« 森園みるく『私の夫はある日突然殺された』 | トップページ | 昭和精吾事務所『われに五月を 第二章』 »

2017/09/30

『寺山修司のDNA 若い女性にアングラ人気の怪』

『寺山修司のDNA 若い女性にアングラ人気の怪』(朝日新聞:刊 Kindle版)
読了。朝日新聞のコラムをまとめた物になるのかしら?電子書籍版のみで紙の本は無いようです。前5章でボリュームは薄めですから、紙の本じゃペイしないかなと。だから、電子書籍ならではの本ではないかと。
お値段もお安く、Kindle版で108円でした。自販機の缶ジュースより安いです。

買ったのは7月の終わりごろです。

寺山修司とその関連の本を時々Kindleで探しているのだけど。寺山本は資料としていつでも見られるように手元においておきたいです。その点、Kindle本はスマホやタブレットに入れて常に持ち歩けますし、検索も簡単、マーカーも本を汚す心配なく引けます。そしてKindle本は時々バーゲンもしてくれますから、安価で手に入れることもできます。なかなかに便利です。

で、その日もまたなんか出てないかなと思ってKindle本を検索していたのですが。
それで見つけたのが本書です。
「若い女性にアングラ人気の怪」とかなんか茶化したようなサブタイトルがついていて、ちょっとむっとしたのですが。何が書いてあるんだろって思って買ってみることにしました。なんといっても108円と安いですし。

そして、面白く読みました。私のその翌月、8月に青森の三沢に寺山修司関連のイベント、市街劇『田園に死す』を見に行ったのですが。直接にはその紹介は無かったのだけど、その理解を深められるお話もありましたし、面白いご縁だなぁって思いました。

本書の章立てはこうなってます。

第1章 アングラ、若者とりこに/実験演劇集団
第2章 カラフルさ、常識を破壊/アートディレクター
第3章 「修司の街」へ三沢の挑戦/記念館
第4章 自由で過激、原点に焦点/自主映画
第5章 「聖地」発信、連携を模索/誘客装置

新聞掲載時はそれぞれが1回のコラムだったかなと思います。

第1章は北海道で寺山修司のお芝居をかける劇団さんの主宰者の方のインタビューでした。
2年前、いつもはお客の入りはそんなになかった寺山修司のお芝居、チケットが売り切れる現象が起きたと、しかもアングラリアルタイマーの中高年のお客さんではなく、20~30歳代の女性が多かったと。

第2章はアートディレクター、増田セバスチャン氏のお話でした。増田セバスチャン氏はここんとこ、寺山修司関連でたまに名前を伺います。どういう方なのかと思っていたのですが。
私はほんとアートとか流行り物に疎いのですが、ああ、そういう方なのかと初めて知りました。そして、寺山修司との出会いのいきさつなども。
そうそう。8月の三沢での市街劇では、増田セバスチャン氏のご出展もありました。

第3章は三沢の寺山修司記念館のお話。寺山修司を使った三沢の町おこしのことも触れられています。記念館は行ったことがあるのですが。
「作品は提供する側だけでは完成しない。作品の半分は受け手が作るのだ-、と寺山は語っていた。その創作に触れた多くの人たちが「巻き込まれた」「仕掛けられた」感を持つのは、この寺山的手法が「実は、自分らが残り半分を作っているのかもしれない」という共犯者めいた気持ちにさせるからではないか」この指摘、まさに、まさに…

第4章は寺山修司のドキュメンタリー映画を還暦を過ぎて自主制作で作った方のお話でした。ほんと、そこまでいける方、尊敬します。

第5章はさらに三沢市における寺山修司を使った町おこしに関する取り組みの紹介。
寺山修司関連でいろいろ見て回っていて、小耳に挟んだかたがたのお名前もちらほらです。順風満帆という状況ではないようですが、さまざまな取り組みがされていて。
そしてその延長で、私も8月の市街劇を楽しまさせて頂きました。ほんとうにありがとうございます。

ほんと、妙なご縁で、8月の市街劇の理解も深まる本に出会いました。
そして、こうやって、紙の本なら一冊にまとめるには少量過ぎる(であろう)文章を、電子書籍版として出版するというのも面白い動きだと思います。こういうの、もっと出たらいいと思っています。

しかし、寺山修司は若い女性に人気なら、それなら、寺山関係のイベントとかよく行ってる私はなんで若い女性とご縁がないのかしら(涙)

|

« 森園みるく『私の夫はある日突然殺された』 | トップページ | 昭和精吾事務所『われに五月を 第二章』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 森園みるく『私の夫はある日突然殺された』 | トップページ | 昭和精吾事務所『われに五月を 第二章』 »