« J・A・シーザーコンサート『カム・ダウン・モーゼ』 | トップページ | スヌーピー展 »

2013/10/29

青葉市子『0』

131029

青葉市子さんの新譜、『0』が届きました。まだちょっと聴いたくらいですが、極私的な感想など。

私が初めて青葉市子さんのおうたを聴いたのは2009年の12月、いっとう好きなミュージシャンさん、日比谷カタンさんの企画ライブででした。初見の印象はその時の自分のブログを引用すれば、
「静けさを感じさせる演奏、ちょっと日比谷さんっぽい部分もあり。
最初の方は森田童子っぽい感じもしましたが、演奏が進むにつれてじわじわと可愛い感じがしてきました。暖かみもあります。
ファーストアルバムが来月出るそうで、そのタイトルが「剃刀乙女」だそうですが、まさにそんな感じ。」
でした。

その次に青葉市子さんのライブを拝見したのは翌年の2010年の9月、その時も日比谷カタンさんの共演としてでした。いいなと思って会場で手売りされていた1stアルバム『剃刀乙女』を購入しました。んで、ファンになって。2011年1月に出た『檻髪』、その翌年1月に出た『うたびこ』とCDを買っていました。

青葉市子さんのライブ自体はあまり行けていません、数回くらい。最後に行ったのがおととし11月の西荻窪・サンジャックさんでのライブでした。まぁこれは収入が激減しているという部分もあるのですが。でも、青葉市子さんの音源は愛用のWALKMANに入れて、ちょうヘビーローテで聴いてます。

青葉市子さんの世界、ひとことで言えば「癒し系」になるのかしら?ただ、癒し系といってしまうと取りこぼすものが多いし、だいたい「癒し系」なる言葉が安直に使われすぎているような気もします。
私は、なんていうのかな、その癒されるうたたちの背後に「いたみ」を感じるからこそ、青葉市子さんの歌に惹かれるのだと思います。

また自分のブログから1stアルバム『剃刀乙女』を初めて聴いた時の感想を引きますが。
「ぽろぽろと爪弾かれる、静けさを感じさせるギター、優しくて儚げな歌声、しかしそれに浸っていると時折ちくりと棘が刺さる。“いたみ”を感じる。そういうような楽曲たち。だから『剃刀乙女』なんでしょう。
“いたみ”。それはふと現れる悪意だったり、どこかすれ違ってしまうさみしさだったり、想い出だったり、孤独だったり、あやまちだったり。
自傷のあとにふと訪れる、静かで安らかな時…。」
そ、その感想をずっと持っていて、それに惹かれるからこそ、ヘビーローテで聴いてます。

わたしにとっては「おくすり」みたいなおうたたち。

1stアルバム『剃刀乙女』から3rd『うたびこ』まで、1月に新譜は出ていたので、今年も新譜は1月かなぁと思ってました。だから昨年末あたりからサイトをチェックしたりしてたのですが。しかし、まったく新譜情報は出ず。「今年は出ないのかなぁ」とちょっとさみしい思いをしていましたが。

しかし気がついてみると今年はCD-R音源『Week Elements of ● "tue.ima"』、細野晴臣、坂本龍一、小山田圭吾、U-zhaanといった大御所ミュージシャンさんたちとの共演アルバム『ラヂヲ』、そして本作と、都合3つも新譜あってホクホクです。今年の頭はがっかりしていたのですが…、ほんと人生って面白いものです。

本作で青葉市子さんはビクターからメジャーデビューとか。

青葉市子さんが大御所ミュージシャンさんと共演したり、テレビから流れるような歌もお歌いになってるという話は聞いていましたし、聴いたりしてましたので、「そろそろメジャーデビューされるのかなぁと」思っていましたが。嬉しいことです。

そそ、坂本龍一との活動という事で、大貫妙子を思い出します。大貫妙子は少しお相伴して聴いた程度で、CDを数枚持っているぐらいなのですが。確か大貫妙子は坂本龍一と組んだ仕事もされていたという記憶もあって。
青葉市子さんのライブで、大貫妙子がお好きというMCも伺っていて、だから、『ラヂヲ』を手にして、大貫妙子みたいなルートをお進みなのかなぁと思いました。これはちょっと遅めの『ラヂオ』の感想(の、追記)。

さて、『0』の感想ですが。

青葉市子さんのインディーズ時代のアルバムジャケットは単色に最低限の文字だけ小さく入っているというデザインです。1st『剃刀乙女』はやや生成りがかった白、2nd『檻髪』は淡い朱色、そして3rd『うたびこ』は淡い緑色。
メジャーデビューで変わるのかなぁ、もっと目立つようなデザインになるのかなぁと思っていましたが。『0』もそれを踏襲して、淡い桜色のジャケットでした。ジャケットもポピュラーなプラじゃなくて、1stからつづく、全体が紙でできていて、CDをはめ込むところがプラになってるタイプ。だから、インディーズ時代から変わったという印象はありません。
(お値段も変わらずお安いのがありがたいです)

歌詞等の収められた小さな手書きのパンフレットがついてました。霞みはじめた私の目にはちょっと細かくてきついですが(笑)。

収録曲は

  1. いきのこり●ぼくら
  2. i am POD(0%)
  3. Mars2027
  4. いりぐちでぐち
  5. うたのけはい
  6. 機械仕掛乃宇宙
  7. 四月の支度
  8. はるなつあきふゆ

の全8曲。
「機械仕掛乃宇宙」「はるなつあきふゆ」は山田庵巳さんのカヴァー。「Mars2027」は先に出た青葉市子と妖精たちの『ラヂヲ』にも収録されていますが、もちろんこちらはソロヴァージョン。

今いっとう好きな曲は最初の「いきのこり●ぼくら」です。

田園の朝のような穏やかな導入部、軽快でやさしげなイントロ、やさしく、かわいらしい歌声、しかし歌詞は…。
何が起きたのかは具体的には語られませんが、大きな災厄を命からがら逃げ延びてやっとひと息つけた、というような歌詞です。凄惨なシーンもさらっとかわいらしく歌い上げて。

そいや、青葉市子さんの1stアルバム『剃刀乙女』1曲目の「不和リン」も優しげな歌声に身を任せたとたん、ぐさりとやられたなぁと思い出しました。そして私はそれが好きです。それで惹かれてるのかもしれない。メジャーデビューしてもスタンスは変わらないっぽいのがいいなぁと。

「いきのこり●ぼくら」を使った映画が見たいなぁ。ゾンビ映画のエンディングなんかによさそうだし、オープニングに使うような世界観の映画もいいなぁ。そう思いました。

ちなみに「いきのこり●ぼくら」は『0』特設サイト(http://www.ichikoaoba.info/0/)でPVが公開されてます。

「Mars2027」と「いりぐちでぐち」は環境音が入ってました。パンフレットによると「いりぐちでぐち」の音は国東半島旧第六トンネルのようです。九州の国東半島、石仏で有名というぐらいしか知識がないのですが。小さいころ、その石仏展に行ったことがあります。

甲高い鳴き声はコウモリかなぁ。一般的な音源でこういう手法がとられてるのはどのくらいあるのかはわかりませんが、URiTAさんの自家製アルバムみたい、日比谷カタンさんの10周年記念アルバムみたいと思いました。(こう書いてもわかってもらえる人、ほとんどいないんだろうな…。まぁ極私的感想だし。)

6曲目の「機械仕掛乃宇宙」と「はるなつあきふゆ」は山田庵巳さんのカヴァー。山田庵巳さんは日比谷カタンさんの共演で数回ライブを拝見しています。よく見に行ってた方という青葉市子さんのMCも記憶にあります。山田庵巳さんは8弦のアコースティックギターという、ちょっと不思議な楽器をお使いの、ちょっと不思議な空気をまとった方。
「はるなつあきふゆ」はよく憶えてないけど、「機械仕掛乃宇宙」は山田庵巳さん、青葉市子さん、両方とも聴いた記憶があります。

世の中からはぶられた男、彼の作った機械仕掛けの宇宙、その宝物をわかち合おうとした少女は姿を消してしまい…、という曲。

この曲を聴いて気がついたけど、私って、どこか、「所在なさ」を描いている方が好きなんだなぁと。私の好きなミュージシャンさんたちを指折り数えてみると。

まぁ、という、方向で。青葉市子さんの新譜、嬉しかったです。またしばらくヘビーローテで聴くことになるでしょう。

メジャーデビューという事で、置いてあるレコード屋さんも増えるのかしら?だといいなぁと思います。
青葉市子さんのおうたたちを潜在的に必要とする方、できるだけみんなに青葉市子さんの楽曲に出会ってほしいと思ってます。私は幸運にも出会えたけど。

ネット上にオフィシャルなライブ動画もあるようですし、できるだけたくさんの人たちがそういうのを見てみて、それをよいと思ったできるだけたくさんの人が、CDを買ったり、DL販売の音源を購入したり、ライブに行ってくれたらなぁと思います。

そう願っております、よ。

あと、ライブで聴いた「イソフラ区ボンソワール物語」とか、『世界の車窓から』の挿入歌とか、ユニクロのCMソングとか、トリスハニーのWeb広告のBGMとか、『デザインあ』の「てざわりうた」とか、そういったおうたたちもCD化してほしいなぁと。

という方向で全身全霊で青葉市子さんをおススメしますです。

|

« J・A・シーザーコンサート『カム・ダウン・モーゼ』 | トップページ | スヌーピー展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« J・A・シーザーコンサート『カム・ダウン・モーゼ』 | トップページ | スヌーピー展 »