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2017/12/30

『ガールズ&パンツァー最終章』第一話

ストーリーに触れる部分もありますので、ネタバレ注意です。
あと、個人的な感想をダラダラ書いているだけですので、ご注意。

昨日は『ガールズ&パンツァー最終章』の第1話を観てきました。コミケ期間中ということで、空いてるかなと思って。人ごみが苦手なのでコミケも行きませんし。

『ガールズ&パンツァー最終章』は全6話になるみたいです。で、尺が50分くらいみたいなので、30分アニメ2話分ぐらいになるのかな。だから最終章はトータルで30分アニメ1クールぐらいの尺になるかと。だったらTV放映してほしいなぁとも思うけど…。

結論から言うととても面白かったです。「これで50分なの?」と思うくらいボリューム感がありました。

事前情報によると、TV版、前回の劇場版の西住みほたちは脇に回り、後輩たちが主軸のストーリーになるというおはなしも見かけたのですが。
第1話はみほたちの世代が主役でした。後の話になるとどうなるかはわからないのだけど。

今回、大洗女子学園を襲うピンチはなんだろうって思いました。廃校ネタも3度目は無理だろうし。あ、こうきたか、と思いました。確かにいいアイディアかな。
アレだと無理に優勝しなくても、ほかの形での解決もありえるだろうし。いや、廃校ネタでもうまくお話を作れば優勝を逃がしたけど…、ってお話も作れるとは思いますが。

そう、今回も戦車道の全国大会が舞台になってます。

今回トーナメントの第一試合として大洗女子学園の面々と対決するのはBC自由学園。
フランス軍戦車をつかう学園のようです。フランス軍ということで、マジノ女学院とかぶりますが。BCってどういう意味なんだろ。ヴィシー政権(ドイツ占領時代のフランスの傀儡政権)なのかなぁと思いましたが。ヴィシーならBではなくてVだし。

フランス軍の戦車しばりだと、第2次世界大戦初期の戦車しかないのだろうなと思ってたら、BC自由学園がかなりでかい大砲を積んだ戦車を持ち込んでました。パンフレットによるとARL44という戦車で、長砲身の90ミリ砲を搭載しているようです。
ネットで調べたことの受け売りですが、ドイツ占領下でもフランスは戦車の開発を秘密裏に細々と行っていたそうで、フランス解放直後から戦車の開発を本格的に再スタートしたようです。ARL44という「44」がモデル名に入ってるから、1944年に開発はスタートしたと認識してるのかな。ここらへん、フランス人のプライドも感じさせて面白いです。

ただ、実戦配備は1950年代。インドシナにも配備されたという話もあるようです。たしかガールズ&パンツァーの世界観だと、使う戦車は第2次世界大戦当時に存在していたか開発されていた戦車だそうだから、44年開発スタートと強弁すればアリなのかなぁ。

大洗女子学園に新たに加わる戦車はイギリスのマークⅣでした。こっちは第一次世界大戦の戦車なんだけど、こちらもレギュレーション的にアリなのかな?と思ったけど。
そいや少し前、ツイッターのタイムラインにベルリン攻防戦でマークⅣが使われたなんて話が流れてきて、これの絡みだったのかと気がつきました。
改めてネットで少し調べた限りですが、どうやらベルリン攻防戦で博物館から引っ張り出されたマークⅣが実戦に参加したというエピソードがあったみたいです。だから第2次世界大戦で使われたと。レギュレーションに合ってると。

このマークⅣの登場シーン、操向系統が旧式なせいか、独特のぎこちない走りを見せていて、そこまできちんと考証して再現してるんだなぁと思いました。
そして、車列を組んだシーンで第2次世界大戦の戦車とマークⅣが並んでると、「意外に大きなものなんだな」って思いました。ああいう構造だとでかくなるのは考えてみれば当然でしょうけど。そしてそのでかさを活かしたエピソードがさっそくあったり。

あのマークⅣのあれは飾りじゃなくて無線アンテナだったのかなぁ。第2次世界大戦中の戦車や装甲車なんかのプラモデルを作るのが好きでしたが、上級司令部との連絡用とかで強力な無線機を積み、大きな無線アンテナを装備した特装車のプラモもいくつか作ったことがあります。その伝で大型無線機を積んで、そのためのアンテナを装備したマークⅣがあったのかもしれないなと。

マークⅣを見つけるエピソードもまた面白かったです。学園艦の船底の方はああなってたのかと。
やっぱり酒場があるとイイですな。さすがに未成年ということでアルコール飲料はないようですが。今回新たに加わるチームには、パイプ片手のメンバーもいるのですが。煙が出てないからハッカパイプなんでしょうか。

この船底に降りていく途中、水棲生物を収めた水槽の脇を通るシーンがありました。あ、やっぱりこの世界はなんらかの疫病が蔓延している世界なのかなと思いました。

全長数キロクラスの学園艦が技術的に可能だとしても、建造と運用には国家予算レベルのお金が必要だと思います。それでもあえて学園艦を建造し、それに彼女たちを収容して隔離しなければならないのはどうしてなのかなと、ずっと不思議に思ってました。

それでふと気がついたのですが、あの世界はなんらかの病気が流行していて、その汚染に彼女たちが曝露しないように学園艦に隔離してるのではと。たとえば、地球上のすべてのメスに感染する、少女期に感染するとその生殖能力を完全に失わせるような、性交渉で感染する病気が蔓延しているのではないかと。そのため、その病気に汚染されてない水棲生物もまた学園艦で保護しているのではと。

戦車道もまたそのためのものと思います。あの実弾(らしき物)が飛び交う戦車道の試合でなぜ彼女たちは死んだり大ケガしないのかと不思議だったのですが、ある時ふと気がついて、膝を叩いた解釈があります。

古来、処女の陰毛は弾除けのお守りでした。だとすればそれを生やしている本体にも弾が当たらないのも当然のコトワリ。そして処女でなくなれば弾に当たって怪我したり死んだりしますから、戦車道をたしなめるというのは処女のあかし。だから戦車道が女子のたしなみとしてあの世界では存在すると。それはまた彼女たちがその病気に汚染されてないという証拠でもあって。

私はあの不思議な世界観を私のSF的知性に基づき、そう解釈してるのですが。いや、閑話休題。

策をもって大洗女子学園をハメようとしたBC自由学園。大洗女子学園も慢心があったと思います。でも、あの状況で身動き取れない大洗女子学園の戦車を一両も仕留められなかったBC自由学園の練度の低さもまた策に頼った慢心であったのかもしれないと。そう思います。前回の第1回戦敗退は強豪聖グロリアーナ女学院相手だったせいにしても。

そしていったんピンチを脱したうえでの次回への続け方も上手かったなと。翌週ぐらいの話だったらピンチを脱する前で切ってもよかったと思いますが。次はだいぶ先になるでしょうし。
そしてその大元のあのピンチはどうなるのか。もちろん早めに済ませて次の展開があっても面白いとも思うのですが。ただ、優勝してエンドとなるのがTV版、前回の劇場版につづく「ガルパンの流儀」かもとも思います。

第二話も見に行くかな。できたら見に行きたいです。どこまでついていけるかは自信がないのですが。早く見たいと思いつつ、それよりクオリティ優先でやってほしいと思いつつ、やっぱり待ちあぐねるのも嫌だなと思いつつ、です。私は大洗に行ったこともないライトファンではありますが。

とまれ、続きを楽しみに。

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