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2016/03/22

イメージフォーラム映像研究所2015年度卒業制作展

先週末はイメージフォーラム映像研究所2015年度(第39期)卒業制作展に行ってきました。
今回はA・B・C・Dの4プログラムでしたが、Dプログラムは時間が合わず、A・B・Cの3プログラムを見ました。

今年も簡単に感想を書いてみたいと思います。

いつも書いていますが、私は実験映画について専門的な教育を受けた者ではありません。
また、勘違い、ピントはずれのことも書いてしまうかと思います。お気に触ったらごめんなさい。

御寛恕であります。

Aプログラム

『Resort』(井上達喜/11分)
小さなお布団に寝かされたバッタの死骸のお通夜。人形が話し相手の女性。沖縄のイメージシーンと雪景色。ここではない、どこか別の場所。私も行きたい。夢想するばかりだけど。

『胎臓界』(太田悠輝子/3分)
アニメーションです。ちょいキモなふくよかな人物。あたしもちょいキモデブなので親近感です。

『日々是好日』(澤本成美/7分)
作者はシングルマザーさんなのかな?フルタイムで働きながら三人の子供を育てていらっしゃるそうです。しかもイメフォに通ってらっしゃる。超人的にすごいと思います。
その、子育ての日々の点描という作品。
暖かい家族関係を感じさせ、うらやましく思いました。わたしのあのころはもっとささくれてたな。そして家族や子供も持つことがなくここまで生きてきましたが。

『焔の天原』(杉本直樹/3分)
墨絵。それがさまざまに滑らかにメタモルフォーゼしていくアニメーション。こういうの、好きです。

『ホリ坊ダイアリーズ』(花房慎也/31分)
こ の方の作品は去年も拝見しています。作者さんが惚れたあるアングラ劇団の女優さん。彼女をモチーフにずっと映像を撮り続けていたと。しかしその関係を壊し たくなくて、ずっと告白はせずにいたと。しかし結局は彼女に嫌われてしまい、彼女とシェアしている自転車(not自動車)のこと以外は連絡を絶たれてし まったと。そういうトホホな顛末が前作でしたが。

今回も同じくその女優さんをモチーフにした作品でした。

彼女はこの作者さんの彼女をモチーフにした作品の上映会に顔を出すこともあるけれど、もう撮影はお断り。
この作者さんもはっきり言って「ストーカー」なのだけど。これが理不尽な怒りになり、暴力衝動になるまではいってないので、まだどこか「トホホ」の雰囲気を漂わせていますが。

私もストーカー体質気味です。だから、作者さんの気持ちもわからないではないですが、しかし私はそういうところまで行きかかったこともあるので…。お気をつけて。

Cプログラム

『TOKYO STREET』(箕浦悠生/27分)
フィクストのカメラから撮ったストリートの人の様子。映画でもドラマでもだいたい映像ってのはカメラの動きってのが普通あるものですが。長時間フィクストのカメラ、それだけで異物感が出るものです。

これも実験映画的な技法で。ドキュメンタリーだと「いのちの食べかた」がそうですね。イメージフォーラムフェスティバルでオペラが始まる前の舞台から客席を1時間半くらい、ずっとフィクストのカメラで撮った作品も見たことがあります。1時間半撮れる映画フィルムってのはないそうで、特注品らしいです。

またその応用でものすごく遅くカメラを動かすって技法もあります。3・40分くらいかけてカメラが部屋のこっちから向こうへ動くだけの作品。これはだいぶ前にイメージフォーラムシネマティークで見たことがあります。

後半は作者さんが撮られる側に回ります。そのアレンジも面白かったです。

『ふたつめの骨』(石川雄生/27分)
イメージ映像と作者さんの内的独白。この作者さんが独白で語るメンタリティは、こういう実験映画でありがちっちゃありがちかなぁとも思うのだけど、描き方がまたちょっと変化球かなと。
そして作者さんのこのメンタリティってのは、私とも共通するものがたくさんあります。
はるかに年上であろう私。手遅れ感が深刻ですが(嘆息)。いつか来るかもしれないなと思っていた救われる時はなしで人生終わりそうな気がしてなりません、昨今は。何がどう掛け違って、こうなっちゃったのかな…。

『鱗のない魚』(木村あさぎ/30分)
こちらはドラマとも呼べるかな。「女王様」をやってるらしい女性の独白と、イメージ映像でした。スタイリッシュです。そして、主演の女性の体当たりの演技。

Bプログラム

『COLOR for you』(浩余/6分)
ドローイングアニメーションです。絵が描きあげられていく事で動いていくような、そんな感じがして面白かったです。

『COUNTERPOINT』(柴田悠/42分)
ドラマ仕立てなのだけど。殺した男と殺された女、ふたりともセルフドキュメンタリー(女性のほうは「自撮り」と呼ぶべきかなぁ)を撮っていたと、その交錯を描いた作品です。
卒展にはいつも何作かセルフドキュメンタリーがあるのだけど、本作はそこにさらにメタ目線で、セルフドキュメンタリーを撮る人をモチーフにしたドラマにしたと。
ほんと最近「自撮り」なる言葉も定着してますな。

作中使われるのはアクションカムって奴かしら?そういうのも普及してきていますね。

『止揚』(小川大智/30分)
これも不思議なリアルとアンリアルなイメージの混淆。「夢の中のような」って感じかしら。
新宿ゴールデン街のソワレさんのお店も使われてました。ソワレさんのライブ、なんどかお目当ての対バンとして聴いたことがあります。

さて、今年はどうだったかな。

去年まではどういう機材で撮られたか明記されていましたが、今年はなかったです。
映写自体はぜんぶビデオプロジェクターでしたが。
画質がいろいろあって、「なんで撮ったのかなぁ」と改めて首をひねったりしました。
そういうのも面白いのですが。

ほんと、動画を撮るキカイって、8ミリ16ミリといったフィルムカメラ、そしてビデオカメラ以外にもいろいろ増えてきてますな。通勤用の私のカバンの中には、ガラケ、スマホ、タブレットと動画を撮れるデバイスが3つも入ってます。そういう時代でありますな。

去年でイメージフォーラム映像研究所も第39期とか。今年入ってくる皆さんが40期になるのかしら。もう30期なんだって思ったのがつい先日の気がしますが…。
あとどのくらい見に行けるかなぁ。今まで見てきた卒展より、これから見られる卒展のほうが少ないのはわかってます。たぶん、それまでは生きていないだろうと思います。
ま、生きている限り、いろいろたくさん面白いものを経験して、楽しくやっていければいいなと思ってます。

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