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2016/11/14

朔美さんのお芝居

土曜日は多摩美術大学で萩原朔美さんご出演の朗読劇を拝見してきました。
萩原朔美さん、萩原朔太郎の孫でいらして、寺山修司率いる演劇実験室◎天上桟敷の団員でもいらして、伝説の読者投稿誌・ビックリハウスにも関わり、現在は多摩美で講師もお勤めになられてる方です。
先日の新宿御苑での写真展のとき、ご案内があって見に行くことにしました。

私は寺山修司ファンなのですが、萩原朔美さんはまず美少年役として天上桟敷に入団し、のちに演出をお勤めになったそうです。その、美少年役のころの朔美さんの片鱗が伺えるのかなぁとも興味津々でした。

今回の公演は「多摩美術大学・世田谷文学館 共同研究『清水邦夫の劇世界を探る』第六弾」になるそうです。
そういえばだいぶ前ですが、世田谷文学館で萩原朔美さんの寺山修司関連の講演会を拝見したことがありますし、つながりがあるのかなぁと。あと、世田谷文学館には寺山修司がらみの展覧会が何回かあって、行ったことがあります。また、SF展とかも楽しく拝見しました。いろいろ積極的に動いていらっしゃる文学館かと。

清水邦夫は名前ぐらいは知っている方、というぐらいです。国語の教科書に載っていたのか、高校時代、演劇部にいたので、そのときに聞いたのか、それともドラマとかのクレジットからか、記憶は定かではないですが。

今回は朗読劇というスタイルでした。
そして、演目は『イエスタディ』でした。
1996年の作になるそうです。

舞台は日本海側の町の、もうすぐマンションに建て替えられる写真館。
そこの主の回想として物語は始まります。

時代は太平洋戦争末期、兵隊にとられた父親の写真館を守る少年とその姉。
少年はその写真館で写真技師としても働いています。
そこに転がり込んでくる、遠縁の、男ひとり女3人の歳若いきょうだい。一風変わった人々。
その写真館の姉弟と、転がり込んできた4人兄弟のちょっと奇妙なお話でした。

回想として始まるお話。単純にあのころを舞台にするのとまた風情が変わりますね。
面白いものです。あたしはジャック・ヒギンズの冒険小説を思い出しますが。
回想の、かすかに痛みを感じさせる甘やかさ。私も好きです。

「あたしは好きよココ。
すべてはもう終わったもので、
なんにも
私を
傷つけないから。」
(鈴木志保『ヘブン…』)

事件があり、いろいろあって、そして、転がり込んできた4人はふたたび旅立ちます。運命の時と場所に向けて……

萩原朔美さんはその転がり込んでくる兄弟の長男役でした。男の子はひとり、あと三人は女の子なんですが。長女-長男-次女-三女、になるのかなぁ。(勘違いあったらごめんなさい)
朗読劇で、衣装も平服なのですが、三姉妹がみなさん、オレンジ色のタイツをお召しでした。そして朔美さんはポイントでオレンジ色の模様の入った白い靴をお召しでした。

登場人物は皆さん若いようでしたが、ご出演の皆さんは皆さんそこそこの御歳の方でした(失礼!)
私は演劇に疎いので、朔美さんのほかに存じ上げている方は、林あまりさんをお名前程度は、です。林あまりさんは多摩美でも教えていらっしゃるようなので、そういうつながりなのかしら。

公演、面白かったです。

うまく説明できないけど、台詞回しに何か独特の「空気」を感じたのだけど。それが「清水節」とでも呼ぶべきものなのか、それとも演出のせいか、あるいは演劇一般の持つものなのか、よくわからないのだけど。
ほんとお芝居は演劇実験室◎万有引力以外ほとんど拝見してないので…。

それから休憩を挟んで本作の解説と清水邦夫さんに関する短い公演がありました。
この『イエスタディ』という戯曲は、1996年の多摩美の卒業公演のために書かれたものとか。このお芝居の尺は1時間くらいなのですが、お芝居としては短いなぁと思ったのですが。ああ、それで短いんだなと思いました。

高校時代、演劇部にいて、頭を悩まされたのは普通の戯曲は長いって事でした。だいたい高校演劇のコンクールは持ち時間1時間くらいで、普通の戯曲をかけるには、あちこちカットしなきゃいけませんでした。
ま、それで頭を悩ませるのは演出担当の奴で、あたしは大道具メインだったので、脇から茶々入れるだけだったんですがね。

あと、劇中、時間が現代のとき、主人公の写真館の主が「ここに入ると若返るんですよ」っていうような台詞があったのですが、それは、卒業公演ということで、キャスティングが若い人たちばかりになるから、そういう台詞を入れたみたいです。
年老いた化粧から若い化粧に一気に変えるのは難しいかなぁ。演技力だけでどうにかなるかなぁ。そこらへんはよく分からないのですが。

公演でも言及されていましたが、そういう若い人中心のキャスティングに向けて書かれたお芝居を…、でありますな。

今回が『清水邦夫の劇世界を探る』公演の最後になるそうです。
最後だけでも観られてよかったです。

お芝居もいろいろなの見たいものですが…

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