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2016/06/09

『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』

『サーノ博士のヒーリング・バックペイン-腰痛・肩こりの原因と治療-』(ジョン・サーノ:著 長谷川淳史&浅田仁子:訳 春秋社:刊)読了。著者が提唱する腰痛・肩こりに関する新しい疾病概念・TMSに関する解説書です。

ここんとこ、腰痛が酷かったです。4月の頭からぐらいかな、腰がひどく痛んで。杖ついて歩いたりしてました。もちろん医者にも行ったのですが。通院しながら自分でもネットで腰痛情報集めてたりして、そして本書の存在を知り、買ってみました。1ヶ月以上、なんかほんと治らなくて、この本読んだだけで腰痛が良くなるって話もあったりして、2千円ちょっとでよくなるんなら大助かりと思って買いました。(鍼とかカイロとか指圧とか行くお金はないのです。保険のサポートする範囲内しか…)

本書に紹介されている「TMS」とは、“Tension Myositis Syndrome”の略で、日本語に訳すと「緊張性筋炎症候群」になるそうです。TMS理論によると痛みの直接の原因は軽い酸素欠乏で、その原因となるの は抑圧された感情(主に怒り)になるそうです。
ではどういう機序で抑圧された感情がその部位の酸素不足を起こさせるのか?はまだよく分かってないようですが。

本書の目次は
はじめに
第一章 TMS(緊張性筋炎症候群)とは何か
第二章 TMSの心理学
第三章 TMSの生理学
第四章 TMSの治療
第五章 従来の診断
第六章 従来の治療
第七章 心と身体
患者からの手紙
監訳者あとがき
となっています。

「第一章 TMS(緊張性筋炎症候群)とは何か」
TMS発症のきっかけや発症部位の解説など。
しかしこの章でいちばん大切なのは以下の一節かと思います。

ぜひ忘れないでいただきたい。まずは、ふだん診てもらっている医師に診察してもらい重大な疾患の有無を確認することだ。自己診断の指導書にしてもらいたくて本書を書いているのではない。本書はTMSという疾患を明らかにするための書物なのだから。(11p)

ほんと、ここ、大切だと思います。TMSという考え方は使い方によっちゃ偽医学に繋がる道であると思いますし。ほかの場所でも同様な注意がなされています。

「第二章 TMSの心理学」
ここでは、TMSに繋がる「抑圧された感情」について考察しています。
目を背けたい抑圧された感情があるために、体に痛みを起こし、そちらに気をそらさせるという脳の「たくらみ」。
まぁ、たとえば、意識下の行動で考えるなら、明日テストで勉強しなきゃいけないって時に、それから逃避してゲームに耽るようなものなのかなぁ。ただ、ゲームは面白いけど、痛いには嫌だけど。

「第三章 TMSの生理学」
この章では、じゃあ、その抑圧された感情がどういうメカニズムで痛みを起こさせるかという考察ですが。
その痛みの直接の原因は酸素不足、そしてそれを起こすのは特定の部位にたいする血流量の減少と考察しています。

TMSでは、自律神経系が抑圧された不安や怒りなどの感情に反応し、ある部位の筋肉や神経、腱、靭帯を選択して、その血流量を減少させているとわれわれは仮定している。
(中略)
これは、その組織に供給される酸素量が不足することを意味し、こうなると痛みやしびれ感、麻痺、筋力低下という症状が出る。

というメカニズムであるようです。その血流量の減少を防ぐ薬があればよいのかもしれませんが…。

「第四章 TMSの治療」
これがいちばん知りたかった部分であります(笑)
もっとも大切なことは、自分の体になにが起きているか理解することだそうです。
腰(肩)が痛むのは、その部位の病変ではなく、心の問題であると心底理解すること、その考え方を受け入れること、心に目を向けること、脳に話しかけること、そしてふたたび体を動かすことだそうです。

本書を読みながら通院して、このくだりに差し掛かったあたり、レントゲン検査では特に異常は見当たらず、とうとうMRI検査まで受けることになりました。MRI検査でも異常はまったく無かったそうで。この本書の主張を心底信じてみてもいいかな?と思えるようになりました。
(ま、初体験のMRI検査はちょっと面白かったですが。ひと財産飛びましたけど…)

「第五章 従来の診断」
「第六章 従来の治療」
ここでは従来のバックペインの原因として診断されてきた病変類ががどれだけ的外れのものだったか、そしてその診断を基にした治療がどれだけ無意味だったかについて語られています。

「第七章 心と身体」
ここではTMS理論をさらに援用して、いろいろな疾患にも抑圧された感情が原因に潜んでいるのではないかと語られています。免疫性の病気まで。そして花粉症もそれがあるのではないかと考察されています。
確かに花粉症は近年急増しているような気がします。30年以上前、花粉症なんてあまり無かったような。それは杉の植林が増えて花粉の飛散量が増えてるって事もあるのだろうけど。

「患者からの手紙」
これはサーノ博士の元に届いたバックペインが治った患者さんからのお手紙の紹介コーナーです。これを読んでると「私も治るんじゃないかな」と思えてきて、効果があるコーナーとして設けられたと思うのですが。
もちろん、医学的に本当に大切なのは、こういう『体験談』じゃなくて、きちんとした分析なのでしょうが。
TMS理論に基づいた治療で治ったのか、それとも自然治癒か何かなのかという突っ込みもできますし。私レベルの素人でも。

ただ、そのいくつかの手紙の中に気になる一節がありました。

未解決の心の葛藤が原因だとしても、その問題を解決しなければ痛みが消えないというわけではなく、その問題が痛みの原因であると自覚するだけでいいとわかったからでもあります。

これが本当なら、大いに助かるのですが…。

本書を通読して。うん、MRI検査までして背骨や腰骨に異常はないと診断されました。筋肉だろうというお医者さんのお話です。病変があっても腰痛の原因はTMSの場合が多いと本書にはかかれてましたが、ましてや病変が無いならばTMSかもしれません。ただ、今の医療でTMSという診断が下されるのかどうかはわからないのだけど。

今の投薬で、鎮痛剤のほかに血行をよくする薬ってのをもらってます。だとすれば血流不足が痛みの直接の原因とするTMS理論的には合致してるのかもしれません。もちろんお医者さんはそういうメンタルが原因だろうってことはおっしゃってなかったですが。

喉に不快感を感じて耳鼻科を受けたこともあります。そのときもファイバースコープで覗かれても病変は発見されず、お医者さんはメンタルもあるのかもしれないというお話でしたが。どうも心因性の「ヒステリー球」ってのがあるみたいですね。

いっぽう「抑圧された感情」にはめちゃめちゃ心当たりがあります。(もちろん無意識下のものはだいたい気づくことさえできないのでしょうが)
ただ、それと向き合って、それを解決するのはちょっと無理っぽいです。それは生き方を変えねばならないところでもありますし。それをするのは億劫だし、だいたい上手く変えられる自信もありません。
ただ、患者さんからの手紙の章で、上に紹介したように、それは解決できなくても、それが痛みを引き起こしてるものだと自覚できたら、痛みが消えるのであればよいのですが。

それと本書の社会的な意味ですね。本書の主張は、本書の作者自身は注意を払ってお書きになってると思いますが、偽医療にいくらでもつけこまれる隙があるかと思います。
これはどう考えたらいいか。たとえばガン患者さんが偽医療にハマって手遅れになったりする悲劇はまま起こっているようですし。

ま、とりあえず私の腰痛はだいぶ良くなってはいます。
本書のおかげか、お医者さんの投薬のおかげか、ただの経時的変化に過ぎないか、よくわからないのですが。

もう体のどこかがいつも痛んでいるって状況です。
それをTMS理論で抜けられたらいいのですが。

そして、最後に、杖を突いているときに席を譲って頂いた皆様に感謝であります。

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