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2018/01/09

現代演劇ポスター展のトークショー

昨日は『ポスターハリスカンパニー30周年記念 現代演劇ポスター展2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶-』のトークショーを拝見してきました。
演劇実験室◎万有引力主宰のJ・A・シーザーさん、多摩美名誉教授の萩原朔美さん、デザイン事務所(という理解でいいのかしら?)アタマトテの榎本了壱さん、そして、司会進行がポスターハリス・カンパニー代表の笹目浩之さんというちょう豪華な顔ぶれでした。このお四方が一堂に会するというのも珍しいのではと思うのですが。

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ただ、当日は、ちょう引きこもりの虫が騒いで、なかなか出られず。会場のヒカリエホールBにたどり着いたのは開演直前でした。

トークショーのみなさん寺山修司の演劇実験室◎天井棧敷関係者ということで、寺山修司のおはなしがたくさん出ました。とても嬉しかったです。
朔美さんの寺山修司の演劇についての見解はなんどかトークショーなどで拝見していますが、いちどきちんとまとまった物を読んでみたいなと思います。私は天井棧敷のお芝居は観たことなくて、その衣鉢を継ぐ、万有引力のお芝居しか観ていませんが。なにか普通のお芝居と違う、ストーリーとしてお芝居が展開されるのではないスタイルってのが、うまく説明できなくて困ってるんですが。

今回、寺山演劇と音楽の親和性についてのおはなしがあって。それは以前にも伺った事はあるのですが。ヨーロッパ公演のとき、ごそっとレコードを買う寺山の姿。そして音楽ありきで書かれていた寺山の台詞回し。

この寺山の台詞回しと音楽の絶妙の親和は、一昨年…、いや、年が明けたから3年前か、夏の終わりに急逝された昭和精吾さんのトークショーを拝見していた身として、とてもよくわかります。昭和さんの語る天井棧敷の台詞に絶妙のタイミングで流れてくる音楽。あれはほんとうに素晴らしかったです。

榎本了壱さんのトークショーも何度か拝見していて。アタマトテでのトークショーも拝見していますし、去年8月三沢であった市街劇『田園に死す』での榎本さんの演目も拝見していますが。あの、駄洒落連発のスタイルは今回もちょう健在でした。

しかし、これらのポスターが貼られていたころの街の風景ってどんなだったのかなぁと、お話に触発されて思いました。今は街の無臭化もどんどん進み、このようなどぎつい、挑発的なポスターが街角に貼られることはなくなってきてるのかしら。

芝居とポスターは別世界という指摘も面白かったです。確かに映画のポスターだったら、その一場面とかを素材に使うポスターが多いでしょうが。お芝居はまだできてない時点でポスターを作ることも多いでしょうし。お芝居の扮装をした役者さんの映像を使ってるポスターも少なかったです。しかしそうでありながら、お芝居ともリンクしていなければならない、そういう世界観。そういう演劇ポスターの特性。

しかしポスターを取り巻く状況も衰退していて。デザイン事務所の榎本了壱さん、美大名誉教授の萩原朔美さん、おふたりのお話によると、もう美大ではポスターデザイナーのコースはなくなってるそうです。そして、ポスター専門のデザイナーさんもいなくなっていて、ポスターの仕事も請けるデザイナーさんがいるって現状だそうです。印刷ポスターの世界も思っていた以上に衰退しているようで、お話を伺いながら愕然としました…。

またもう一方、イラストからレイアウトからひとりですべてを受けるという形でのポスターデザイン仕事というのもなくなっていて。イラストはイラストレーターというような分業化、ディレクションシステムに移行しているそうです。

伝説の読者投稿誌、ビックリハウスの話題も出ました。萩原朔美さんと榎本了壱さんはビックリハウスにも関わっていらして。天井棧敷人脈とビックリハウス人脈は重なってる部分も多いようです。渋谷発のカルチャーだったからかしら。

今回のポスター展のポスターはポスターハリス・カンパニーさんのコレクションのようです。そのポスターハリス・カンパニー代表の笹目さんから、ポスターの保存についてのお話がありました。私企業での保存には限界があると、自分がやれているうちはいいけど、そのあと、どうするのかが課題であると。公的な保存をお願いしたいと。ほんと、倉庫ひとつの話なんでしょうが。政治家や高級官僚にコネでズブズブの連中がおいしい真似をして、こういうことにはお金が流れない、この今日の日本の状況って、ほんとクソだと思います。

トークショーはほんとたっぷり、一時間半以上あったかと。トークショーのあと、ポスター展も拝見しました。このヒカリエホールB以外にも2会場、計3会場で開催されているようですが、そちらまでは回れなかったのですが。
他の会場ではどうだかはわからないのですが、展示のやりかた、ホールの天井からワイヤーで2・3段にポスターを吊るすって展示方法で、とてもおしゃれな感じがします。いい感じです。

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天井棧敷旗揚げ公演の『青森県のせむし男』のポスター。この旗揚げ公演のポスターにすでにVANの宣伝が入ってます。VANと天井棧敷の関係もだいぶ前のどなたかのトークショーで話を伺った記憶があるのですが。
そいや、ネットで読者モデル(?)なさってる天井棧敷時代の萩原朔美さんの写真を拝見した記憶が…。

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『ブラブラ男爵』のポスター。後楽園ゆうえんちでの長期の興行だったようです。確か、昭和精吾さんのトークショーでよくお話されてた、昭和さんの天井棧敷時代のエピソードの公演じゃないかと思うのですが。
その公演で昭和さんが独断でアドリブをやったという話で。終演後、その事で寺山修司に呼ばれてこっぴどく怒られたと。しかし別れ際、寺山がポケットにお金を入れてくれたと。後からそれを取り出してみたら、当時としても結構な金額だったと。そういうエピソード。これはこの公演だったかなぁと。このブラブラ男爵ってのもどこか再演して欲しいなとも思います。

しかしほんと、寺山修司関連のトークショーもたくさん行って。とても貴重なおはなしがたくさん、私の右の耳から左の耳へ流れていったなぁと改めて思います。そして自分の中に残ったのはなんだろう、どのくらい、その貴重なお話を自分の中に残せたろう、そう思ったりもします。

うん、やっぱり、お芝居もいろんな劇団の、たくさん観られたら、そういう人生だったらもっとよかったなとも思ったり。

そう考えながらポスター展会場をあとにしました。

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