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2014/08/04

昭和さん@あしたのジョー展

昨日は中村橋の練馬区立美術館へ。
同館で開催されている『あしたのジョー、の時代展』の関連企画として昭和精吾さんの
「力石徹への弔辞」のパフォーマンスがあるということなので、それを拝見しに。

中村橋は、四半世紀以上前だけど、上京して最初にバイトした倉庫があった場所。
懐かしいです。ただもうだいぶ変わってて、私も忘れてて、思い出す場所は少しだけでした。美術館もそのころまだなかったみたい。

ま、まっすぐに美術館へ。線路沿いにちょっと歩いたくらいの場所。

1階(階段を上った所に入り口があるので、正確には1階ではないんでしょうが)のロビーにお葬式の白木の祭壇がしつらえられていました。そこが会場なのでしょう。30分ぐらい前の到着でしたが、そこそこ人は集まっていました。
展示をちょっと見てからと思ったのですが、その場で開演を待つことにしました。

「力石徹への弔辞」。『あしたのジョー』のジョーのライバル、力石徹。彼の死を受けて漫画キャラである力石徹の葬儀が執り行われたのですが。葬儀をやったのが寺山修司率いる演劇実験室◎天井棧敷。そしてその葬儀で弔辞をお読みになったのが昭和精吾さんなのです。

「力石徹告別式」というパフォーマンス。1970年3月24日のことだったそうです。

私 のつたない寺山修司関連の知識によると、この葬儀は寺山修司の直接の発案ではありません。元天井棧敷団員で、当時は東京キッドブラザーズ主宰の東由多加が 寺山に話を持っていったそうです。そして改めて『あしたのジョー』を読んだ寺山修司は、その話に乗り、天井棧敷の団員たちの手により力石徹の葬儀を執り 行ったと。
また、今回のお話によると、力石徹の死に際して、弔電が送られたりしたそうです。それもこの「力石徹の葬儀」というパフォーマンスのヒントになったのかもしれません。(以上、間違ってたらごめんなさい)

この「虚構」の登場人物を「現実」の人物のように扱い、そのお葬式を出すという行為。「虚構」と「現実」のあわいの紊乱者、寺山修司らしいと思います。
そして今の時代、アニメやマンガやゲームのキャラをまるで現実の人物のように「俺の嫁」とか呼んで愛で、誕生日を盛大にお祝いするような行為にまでそれは通底していると思ってます。

もちろんもっと調べれば、そういう「虚構」の人物を「現実」の人間のように扱う行為はそれ以前にもあったかもしれません。
いや、何よりも、ほとんどすべての民族や国家や宗教はその創成期には神話や伝説といった「虚構」、現実的にはありえないようなエピソードを持ってますし。それはその中の人にとっては「虚構」ではなくて「現実」、「ほんとに起こったこと」でありましょうし。

人はその根本においては「虚構」を生きている生物なのかもしれません。「虚構」と「現実」があるのではなく「虚構と信じられている虚構」と「現実と信じられている虚構」があるのかもしれません。

いや、閑話休題。

昭和精吾事務所の公演として、昭和精吾さんのほかにこもだまりさん、イッキさん、そしてお名前を失念してしまったのですが(ごめんなさい)、ギターの方の4人での公演でした。

「力石徹への弔辞」の再演と、あとちょっと昭和さんのそのころの思い出話くらいかなと思っていましたが、それだけじゃなくて、昭和さんのほかの寺山詩の朗読(暗誦)もあり、こもだまりさんやイッキさんの暗誦もあり、昭和精吾事務所のちょっとした小公演でありました。50分弱ぐらいだったかな。

弔辞を書きつけた紙は当時のものだったかなぁ。弔辞を包んだ紙はそのように見受けられましたが。

それから『あしたのジョー、の時代展』を見ました。1階と2階の2フロア構成だったのですが。
1階のほうは『あしたのジョー』の生原稿など、『あしたのジョー』の“直接の”展示。
丹下拳闘クラブのディオラマがありましたが、あとから分かったけど、作者は山田卓司さん。昔愛読してた模型雑誌で活躍されていた方で懐かしいです。

そして、「、の時代」のほう。『あしたのジョー』の連載は1967年末から1973年にかけてだそうですが、その時代の紹介展示がありました。若者風俗、そしてアングラカルチャー、アングラアート。映像とかもありました。篠原有司男の巨大なオートバイのオブジェ。
それから三上寛さんにもちょっと触れていました。そいや『夢は夜ひらく』に「あしたのジョーにもなれないで~」という一節がありました。そしてもちろん演劇実験室◎天井棧敷関連も。

そして現代の『あしたのジョー』にインスピレーションを受けた作品も。『ぴあ』の表紙で有名な及川正通さんの作品が…わはは。

いや、正直に告白すれば私、『あしたのジョー』はきちんと通読していません。アニメ(つかテレビマンガ)版の『あしたのジョー』は見ていた記憶がありますが。ほとんど憶えてはいません。ま、その程度の知識なのですが。

きちんと通読して、またこの展覧会を見たらもっと楽しめるかなぁと思うのだけど。

昭和さんの久しぶりの公演、そしてこの展覧会、楽しかったです。
昭和さんの公演もまたたくさん見たいものであります。

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