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2014/07/16

ガールズ&パンツァーOVA

OVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』の劇場公開を観てきました。
『ガールズ&パンツァー』、ロートルの元ミリタリーマニアとして、正直言って初見時は最初はちょっとあの世界観に頭を抱えました。女子高生が二次戦型の戦車で戦う「戦車道」というのがあるのも、あんなあちこち引っ掛けたりめくれたりしけそうな格好で戦車に搭乗するのも、現実的にはありえないほど巨大な「学園艦」という設定も。…それらをなんとか受け入れても、あの、砲弾がびゅんびゅん飛び交う中、ハッチから身を乗り出して平気なのになんとも違和感を感じたのですが。ま、しばらく見ていたら、頭のネジがいい塩梅に何本か飛んでくれたらしく、楽しく見られるようになりました。
そして自分が内心ミリタリーに求めていた、(死と隣り合わせの、)血腥ささ、悲惨さ、悲壮さを逆照射してくれたと思ってます。こういうからっとしたミリタリーの世界もありなんだって。

『ガールズ&パンツァー』は、なんていうのかな「幸せな」作品だなぁって思います。ヒットしたのはもちろんですが、「聖地」の大洗の町おこしにも役立ち、町の人たちにも愛されて。どうしてそこまで愛されるようになったかはあまり解らないのですが。同じような「アニメで町おこし」の取り組みもたくさんなされているようですが、ここまで盛り上がっているのはほんと奇跡的じゃないかと思ってます。

もちろん大洗というロケーション、首都圏から日帰りでもいけるギリギリの距離、泊まればもっと楽しめる、小旅行気分が味わえる、そういうぴったりの場所が「聖地」だったせいもあると思うのですが。
しかし大洗の町の人たちも、普通のドラマじゃない、部外者にどれだけ解ってもらえるのかなぁって、高度なオタクリテラシーが必要そうなこのアニメに付き合ってくれて。

ほんと、ガルパンってたくさんの人に愛されている、幸せなアニメだなぁって。

ガルパンの本放送当時、制作スケジュールがかなりタイトだったようで、1クールアニメだったのに2回も総集編が入るという事になりました。(アニメの製作現場はかなりたいへんで、一概に責められる事ではないとも理解しています)
しかし、そのおかげか、2話総集編が入ったせいかオミットされてしまったアンツィオ高校戦が、こういうかたちでパワーアップしてOVAとしてリリースされることになった。それもほんとうにガルパンが稀有な愛された、幸せな作品だったからじゃないかなぁと。

私は残念だけど、好きなアニメのソフトやグッズを揃えたりは色々ちょっと無理です。大洗もミリタリーの師匠の土産話など聞くととても行ってみたいのですがちょいと無理。
OVAもソフトを買うのはちょっと無理なので、この映画館上映に行ってみたという次第です。

ま、もうアンツィオ高校戦は大洗女子学園の勝利という事になってます。なので勝負の趨勢にはらはらというより、お話の流れを楽しむって感じになるかな。そのぶんまったり楽しめるということを活かした、いい演出になってると思いました。

アンツィオ高校はイタリア軍戦車を使うチーム。だから初期仕様の大洗チーム相手でも弱いかなって戦力。そのぶん他の学園との戦いとも違って、形勢逆転的な爽快さも特にはないのですが。
CV33という大砲を積んでない機関銃だけの豆戦車がいちばん多くて、あと対戦車戦闘には向いてないと思われる短砲身75ミリ砲搭載のセモベンテ突撃砲(これはタミヤのプラモ作ったことあります)、そして部員たちがみんなでこつこつ貯金してやっと手に入れた目玉がP40重戦車。T34に似た避弾経始を取り入れたかっちょいいデザインです。しかし重戦車といいながら主砲は75ミリだそうですけど…。

策を弄するアンツィオ高校、しかしドジ踏んで見破られ。奮戦むなしく敗退するアンツィオ高校。
ま、それはいいのだわ。リアリティとは違うだろうけど、コミカルな戦車同士のおっかけっこがとても楽しかったです。アニメならでは、そしてこの『ガールズ&パンツァー』時空ならではと。

そして何よりもアンツィオ高校の面々のヴァイタリティーと人生を愉しむ様子が印象的でした。学園では食べ物屋さんの露店で資金稼ぎ、試合のあとは大洗の皆さんも交えて野外で大宴会。そういう陽気な様子。とてもいいなぁって思いました。
恋愛要素のないアニメだけど、あったとしたら恋愛も情熱的なんでしょうね、アンツィオ高校の生徒さんは。

恋人や嫁にするならアンツィオの女の子かも、です。ご飯もおいしそうですしね。(笑)

のちに大洗チームに加わる戦車やそれに搭乗する女の子たちがちらちらと出てくるのもよかったです。後出しの伏線、ですな。

尺は38分と、映画館で見る作品としてはかなり短かったですが。この劇場公開自体特別なものですし、あまり負担なく見られる尺でありますし。逆にこのくらいの尺の劇場公開作品ってのももっとあっていいんじゃないかとも思いました。

という方向で『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』を楽しんできました。
最後の予告編によると劇場公開版も製作中だそうであります。

『ガールズ&パンツァー』の世界観で色々サイドストーリーも作れると思うので、そういうのがあるといいなぁとも思ってます。

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