天野可淡少女人形展 最終章
昨日は銀座でマリアの心臓さん主催の『天野可淡少女人形展 最終章 髪帯之記~解かれたガラスのリボン~』を拝見してきました。
『解かれたガラスのリボン』、天野可淡さんのエッセイですな。あたしはシンフォレストのCD-ROM写真集『KATAN DOLL』に収められているのを読んだことがあります。
「人形にとって死より怖ろしいのは忘れられること」というようなくだりを憶えています。また、寺山修司の編んだアフォリズム集によるとマリー・ローランサンは「死んでしまった女よりかわいそうなのは忘れられた女です」と書いたそうです。
それは、なんとなく解ります。
オークションとか、懐かしオモチャのお店で、当時そのままの新品未使用の昔のオモチャが並んでいるのを見かけることがあります。そういうのを見かけると、懐かしいと思うと同時に「遊んでもらえなかったさみしいオモチャだったのかなぁ」と思います。
遊ばれずにきれいなままで長くてさみしい年月を過ごすオモチャより、さんざんに子供たちの遊び相手をつとめ、ボロボロになって、そして、壊れていったオモチャの方が幸せだったのかなぁと思うこともあります。
人生店ざらしのあたしはそう思ったりもします。
ま、その話は置いといて。
会場はいつも通りの場所でした。アンティークなビルとして有名な奥野ビルとも程近いです。会場の造りもだいたい変わらず、あの狭い入り口を通って入る展示スペースも相変わらず。いい感じです。展示内容もお人形と絵画、イラストなどいろいろあって楽しいです。作家物のお人形とアンティークのお人形、文楽人形も等しく展示されてる部分も一緒。そのセンス、好きです。
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