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2015/12/11

日比谷カタン『Post Position Proxy』

151211

先週土曜日のレコ発ライブで購入した日比谷カタンさんの新譜『Post Position Proxy』(以下PPP)の感想を書いてみます。感想っていうか、感想に名を借りた「自分語り」になりそうだけど。

PPPは日比谷カタンさんの2004年の『対話の可能性』、2007年の『ウスロヴノスチ』に続く3作目(『対話の可能性』新装版を入れると4作目)の(R盤とかじゃない)プレス盤アルバム。前作『ウスロヴノスチ』から8年ぶり、待ちわびた新譜です。ほんと、待ちわびてました。

PPPのジャケットデザインは前2作の黒っぽいダークな感じと比べて、白を基調にしたポップな感じがします。そういう方向性って『対話の可能性』新装版からになるのかな。

いわゆる「紙ジャケ」っていうのですか、紙製の、昔のLPとかのジャケットを小さくしたようなつくりのジャケットです。

歌詞カードがついてます。シンプルな、白紙に歌詞が印刷されただけの歌詞カードですが、活字が大きくて老眼進行中の身としてはありがたいです。ここらへん、デザインは凝ってても、可読性が低いものとか多いですしね。
日比谷カタンさん詞の世界も深いので、歌詞カード片手にじっくりと聴きこめるのがありがたいです。

PPPの前2作とは違う最大の特徴は、バンド編成でのアルバムってことです。前2作にもライブでの他のご出演者とのセッション曲が入っていたり、他のミュージシャンさんが加わっていたりといった曲も収められていましたが、全曲バンド編成でってのは初めてです。
以前初めて拝見した日比谷さんのバンド編成でのライブで、「今後はバンドとしてもやっていきたい、アルバムも作りたい」というような事をおっしゃっていた記憶もあるので、それがこうして形になったのだなぁと思います。

PPPの収録曲は

  1. ベビースキンの世界紀行
  2. サクラサクサクラ
  3. 体液が、クロノグラフ。
  4. 椛狩~赤の運命
  5. Stereoboy Versus Stereotype
  6. Post Position Proxy
  7. ヲとといヲいで
  8. 終末のひととき

の全8曲です。

各曲の感想など少し。

ベビースキンの世界紀行
口開けはポップなナンバー。といってもちょう毒入りですが。そしてそれが日比谷さんのスタイルでありますが。
日比谷さんのMCによると日比谷さんなりの「渋谷系」だったかなぁ。「渋谷系」はあまりよく知らないけど、ポップでオシャレな感じは伝わってきます。

サクラサクサクラ
日比谷さんがボイスチェンジャーで女の子の声になって歌う曲です。ライブで初めて聞いたときはびっくりでした。なかなかにギャルギャルしい曲です。ミュージシャンの追っかけをやってる女の子っていう設定の歌かと。
先日のレコ発ライブではボーカロイド化したというMCでしたが。このCDでも女の子の声というよりはボーカロイドぽくしてます。あの、ボーカロイドの、人の声にしてはちょっと不自然な部分まで再現してて、ほんと日比谷さんは凝り性だと思いました。

体液が、クロノグラフ。
この曲がこのアルバムに収められた曲の中でいちばん最初に聴いた曲になるかなぁ。
ブログを検索すると2007年の春でした。初めて秋葉原のCLUB GOODMANに行った時。
富裕層男女のタダレた情事な昼下がりって感じの曲です。
歌詞に出てくる「アショーマ」って、以前聞いた日比谷さんのMCによると、ブルガリのアショーマって腕時計のことだそうです。ググって調べてみたら、文字盤の両脇に、文字盤の保護のためもあるのかなぁ、レールがはまってる腕時計のシリーズみたい。

椛狩~赤の運命
これは日比谷さんのMCによると「さだまさしの新曲」というコンセプトの曲だそうです。
これもほんと、さだまさしの雰囲気コピーしてるかと。ま、さだまさしもよく知らないのだけど。ただ、あのころのフォークブームはリアルタイマーで、テレビやラジオから流れてくるのはもちろん、同級生がギター持って歌うのをよく聞いてました。そういう意味でも懐かしいです。
バンドバージョンはヴァイオリンも加わって、さらにさだまさしっぽさが増してます。

Stereoboy Versus Stereotype
これは熊坂出(いずる)さんの短編映画の劇中曲として作られたそうですが。ライブで初めて聴いたのはいつごろだったかなぁ。秋葉原の(GOODMANではない)ライブハウスだったかと思います。この曲用にギターを用意してらして。普段は練習用のギターだそうですが、サウンドホールがDの字型のマカフェリタイプ。それにエフェクターをつけて。エフェクターを使った日比谷さんの演奏を聴いたのはその時が初めてだったかなぁ。

その練習用のギターもまた表板が削れて穴が開くくらい弾きこまれていて、あの超絶テクニックはそのくらいの練習から生まれているのだと思いました。「表現の実現に技術の習得は不可欠」であると。そしてまた「あたしにはムリ」の世界だと思いましたわ。

血が熱くなるヒロイックな歌で、大好きです。力は足りないかもしれないけど、タチムカウって感じで、好きです。

出だし、ほんとに一瞬だけですが、ギターの響きが三上寛さんぽいって感じたのは、やっぱり私の音楽知識が貧しくて偏ってるのだなぁと。

Post Position Proxy
アルバムタイトル曲です。聴いたのは先日のレコ発ライブが初めてかな。

私が好きな、私の心に届く、ミュージシャンさんのほとんどは、なんていうのかな、うまく説明できないけど、どこか、「所在なさ」な雰囲気を感じさせるって共通項があるみたい。
この曲もどこかその「所在なさ」を切々と歌い上げ、そして慰めてくれる感じがします。

ヲとといヲいで
これはここんとこの定番ライブラスト曲になるのかなぁ。ラスト曲にふさわしい景気のいい曲調であります。
出だしとかお江戸っぽいなぁとライブで思っていたのですが、アルバム曲を聴くとジャッジャッジャッというリズムギターとか、リードギターの歩き方とか、なんかジャンゴ・ラインハルトぽいです。ジャンゴ・ラインハルトも日比谷さん繋がりでちょっと聞いてみたぐらいであまり知らないのですが。ジャンゴ・ラインハルトとお江戸の融合、かなぁ。

終末のひととき
これもライブでよく拝聴してる曲です。世界の終わり、終末のひととき、少女と出合った青年のおはなし。
アルバムVerでは、壊れた遊園地のオルガンみたいな音が入っていて、いい感じです。
日比谷さんが昔、この曲を演奏されるときにおっしゃっていたブランコのエピソード、私も経験ありますです。

*****

このアルバムでいっとう好きなのは、「Stereoboy Versus Stereotype」か「Post Position Proxy」です。どちらかはちょっと選べません。両方ともいっとう好きです。

…いや、だいぶ「自分語り」しちゃいました。勘違いしている部分も多々あるかと。
まっとうなレビューが書けるほど私は音楽的素養も文章力もないし。PPPのまっとうなレビューをそういう方に書いてほしいなぁと思ったりも。そして私もそれを読みたいと。

そして、拙文など参考にするより、そういった質のいいレビューとか、ネットで公式に上がってる日比谷さんのライブ映像とか、それをご覧になって、興味を持ったらライブに行ってみたり、CDを買ったり。そうすればいいと思います。そして、潜在的な日比谷さんのファンが日比谷さんに出会って日比谷さんのファンになって、日比谷さんのファンが増えたらとても嬉しいと思っています。

『Post Position Proxy』も大おススメ、皆様お買い上げくださいとBUFFメ平伏でありますよ。

そして次のアルバムはもうちょっと早く欲しいです…

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