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2018年6月

2018/06/25

万有公演『赤糸で縫いとじられた物語』

昨日は新宿御苑のシアター・ブラッツさんで演劇実験室◎万有引力公演『赤糸で縫いとじられた物語』を観てきました。楽日になります。

『赤糸で縫いとじられた物語』。寺山修司のフォー・レディーズシリーズの童話集だと思います。タイトル通り女性向けのメルヘン的な童話集かな。私も持ってるはずなんですが、ちょっと行方不明。どうやら私の持ってるのは寺山没後の再編集版みたいで、オリジナルは別にあるみたいです。
版元が新書館だそうですから、白石征さんが編集された本かしら。白石征さんは寺山修司の本を作るために出版社に入った、というほどの方。寺山修司に関してトップクラスにお詳しい方だそうです。

丸の内線の新宿御苑駅からシアター・ブラッツさんへ。シアター・ブラッツさんは3年前に同じく万有引力公演『夜叉ヶ池』を観てます。スタジオ形式の場所。
今回は久しぶりに万有独自の、整理番号順にお客さんを並ばせて、開演直前に一気に客入れ、そして自由席というスタイルでした。

舞台装置は舞台奥に開くスクリーン。スクリーンは寺山修司の実験映画『ローラ』みたいに幅広のゴムヒモが張られ、開かなくても出入りできるようになってました。上手に一段高くなった場所。下手客席前方にも台。左右非対称なつくり。この左右非対称は『夜叉ヶ池』でもそうだったかな。

胸のところに駅弁売りみたいに木箱を捧げ持った女性。舞台奥のスクリーンには向こう側からの手のシルエットが踊っています。

そしてはじまり。

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2018/06/20

『戦争は女の顔をしていない』

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ:著 三浦みどり:訳 岩波現代文庫)。読了。第2次世界大戦当時、侵略してきたドイツ軍と戦ったソ連の女性兵士(全員がそうではありませんが)の証言集です。

第2次世界大戦当時、ソ連の大勢の女性が戦線で戦ったという話は、ミリタリー本に書かれていたのをちらっと読んだことがあります。映画だと『戦争のはらわた』にソ連の女性兵士たちが出てきたかと。ただ、きちんとした戦記的なものを読んだ記憶はありません。
本書を読んでみたいと思ったのは何がきっかけだったかな?ネットをうろついていて何かを見かけて興味を惹かれたと思うのですが。それで買ってみました。

トータルで500ページ弱、ちょっとした長編小説ぐらいのボリュームです。私はここんとこほとんど小説が読めなくなってきていて、だから、「こういう厚い本、読み通せるかしら?」と思ったのですが。読了しました。
ま、ロシア文学って分厚いってイメージがありますな。同じくロシアの証言集ならソルジェニーツィンの『収容所群島』がもっとボリュームがあるかしら。あれは本書と同じくらいの厚さで何巻にもなってたと思うし。読んではいないのですが。

その厚さ。

「苦悩というのは、秘められた真実にもっとも直接関係をもつ高度の情報だと思う。それは生きているということの神秘に直接関わっている。ロシア文学のすべてがこのことを扱っている。ロシア文学は愛についてより、苦悩について多くを書いていた」(14-15p)

そうか、ロシア文学って「厚くて重い」って先入観がありますが、そういう事なのかなと。ロシア文学は苦悩について書かれている。

とても面白く、いや、「面白く」という表現は違うかもしれないけど、読みました。本書に収められたたくさんの元女性兵士たちのたくさんの証言、ぼっとなるくらいのボリューム。
そのボリュームだからこそ、読み通して自分の中に残ったものは、逆に言えば、自分の中の何かに「引っかかった」、印象に残ったものなのかなぁと思います。
そういう意味での「分厚さ」だったのかもしれないなぁとも思います。

内容としては彼女たちの証言集がメインで、合間合間に作者さんの取材メモが入ります。
戦記的な、どの部隊がどこでどう戦ったかとか、そういう書き方ではありません。彼女たちの記憶を、思い出を、収めていくというスタイルでした。

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2018/06/08

映画監督◎寺山修司2018 Eプログラム

6月2日から昨日の7日まで、渋谷のユーロスペースで「映画監督◎寺山修司2018」という特集上映をやっていました。寺山修司が監督した劇映画、実験映画。そして去年公開された寺山修司原作の映画『あゝ荒野』(前後篇)が上映されたようです。私としては未見の『あゝ荒野』が見たかったのですが、平日昼間の上映という事でそれは無理でした。で、『ローラ』の上映がある昨日の7時40分からのEプログラムを見てみました。この特集上映の最後のプログラムでもあります。

Eプログラムは「実験映画集1」として
『青少年のための映画入門』(1974年/モノクロ/3分)
『疱瘡譚』(1975年/カラー/31分)
『マルドロールの歌』(1977年/カラー/27分)
『ローラ』(1974年/カラー/9分)
『審判』(1975年/カラー/34分)
の5作品でした。すべてブルーレイ版での上映になります。

私が寺山修司と出会ったのは故郷での高校時代、演劇部の部室に転がっていた角川文庫の寺山の戯曲集でした。それでちょっと興味を惹かれ、角川文庫から出てた「さかさま」シリーズのエッセイを読むようになりました。それから夢中になって寺山修司の本を読みました。閉塞感を感じている毎日、そこに既存の価値観を軽やかにひっくり返す寺山の「さかさま」シリーズの語り口。それに夢中になりました。

そういうことで、寺山修司は私の中ではなによりも「エッセイスト」だったのですが。
寺山没後に私は上京して、渋谷だったと思いますが、寺山修司展で寺山の映像作品を見ました。その寺山修司展に上映コーナーがあり、そこで見ました。ただ、もう、何の作品がかかってたかも思い出せないのですが。

それから世紀の変わり目に寺山修司にふたたび傾倒し、たまに寺山修司の作品の上映も拝見しています。

後年も渋谷パルコで上映会があったそうで、私も渋谷で寺山修司の映像作品を拝見した記憶がありますから、たぶんそれじゃないかと。あとイメージフォーラムでも。イメージフォーラムは現在の渋谷より、四谷三丁目時代に見に行ったかな。あと、単発的なイベントでの上映とか、いろいろありました。

私の寺山修司の映画の経験はそんな感じです。
以下、簡単に感想など書いてみます。

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