2018年5月の蘭妖子さんのコンサート
26日の土曜日は、新宿のシアター・POOさんで蘭妖子さんのコンサートを観てきました。
25日と26日の2デイズのコンサートの2日目です。
蘭さんは寺山修司率いる演劇実験室◎天井棧敷に在籍していらした方。トークショーで『大山デブコの犯罪』の思い出話があった記憶がありますから、かなり初期から参加された方かと。
衣装の仕事もなさっていたようで、高橋咲さんの天井棧敷時代をモチーフにした小説『15歳◎天井棧敷物語』にも、針仕事をなさってる蘭さんの姿が描かれていたと記憶しています。
蘭さんのお芝居、コンサートも数回拝見した事があります。寺山没後天井棧敷の衣鉢を継いだ、演劇実験室◎万有引力の公演に参加されていたのを拝見したこともあります。
ただほんと、行きたい行きたいと思いつつ、勤務先が傾いていて手元不如意なこともあり、なかなか行けなくて残念な思いをしているのですが。今回は久しぶりに行ってみようと。
シアター・POOさんも昭和精吾さんの公演とかでおなじみの場所です。寺山系に強いのかな。新宿南口の広い高架道路の脇の、ちょっと猥雑な一角。
お客さんは満員。通路にも椅子を出すくらいたくさんでした。
ややあって開演。
蘭さんのご衣装は、モーニングコートっていうのかなぁ、丈が長くて後ろの真ん中が大きく割れてるコート。色は黒。万有引力でもよく見かけますし、天井棧敷でも伝統的な定番衣装だったのかなと。
あと、山高帽をかぶって歌う曲もありました。本体がつばのところにきれいに折りたたまれるの。
伴奏はピアノの方とギター(持ち替えで他の楽器も)の方のおふたりでした。
浅川マキさんの曲も数曲お歌いでした。蘭さんのMCによると蘭さんと浅川マキさんはひとつ違いだそうです。
私が生で浅川マキさんのお歌を聞いたのは、大昔、テラヤマバスツアーで行った、三沢の寺山修司記念館でのイベントだけなのですが…。
それからラスト曲が『惜春鳥』。蘭さんの持ち歌のトップといって過言ではないかと。「姉が血を吐く 妹が火吐く~♪」って歌。寺山修司の映画、『田園に死す』の劇中歌です。
セーラー服姿で『惜春鳥』を歌う蘭さん、歌が流れながらシーンは切り替わり、村人から詰め寄られ、自分が生んだててなし児を川に流す新高けい子さん。川を流れていく赤子を追いかけようとして倒れる新高さん、そして、歌がコーラスで最高に盛り上がり、あの、雛壇が川を流れていくシーンになります。(記憶違いがありましたらごめんなさい)
アンコールでは、天井棧敷時代の劇中歌の一節とか、思い出話とか。
それでふと思ったのですが、蘭さんの天井棧敷時代の思い出話も本にまとまって読めないかなぁと。寺山修司の周囲にいらした方の手記本ってほんとうに面白いのが多いです。蘭さんのも読めたらいいなぁと思います。トークショーもとても面白かったですから。
蘭さんのあの、ちょっとしゃがれて、優しい歌声、この世に唯一無二の歌声、楽しみました。また聴きたいです。
とても聴きたいなと思ってます。
(あ、あと、チラシも頂きましたしコンサートで蘭さんがおススメしていらっしゃいましたが、6月2日から6月7日まで、渋谷のユーロスペースで『「映画監督◎寺山修司」2018』として、寺山修司監督作品の特集上映があるそうです。劇映画から実験映画まで。上述の『田園に死す』の上映も、寺山修司原作の『あゝ荒野』(2017)の上映もあるそうです。
詳細はユーロスペースの特集ページにて。)
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