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2014/10/02

沙村広明・森馨展覧会「ティルガング―Der Tilgung―」

銀座のヴァニラ画廊さんで漫画家&イラストレーター・沙村広明さんと人形作家・森馨さんの二人展、「ティルガング―Der Tilgung―」を見てきました。

沙村広明さん@ヴァニラ画廊は以前にも『人でなしの恋』原画展とか拝見しています、沙村広明&森馨二人展も『蹂躙史エピトマイザ』展を見に行ってます。
沙村広明さんは代表作の『無限の住人』は未読で、最初に買った沙村広明作品はイラスト集『人でなしの恋』で、漫画作品は『ブラッドハーレーの馬車』『ハルシオン・ランチ』『シスタージェネレーター』を読んだくらい、全然なライトファンです。ただほんと、沙村広明さんの描くおにゃのこの風情が私的にえらく琴線に触れます。そして嗜虐の世界もある程度はね…。
森馨さんのヲ人形さんたちも人形展でなんどか拝見しています。ただ近年人形展もあまり行かなくなってしまって。森馨さんにはいちどお名刺を頂いて居りますのに…。

そいう感じです。

かすかに薬品臭のするヴァニラ画廊。陳列されたおふたりの作品たち。
『蹂躙史エピトマイザ』展と同じく物語的なバックボーンを持った作品たちのようです。

『蹂躙史エピトマイザ』は産門が下腹部にある(人間と同じ場所にも人間と同じ性器がついています)少女の姿をした生物が住む星、人類がそこを侵略し蹂躙する、その歴史の断片を描いたような作品でした。

“Tilgung”とはネットで調べると「償却」「償還」「完済」「弁済」とかいう意味だそうでありますが。

ある王国が革命によって崩壊し、革命勢力はその狂熱のまま後宮へなだれ込み、蹂躙の限りを尽くす。そこに居たふたりの幼い姫の見たものは…、という趣向のようであります。

かくして、根絶は始まった――。
弑される者・晒される者・赦される者……熱病のごとく拡散する煉獄の畔で、誰かが少女に告げた。
「目を背けてはならないよ……たとえ彼処で鞭打たれているのが、お前の母親だとしてもね」
(上掲本展紹介ページより)

酸鼻を極める情景が沙村広明の手により描かれています。
沙村広明の責め絵、無残絵の世界。
ふたりの姫の地獄巡り。彼女たち自体は嗜虐の生贄にはされないのですが。

ふたりの幼い姫。ブロンドとブルネットのふたり。前髪を編んで垂らした独特の髪型が印象的です。

しかしまぁ見る者を選ぶ展覧会かと。目を背ける人も多いのではと。
つかふつう目を背けるだろうけど…。

何度も何度も同じことを書いていますが。人はその心に必ずしも「ただしい」衝動のみを抱くものではないもの。ダークな衝動も抱くもの(そういうのを全然持ってない人間はいないかと)。そしてその決して「現実」に出してはいけない、ダークな衝動を発散させる場を提供することが「創作物」の役割のひとつと思ってます。「サンドボックス」としてね。

これも何度も書きますが。こういった世界を私が好むのも、沙村広明さん(と他の少数の方)の描くものであるからこそ。例えば「現実」のこういったものを私は見たくありません。ホラーやスプラッタ系もかなり苦手なんですが。つか自分の指切って血がどくどく流れるのを見ただけで失神したこともあるくらい苦手なんですが…。
ただ逆にそれなのにどうしてこういうのを見たがるか自分で自分が解らないけど。

森馨さんのヲ人形、『エピトマイザ』の時にもあった、下あごのない動物の頭蓋骨を縦にして、下腹が上あごになってる作品が印象的でした。

ヴァニラ画廊さんは2つの展示室があるのですが。もうひとつの展示室のほうは清水真理さん、林美登利さん、泥方陽菜さん、お三方の人形展『Elegeia(エレゲイア)』をやっていました。ヲ人形さんも好きなので、好きなものふたつ。ラッキーです。

清水真理さんはファンです。今回は「死と乙女」という半ば骨と化した少女の人形が印象的。解剖物や中を作りこんだ作風が印象的でした。
林美登利の動物の頭蓋骨を頭にしたヲ人形や緑に侵食されたヲ人形、泥方陽菜さんの作品かしら?こちらを上目遣いに睨んでくるようなヲ人形がふと表情が変わった心地がして。それもまた人形展の醍醐味です。

という方向で、短い滞在でしたが展覧会、楽しみました。

『蹂躙史エピトマイザ』展ではパンフレットがありましたが、今回の『ティルガング―Der Tilgung―』ではパンフレットは間に合わなくて、後日出るそうです。
こんどヴァニラ画廊を訪れた時に求めようと思います。

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