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2018年3月

2018/03/26

イメージフォーラム映像研究所2017年卒業制作展

イメージフォーラム映像研究所第41期(2017年度)卒業制作展を観に行ってきました。
今年のプログラムはAとBの2プログラム。ただ、BプログラムはOBさんたちの卒展制作と近作の上映で、卒展はAプログラムの3作品でした。

まず、Bプログラムから。

BプログラムはYUKA SATOさんの『in the room』(2014)と『Camouflage』(2017)、三ツ星レストランの残飯さんの『妙な肉』(2013)と『外テ物』(2016)、三木はるかさんの『もうアイドルなんかならない』(2012)と『三木はるかるた2017』(2018)の2作品づつでした。いずれも前者の方が卒業制作展での発表作になります。

ちなみに改めてこのブログを検索してみると、これらの卒展での作品、ぜんぶその卒展の時に拝見しているわたくし。講師さんとか以外では珍しいのではと。

YUKA SATOさんの作品はさまざまな映像を詩的に構成した作品。ある意味もっとも実験映画的な手法でしょうか。
映像で描かれる「詩」。うまく説明できないけど、例えば「言葉」なら、ふだんはそれを何か具体的なことを伝えるためのツールとして使うわけですが。「この道をまっすぐ歩くと八百屋さんがあります」とか「今日は帰りが遅いので冷蔵庫のご飯をレンジでチンして食べてね」とか。

その「言葉」は詩になるとその機能が変質し、言葉のまた別の貌が現れますが。うん、うまく説明できないけど。そんな感じがあると思うのですが。そういう事を言葉ではなく「映像」で行うというのがこの作品の手法で、「実験映画」のあり方のひとつのスタイルだと思うのですが。
もちろんこのふたつの言葉の貌はまったく分離できるものではなく、「この道をまっすぐ歩くと八百屋さんがあります」も詩の部分もあるように、その配合比だと思うのですが。いや、うまく説明できないや。

三ツ星レストランの残飯さんは、ごめんなさい、失礼ながら、卒業制作一度限りのペンネームかと思ったら、のちのちも同名義で同じような作品を作っていらっしゃるようで、驚きました。
グロテスクなコラージュのクリチャーを使ったアニメーション。まさに三ツ星レストランの残飯のような物体のコラージュ。

三木はるかさんは自虐エッセイとでもいった作風の方です。『もうアイドルになんかならない』は2年目、映像研究所の専科の方の卒業制作になるかと。
彼氏と一緒にNHKからのファッション番組(?)の出演依頼がきた三木はるかさん、その顛末を自分がアイドルになったら~というイメージ映像を挟みつつこしらえた作品です。もちろん自虐もたっぷりで。

『三木はるかるた2017』は自分の自虐ネタをカルタにこしらえ、それを使って勤務先の受験予備校の同僚にカルタ取りをしてもらうという、よくこんなもの思いつくなぁという高度な自虐ぷれいを描いた作品です。

ふと気づいたのですが。

この、自撮りで画面に語りかけるスタイル、昔なら実験映画とか個人映画でなきゃ見かけないスタイルでしたが。今ならユーチューバーとかいう奴でありふれたスタイルになりましたな。ユーチューバーとか大嫌いなのでほとんど見ませんし、ユーチューブで検索してそういうタイプの映像を見かけるとよほど参考になるもの以外は即ブラウザを閉じるのですが。そういう時代の流れって面白いです

『もうアイドルになんかならない』では、撮影中に三木さんがケーブルテレビの番組で映画紹介を担当されていた時のファンに出会い、思わず次の番組の撮影中ですと嘘をつくシーンがあるのですが。それはほんとか演出かはわからないけど。でも今ならユーチューブでそういう番組もやれますな。そういうのもいいかもと。卒展での本作の公開時にはそんな考えは浮かばなかったけど。時は流れる時代は動く、ですな。

しかしこれだけ自虐ネタをかましてくる三木はるかさん、たぶんとてもプライドの高い方なんだろうなと思います。

お次はAプログラム。

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