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2013/09/25

寺山修司展『ノック』

先週の土曜日はワタリウム美術館で「寺山修司展『ノック』」を見てきました。
『ノック』、寺山修司主催の演劇実験室◎天井棧敷の行った市街劇の演目でもありますな。
私は数年前、映像作家の かわなかのぶひろ先生の映像作品上映会『映像の地下水脈』でかわなか先生の映像作品『市街劇ノック』を拝見しています。かわなか先生たちがモノクロビデオ(ビデオのはしりだったころだそうです)で撮影された『ノック』の映像と、その場所の現在の映像をつないだ作品でした。

ワタリウム美術館は地下鉄の外苑前駅から数分歩いたところにある場所。初めてでした。
なんかオシャレなお店が立ち並ぶ、なんつーか、「港区スタイル」な、あたくし的にはちょうアウェーな感じがする場所にありました。小体なビルの美術館でした。
地下1階、地上4階というフロア構成。1階は受付とミュージアムショップ、2~4階が展示スペース、地下がカフェになっているようでした。

入場料を支払い、チケット購入。どうやらこのチケットは会期制らしく、この寺山修司展の期間中は何度でも再入場できるようです。

展示は2~4階、エレベーターに乗って4階からスタートして、下へ降りてゆく順路のようです。

4階の展示は「第1章 青森~三沢時代」「第2章 東京へ」「第3章 あゝ荒野」として、寺山修司の青森時代、そして上京、そしてデビューして、それから初の(そしてたしか唯一の)長編小説『あゝ荒野』あたりまで。
入り口にその時代の年譜、そして学級新聞、学生時代の同人誌、恩師との手紙、ラジオドラマの台本など。

この恩師との手紙は以前に世田谷文学館(だったかな?)で拝見した記憶があります。四角をふたつ組み合わせた抽象的なマークをよく入れていたのが印象に残ってます。この書簡集も本になってるようですが、未入手です。チト情けない。
しかし、森山大道の写真の入った『あゝ荒野』新装版、欲しいなぁ。あたしは文庫版しか持ってない…。

それから3階にエレベーターで降りていって。2階に吹き抜けがあるので、3階のフロアはやや狭めでしたが。ここは「第4章 幻想写真館と実験映画」として、寺山修司の製作した写真集や偽絵葉書、そして実験映画を。入り口には後半生の年譜もありました。

寺山修司が写真もやっていたという話は、数年前に銀座のギャラリーで開かれた『写真屋・寺山修司展』で拝見しました。田中未知さんが寺山の遺された仕事を丹念に発掘してきた成果だと思いますが。そして荒木経惟さんが写真の師匠だったと記憶しています。
驚いたことに寺山修司に写真を撮ることを勧めたのがワタリウム美術館の館長さんだったそうです。

当時出版された写真集など。さらに先日の演劇実験室◎万有引力創立30周年記念公演で拝見した、同じような感じの、海外公演先で撮られた動画フィルムとの関連とか、どうなってるのかなぁとちょっと思いました。

実験映画の上映もありました。『青少年のための映画入門』も3台モニターを使って、狭いスペースですが、再現していらっしゃいました。
そしてあちこちに「偽絵葉書」がちりばめられ、きれいでした。

そして階段を下りていくと2階は「第5章 演劇実験室「天井棧敷」」として演劇関係の展示。

前にも書いたようにワタリウムさんは小体な美術館さんで、そうたくさん展示物は並べられそうにないのですが。そのための工夫か、映像を上手にお使いで、映像作品の映写はもちろん、例えばモニターに当時の映像と台詞の抜き書きをスライドショーとして展示したりしてました。そういう趣向、面白いです。後述のスタッフさんによるご案内によると、映像の尺はトータルで数時間あるようでした。
そして、壁に文字やイラストを描いたり、インスタレーションのようにされていました。いい感じになってましたよ。

今回『ノック』展ということで、天井棧敷の行った市街劇『ノック』がいちばんフィーチャーされてました。
上映会で拝見した、かなわなのぶひろ先生の映像作品、『市街劇ノック』が壁に映写され、『ノック』公演のときに配布されたイラストマップが大きな垂れ幕にして展示されてました。

そして天井棧敷のいろいろな資料の展示。スタッフの役割を書き付けた当時の貼り出し、「田中」と書かれてるのは田中未知さんかなぁ、「森崎」と書かれてるのは森崎偏陸さんだよなぁ。「シーザー」と書かれてるのはもちろんJ・A・シーザーさんかと。

快楽機械は体験したかったなぁ、とか(笑)

下馬2-5-7時代の寺山修司の住まいの解説イラストがありました。長屋形式の3階建て高級賃貸住宅だったそうですが。今で言えば億ション?
これは確か数年前に世田谷文学館で開かれた寺山修司展で拝見したものだと思います。ほんとに精緻で面白いイラストで、また見られてうれしかったです。つかポスターにならないかなぁと。
寺山修司の相関図を描いたイラストもポスターにならないかなぁ…と。
寺山のエッセイに書かれていた限定版『地獄篇』(蝋燭と火縄と花つき)も現物の展示が見られてうれしかったです。

途中、スタッフの方による展覧会の解説タイムもありました。また、イベントもちょくちょくあるようです。
私が行ったこの前の土曜日は、『奴婢訓』の一節の朗読がありました。ちょっと聞き落としましたが、どうやら萩原朔美さんご関係の方のようで。5月に多摩美であった国際寺山修司学会出張版で公演された方のような気もするのですが。あまり憶えていなくて(ごめんなさい)。

『奴婢訓』、ト書き含めての朗読で気がついたのですが、『奴婢訓』の冒頭、全裸の男優に機械仕掛けでカツラが被らされていくくだり、寺山修司のエッセイで紹介されていた、技手や義足や義眼でひとりの男か組み立てられていく、誰のだったかなぁ、おはなしが下敷きになってるんだなと。そしてあの役は全身剃毛なのか…w

入場のとき、案内のリーフレットを頂きました。片面がその『ノック』公演当時に観客に配られたイラストマップのコピー、もう片面は展示の簡単な案内と、ノックの演目のいくつかの紹介。
かわなか先生の『市街劇ノック』を拝見しても驚きましたが、ただ単に街頭で演劇を繰り広げたというだけではなく、犯罪スレスレというか、もう犯罪の域に片足突っ込んでる演目もあったようです。

ああそういえば、今回のノック展、岡本和樹さんの『世界の涯て』の上映会があるといいと思うのですが。『世界の涯て』は元・天井棧敷団員さんたちが自分のあの頃と今を語るインタビュー集なのですが、その軸が『ノック』になってます。だから、上映したらどうかしらと思うのですが。あったのかなぁ。あるといいなぁ。

ほんと、面白い展覧会でした。10月27日までの会期だそうなので、また足を運ぼうかと思ってます。

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コメント

◎自己レスです
11月24日まで会期延長になったみたいですね。
http://www.watarium.co.jp/exhibition/1307terayama/

投稿: BUFF | 2013/11/03 13:39

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