。これはボクシングが好きだった寺山修司のアイディアなのかしら。そしてボクシングのようにラウンド制で、短い演目が次々で飽きさせなかったです。
昭和精吾さんがなさったのはこの役かな?っておぼしき方もいらっしゃいました。

天井棧敷の『時代はサーカスの象に乗って』は超ロングランで、一時ははとバスツアーのコースにもなったそうです。それで無給の劇団員さんにもお給料が出たそうです。しかし、同じ演目ばかりでも…、となって、公演は終了したそうです。

このアルバムに収められてる曲は

  1. Overture
  2. コカ・コーラを飲もうよ
  3. ジーン・ハーロウの唄
  4. アメリカよ
  5. I Want You
  6. 母捨記
  7. とびたい人には
  8. どこへ行こう
  9. 地獄めがけて
  10. 話させてくれ(前半)
  11. 話させてくれ(後半)
  12. エンディング
  13. コカ・コーラを飲もうよ(live)
  14. I Want You(live)

の全14曲。ライブ音源は1984年6月2日の公演の物だそうです。

もともとは劇伴ですから、ぷつりと終わってる曲もありますし、「話させてくれ」はそう長い曲ではないですが、前後で別れています。入っているムーンライダーズの鈴木慶一さんの歌は仮歌になるのかな?

「コカ・コーラを飲もうよ」はまさにあの昔のコカコーラのキャッチフレーズの入った歌。「ジーン・ハーロウの唄」、ジーン・ハーロウはざっくりと調べた限りでは、米国の名女優で20代で亡くなられた方だそうです。腎臓病で亡くなったので、同じく腎臓病に悩まされた寺山修司は思い入れがあったのかなと。

CD添付のパンフレットもとても資料製の高いものでした。萩原朔美さん、同じく寺山門下でいらした榎本了壱さん、この公演にご出演だった佐藤雅和さん、そして鈴木慶一さん。

鈴木慶一さんがこの公演に参加されたのもビックリハウス繋がりだったそうです。私の印象ですが、ビックリハウスには天井棧敷系の方々もたくさんいらしたようです。渋谷発の文化拠点という意味においては渋谷パルコ系文化もまた天井棧敷と同じでしたし。

初演のころの『時代はサーカスの象に乗って』はアメリカがテーマだったそうです。私が拝見したProject Nyx版の『時代はサーカスの象に乗って』もそれを感じました。

84年版はそのアメリカ論的部分は削ったそうです。また、その前年の83年に寺山修司は亡くなっていますから、その追悼的な部分も入れたようでありますが。この企画自体は寺山修司死去を受けての物なのかしら?お芝居の準備にどのくらいの時間がかかるか分かりませんが、亡くなったのを受けてのちょうど1年後の公演ってのは早いような気もします。

ビックリハウス編集部とミュージシャンのつながりができたころの話もありました。高橋章子さんが編集長になったころからだそうです。高橋章子さんがビックリハウスの編集長になったのも寺山修司の推薦だったとか。そういう貴重な証言も入ってました。

そしてパンフレットによると84年の公演にも昭和精吾さんがご出演だったそうです。

ほんと、聴きながら、「どんな公演だったのかなぁ。観たかったなぁ」とつくづく思いました。
あ、あと、この84年版の公演自体はリングは使わなかったそうです。

ほんと、寺山修司ファンとしてとても興味深いアルバムです。
リリース、とてもありがたいです。

|

« 縄文展に行ってきました。 | トップページ | M.2 SSDにしてみました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 縄文展に行ってきました。 | トップページ | M.2 SSDにしてみました »