« 『歴史修正主義とサブカルチャー』 | トップページ | 2018年5月の蘭妖子さんのコンサート »

2018/05/21

朗読劇『プロヴァンスの庭で』

昨日は南阿佐ヶ谷の小劇場・プロットさんで新転位・21さんの朗読劇『プロヴァンスの庭で』を見てきました。

JR阿佐ヶ谷から南阿佐ヶ谷方面にかけて、小劇場をぽつりぽつりと見かけます。「小」とはいえないザムザ阿佐ヶ谷を筆頭に4・5ヶ所、いやもうちょっとあるかな。
なんか妙に小劇場の多い街です。これがお隣の高円寺ならライブハウスなんでしょうけど、阿佐ヶ谷だと劇場。なんでかなと思います。阿佐ヶ谷文士というのを聞いたことがあるから、その流れかな?もうなくなったそうですが、有名なダンススタジオがあったらしくて、その影響かなぁ、とか、そう思うのですが。

その点在する劇場でザムザのほかに行った事があるのは青梅街道沿いのひつじ座さん、LOFT+1ASAGAYAくらいですが。ひつじ座さんは月蝕歌劇団さんや廻天百眼さんの公演とか、LOFT+1ASAGAYAさんは本来はトークショーのライブハウスだと思いますが、演劇実験室◎万有引力さんのアトリエ公演を見に行った記憶があります。

プロットさんはそのひつじ座さんに向かう途中で見かけました。ちょっと人だかりがしていて、なんだろうと思ったら、そこも劇場で驚きました。表はガラス張りで、なかなかにオシャレな感じ。劇場として建てられたのか、それとも他の何か、お店とかだったのを改造したのかはわかりませんが。

ちょっと行って見たいと思いつつ、ずっと行かずじまいだったのですが、今回の『プロヴァンスの庭で』で覗いてみることにしました。

私は寺山修司のファンで、お芝居は寺山修司系の物以外はほとんど行かないのですが。寺山修司の演劇実験室◎天井棧敷の衣鉢を継ぐ演劇実験室◎万有引力をメインに、他の寺山系のお芝居もチョコチョコ見るくらい。

という事で久しぶりの寺山系以外のお芝居でした。

さて、プロットさんに到着。中に入って受付を済ませて。そう広くはないのですが、ロビーがあります。いい感じの場所です。なぜか装飾を施された斧が壁の高いところにかかっていたり。
ややあって開場。中に入ります。通路っぽい場所があって、2階への階段もあるみたい、トイレもあって。そして劇場内へ。

表から見て想像してたよりもだいぶ広い場所です。デブ的にいちばん小劇場で気になるところはデブに優しい場所かなぁって事。床に薄い座布団がしかれ、みっちりと座るタイプの小劇場だと、開演後20分も経てば足腰が痛くなってきて観劇どころじゃありません。だから行かないようにしてる劇場もありますし、テント芝居も興味がありながら、ほとんど行った事がありません。

おっかなびっくり客席を見ると、ベンチ席です。ひと安心。壁に寄りかかれる隅っこに座りました。

改めて場内を見渡して。舞台は黒。それにたくさんの絵画やイラストが貼られています。わかる人ならどなたの作品かわかるのでしょうが、不調法ゆえ…。そしてチョークで壁に直接イラストが描かれてもいます。どういうタッチか説明できたらいいのだけど、そこまで知識がないのが歯がゆいです。
床には透明のビニールシートが敷かれ、その下にもイラストが挟まれています。
上手にギターがあります。下手からは時々スモークが出てきます。下手奥にかけられたデニムの?ワンピース。

客席左右の壁に昔の文豪の大きな似顔絵。左右2枚づつ、計4枚。ひとりは夏目漱石かな?もうひとりは太宰治かしら。あれは芥川龍之介かなぁ。あともうおひとかたはよくわからないや。

ややあって開演。

舞台に誰もいないまま劇場に轟く轟音、戦争の音。そして玉音放送かな。そして皆さんが登場。舞台いっぱいに。
ご衣裳はなんとなく「スラブ系」って感じがしました。それはたぶん今読んでる本がロシアの作家さんの本だからと思うのですが。コレもなんて表現したらいいかなぁ。ほんと自分に表現力がないのが歯がゆいです。

うごめく皆さん、そしてその真ん中の方が座り込み、朗読を始めます。基本的にメインの朗読の方がいらして、たまに周りの方が数フレーズを引き取って朗読するかたちみたいです。もちろん進行するにしたがって、いろんなバリエーションになりました。

最初の朗読。ヴァイオリン弾きの父親とダンサーの母親の間に生まれた方の子供時代の思い出話。出奔する母親。苛烈な子供時代の話。男の子がお人形を作る事が語られて、人形作家の川崎プッペの話が出て。あれ?あれれ?と思ったのですが。終演後に購入したパンフレットによると四谷シモンさんの『人形作家』の朗読でした。改めて検索すると新転位・21主宰の山崎哲さんは状況劇場に在籍していたらしく。四谷シモンさんと状況劇場仲間だったのかなぁと。

『人形作家』は私、読んだはずなんですが、なんかさっぱり忘れてて、お恥ずかしい限り。あとのほうの状況劇場と天井棧敷の乱闘事件のくだりは憶えていたのですが。幼少期の思い出話は忘れてました。そして、大変な幼少期だったのだなぁと。

あ、あと、ちなみに今、四谷シモンさんの人形教室、エコール・ド・シモン人形展が六本木のストライプスペースで開催されてます。2018年5月27日まで。詳細はエコール・ド・シモンさんのサイトまで。

お次はある女性の身の上話を聞く作家の話。これは何かで読んだような気がしましたが、なんだったか思い出せません。パンフレットによると夏目漱石の「ある女の告白」みたい。しかし、昔の文豪はそういう方にも真摯に対応してらしたのかなぁと。今だったら玄関先で追い返されそうですが。

そして次の朗読は津軽がどうのこうのという話が出てくるから、太宰治かなぁと思ったのですが。そしてふと、そか、客席の左右に飾られている4人の方の朗読なのかなと思ったのですが。でもそれは勘違い、早とちりでありました。

それぞれの朗読にお歌やダンスも挟まれます。

お歌はマイクを通してないのかな、小劇場のせいもあるでしょうが、声が通ってみごとでした。
ダンスの方もすごいです。戦前の日本のシュール映画『狂った一頁』(ネットでちらとしか見ていないのだけど)であった、手足を指まで立てて四つんばいになるポーズ、それをなさってる方がいらっしゃいました。もうまともに、普通に体を動かすのも大変なわたくしはすごいなぁと思うばかり。
あと、朗読の時にメガネをかける女優さんもかっこよかったです。
舞台から役者さんたちが語りかけてくる様子、今まで見てきた寺山芝居でもよくあったなあと。

終演後、原典が知りたいこともあって、パンフレットを購入しました。解説とかのパンフレットじゃなくて、公演台本そのものみたいでした。ただ、パンフレットに書かれているものぜんぶが朗読されたのではなく、朗読されなかったものも入ってるみたいです。ここらへんは演出が進むにつれてカットされていったのかなと。

上演時間は2時間ちょっとかな、楽しみました。そしてプロットもいい場所でした。
そのうちまた機会があれば行ってみたいなと。

|

« 『歴史修正主義とサブカルチャー』 | トップページ | 2018年5月の蘭妖子さんのコンサート »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『歴史修正主義とサブカルチャー』 | トップページ | 2018年5月の蘭妖子さんのコンサート »