スヌーピー展
昨日は六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで『スヌーピー展-しあわせは、きみをもっと知ること。』を見てきました。
スヌーピーやチャーリー・ブラウンたちの出てくるコミック『ピーナツ』、そしてその作者であるチャールズ・M・シュルツ氏に関しての展覧会です。
『ピーナツ』は80年代初めあたりまで読んでました。いちばん読んでたのは70年代後半くらいかなぁ。
メインは鶴書房版、あとの角川書店版で少し、ぐらい。
グッズはほとんど持ってないけど。
まぁそんなスタンスで、昔の思い出といろいろリンクする、思い出深いものであります。
スヌーピーは。
ま、六本木はちょうアウェー、六本木ヒルズなんてアウェーオブアウェー。しかし階段にどんぐりが落ちてたりして少しほっこリしましたけど。
しかし、ま、ほんとなんつーか、「アート」なんですかね、途中階からビル本体に入るシステムも。
んで、52階の会場着。なお、ギャラリー内はトイレが無いそうなので、事前に済ませて。
展示品は「ピーナツ」のコミックスがメイン。真筆の原画がどの程度かは分からないのですが。
それからシュルツ氏ご遺愛の品々とかグッズ類とか。『ピーナツ』以外の作品も。
もう本当に大量に展示されていました。
入場は日曜のお昼前ぐらいでした。ちょっと混んでたけど、身動きが取れない、まともに展示品を見られないほどじゃなかったのでよかったです。
コミックスはポイントが分かりやすいキャプションをつけられて展示されていました。手際のいい感じ。
原画はかなりでかいサイズ。このくらいのサイズになるんですね。日本の新聞漫画と比べてどうなのかなぁ。
いろんな観点で。絵のタッチの変遷とか、新キャラクターの登場とか、定番エピソードの誕生とか、語り口の変化とか。
そいや、日本にハロウィンが広く紹介される前、『ピーナツ』から得た知識で「ハロウィンは(サンタクロースみたいに)カボチャ大王がやってくると信じられている日」って英語の授業でドヤ顔で発言して大恥かいたのも思い出です。
そそ、いろいろ思い出して懐かしい気分になったり、新しい発見があったり。
チャーリー・ブラウンが片想いする赤毛の女の子のモデルとか、いく人かのキャラ名のルーツはシュルツが教育を受け、あとから講師になったアートスクールの同僚にあったとか。『ピーナツ』以前の漫画作品、1コマ漫画の仕事とか。そして、『ピーナツ』と並行して構想していた他の作品のプロトタイプとか。
シュルツ氏はほとんど『ピーナツ』だけのワンアンドオンリーの方でしたが、そういうほかの作品を発表したらどうなっていたのかなぁなんて考えたり。
『ピーナツ』で大人の出てくるシーンはないと思っていたのですが。大人とのやり取りも、大人の姿も台詞もなく、子供キャラたちの返答が描かれるだけでお話は進んでいたと思っていたのですが。大人の台詞(姿はありませんが)の出てくるエピソード、大人の姿が描かれた(首から上は見切れてますが)エピソードもあったようです。
音声ガイドによるとチャーリー・ブラウンの野球チームが勝つエピソードもあったそうですが。年代的には私はもう読まなくなってた頃みたい。
スヌーピーが第1次世界大戦のパイロットに扮するシリーズの誕生についてのお話も面白かったです。
ルーシーの精神分析ブース、最初は5セントだったけど、あとから値上がりしたんだっけ?最後はいくらになってたのかなぁ。
いやほんと、思い出したり新しい発見があったり。そして何よりも、自分がだいぶ『ピーナツ』の影響を受けてるんだなぁと改めて気がついたりもしました。
シュルツ氏のドキュメンタリーの一部も、短い映像でしたが、とてもよい感じでした。そうか、ああいう風に描かれていたのかと。
シュルツ氏の執筆場所だったスタジオの再現もありました。日本の赤べこ人形も片隅の置かれていましたが、それを解説文でことさらに書かず、見る人の気づくままに任せていたのがいいセンスだったなぁと。そしてそのいいセンスは展示全体に及んでいたと思います。
あ、あと、リンカーン像があったけど、お好きだったのかしら?たしかリンカーン像の描かれるエピソードもあったと記憶していますが。
展示を眺めていき、その最後にあの読者に『ピーナツ』終了を告げる一本。これは解説に小さく載っているだけでしたが。ちょっと悲しいので、それでよかったのかなぁと。シュルツ氏の訃報を知ったとき、それを何度も何度も見返していましたが。
ほんとうに、あとちょっとで連載50年というときの『ピーナツ』終了のお知らせとシュルツ氏の訃報でありましたな…。
そして最後グッズ類の展示。海外版の単行本も。できたらツルコミックス版、角川書店版の単行本全点展示とかやってほしかったけど。だいたいが向こうから持ってきたものだから、それまでは手配できなかったんだろうなと。
それから今回のスポンサーであるらしい、メットライフ アリコ社と『ピーナツ』のかかわりの紹介コーナーなど。
そして会場を出て物販コーナーへ。物販コーナー入り口でチケットをチェックされるので、物販のみの入場はできないようです。
キャラクターグッズばかりではなく、書籍類が置いてあったのがうれしいです。残念だけど、『ピーナツ』の単行本は書店でめったに見かけなくなってしまいましたが。ここでは少しだけど置いてあって、とても嬉しかったです。
ほんらいなら全作品が書店等で気軽に手に入るようになっていてくれるととても嬉しいのですが。ま、それは無理なのでしょう。
スヌーピーたちのキャラクター物としては一般的じゃない、初期の絵柄のTシャツとかフィギュアなんかのグッズ類があって、ちょっと欲しかったですが…。とりあえず図録だけ購入しました。
図録に収められた谷川俊太郎の『小さなアメリカ』という詩、寺山修司ファンとしては寺山の『マルのピアノにのせて時速100キロで大声で読まれるべき 65行のアメリカ』という詩をなんとなく思い出したりして。
そ、『ピーナツ』こそがあのころの私にとっての「アメリカ」だったのだわ。
あと、ルートビアとチョコレートチップクッキーが置いてあって嬉しかったので購入。
ルートビアは『ピーナツ』でその存在を知って、とても飲みたかったけど、もちろんあの頃の地方都市では手に入るわけもなく。ルートビアを置いてあるお店が出来たと知って両親にせがんで連れて行ってもらったことがあります。そして、あの、ちょう薬臭い味にびっくり(笑)。そして今はけっこう好きな味ですけど。もちろんめったに売ってませんし、買いませんけど。
チョコレートチップクッキーも『ピーナツ』で憧れて。よくチョコレートチップクッキーを買うのもそれからかなぁ。あまりそういう高カロリーものを食べちゃいけない歳と体ですが(苦笑)
まぁほんと自分には『ピーナツ』の影響がたくさんあったなぁ、あるなぁと改めて気がつきましたよ。
トータルで3時間ぐらい、帰りには足が棒になりましたが、とても楽しい展覧会でした。
出来たらもう1度、もっと空いてるときにゆっくり見られたらと思うのですが。
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