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2014/11/29

深川で寺山ワールドを

昨日は深川江戸資料館小劇場で『NPO法人ふるさと文化情報交流会発足記念フォーラム 寺山修司ワールド』という公演を観てきました。
公演は二部構成。第一部が「舞台で演ずるパフォーマンス」として、新高けい子さんと山田勝仁さんの対談と、西舘好子さんのおはなし。
第二部が「舞台朗読劇『狼少年』」。これは寺山修司がラジオドラマとして書いたものだそうです。

深川江戸資料館は前に行ったことのある場所。地下に広がる江戸の町並みを再現したセットが面白かったです。「2・3日ぐらい住んで江戸時代の暮らしをしてみたい」なんて思いました。(私が行ってから大規模リニューアルがあったようなので、展示内容は変わってるかもしれませんが)

小劇場は階段を上って2階。固定座席でしたが、以前お伺いした時は折りたたみ椅子じゃなかったかしら?内装ももっと簡素だったと記憶しています。

司会の方のご挨拶があって、最初が新高けい子さんと山田勝仁さんの対談でした。
山田勝仁さんは『寺山修司に愛された女優 演劇実験室◎天井棧敷の名華・新高けい子伝』をお書きになった方であり、今回のトークショーにぴったりの方です。

おふたりのご登場。

(以下、私のおぼろげな記憶を基に書きますので、記憶違いがあったらごめんなさい。そして、以下の文章を御出演の方の公式な発言とは理解しないでください。よろしくお願いします。)

私は天井棧敷のお芝居は見てないのですが、寺山修司の映画の中での新高けい子さんは拝見しています。『書を捨てよ町へ出よう』とか『田園に死す』とか。
とても素敵でおきれいでチャーミングで。あたし的には三次元では新高さんが「姫カットの女王」と思ってます。最高に姫カットが似合う方であったと。ハート鷲づかみにされましたわ。

今回の新高けい子さんもとてもチャーミングでした。
そして今回気がついたのですが、新高さんのお声、とてもいいものです。チャーミングで、かわいらしくって、そしてどこか心安らぐものがある、いいお声です。

今回のお話によると、寺山修司が亡くなり天井棧敷が解散してから、他の劇団がかける寺山芝居はご覧になっていないそうです。

そして、お好きな言葉として「念ずれば現ず」を挙げていらっしゃいました。
私の人生もそういう境地に達せればよいのですが。そういうのが足りないから低迷してるんだろうな……。

山田勝仁さんがお書きになった新高けい子さんの評伝には「寺山修司に愛された女優~」とあるけど、寺山修司は劇団員みんなを愛していたと、私は「寺山修司に信頼されていた女優であった」と。開演直前の長台詞の変更や、アドリブでやってくれと頼まれた時のエピソードを交えて。

最後は寺山啖呵の朗読など、最後は歌うように。
羽織られていた鶴の絵が描かれた赤い長襦袢は天井棧敷当時のものかしら?
『書を捨てよ~』や『田園に~』に使われたものかなぁ。

次のトークショーは西舘好子さんがゲスト。司会の方と。
「NPO法人 日本子守唄協会理事長」としてのご出演でしたが、おはなしの途中に「井上…」と出てきて、あれっと思って、手元の出演者紹介の紙を見て、あれれと思って。
故・井上ひさしの元奥方でいらした方。演劇ファンなら常識レベルの知識のような気もしますが。つかあたしの演劇一般に関する知識ってその程度なのよ。こうやって偉そうにお芝居の感想とか書いてるけど……。

私が寺山修司に出会ったのは、高校時代、演劇部の部室にあった角川文庫版の寺山修司の戯曲集がきっかけでしたが。井上ひさし戯曲の公演台本もありました。もう題名も忘れたのだけど、浅草の伝説の浮浪者?を扱ったお芝居でした。
ほんとほとんど憶えてないのだけど、高村光太郎の『米久の晩餐』をお芝居の1シーンに仕立てたくだりをかすかに憶えてます。場面は牛鍋屋の店内にして、そこに集うお客さんがその詩を唱和する、そんなシーンだったかなぁ。(もちろんそのお芝居は拝見していないので、実際どうだったかはぜんぜん知らないのですが)

西舘好子さんのおはなしも面白かったです。
ちょっとはっとするご指摘がありました。

子守唄には残酷な歌詞が多いけれど、しかし人々は優しかったと。(これって、例えば、残酷なゲームとかで人は残酷になるという今時の主張の反論にできないかしら?)
それから、東北の方の、気候が厳しい地方の子守唄は、脅すような歌詞が多いけど、南方に行くとそういう歌詞は少なくなると(ここらへんもっとウロ憶えだけど、とても興味深いご指摘に感じました)。

東北地方に「山から『もっこ』が来る」って一節のある子守唄がありますが、その『もっこ』は「蒙古」のことだそうです。ああそうか、元寇、蒙古軍の来襲って、東北地方でも恐怖の対象だったのかと。
あたしは「もっこ」と聞くと、「もっこ褌」しか思い浮かばなかったので、なんなんだろ?とずっと思っていましたが。

ほんと、面白かったです。

そして休憩を挟んで『津軽三味線による叙事詩(放送詩劇) 寺山修司原作『狼少年』。
これは先に書いたように寺山修司のラジオドラマが元になってます。それを舞台で朗読劇でというかたち。

東北訛り(?)の老婆の語りに乗せて、狼に育てられた捨て子の少年、貧しい村のひとびと、隠亡たち、彼が愛する少女、そして彼を捨てた母。その織り成す物語は、まさに寺山ワールド。

津軽三味線と尺八の生演奏が入っていました。津軽三味線、いいものです。
それから、演劇実験室◎万有引力さんから村田弘美さんともうお一方のご出演があったそうです。村田弘美さんは少女役。チャーミングでありました。

寺山修司のラジオドラマの世界も聞かなきゃなと。CD化されたのもあるそうですが、なかなかそこまで手が回らず…。

という方向で一夕、楽しみました。
終演後のサイン会で『新高けい子伝』に新高けい子さんからサインを頂きました。
とても嬉しいです。そういう時が来るなんて思いもしなかったです。

また新高けい子さんのトークショーも拝見したいです、あのお声が聞きたいです。

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