青葉市子と妖精たち『ラヂヲ』
青葉市子さんの新譜『ラヂヲ』が届きました。
まだ数回聴いた程度ですが、ちょっと感想など。
青葉市子さんの演奏を初めて聴いたのは2009年の12月、ご贔屓のミュージシャン、日比谷カタンさんの対バンとしてでした。「もうすぐ初アルバムが出ます」というようなMCがあったと記憶しています。
その次に青葉市子さんのライブを拝見したのは2010年の9月。これも日比谷カタンさんの対バンとしてでした。それが良かったので、ライブ会場で手売りされていた青葉市子さんのその初アルバム『剃刀乙女』を買いました。
そのあとの2ndアルバム『檻髪』、3rdアルバム『うたびこ』、それからある展覧会の会場限定CD-R音源の『Week Elements of ● "tue.ima"とリリースのたびにニコニコと求めています(DLオンリーの音源『かいぞくばん』とコラボアルバム『火のこ』は入手してないのですが)。
ライブはそのあと数回行ったきりです。これは収入が落ちてるって部分が大きいのですが…。
でも、青葉市子さんの音源は愛用のWALKMANに取り込んで、通勤の行き帰りとか、ちょうヘビーローテで聴いてます。
青葉市子さん、いちばんわかりやすくて簡単な説明は「癒し系」かなぁ。そうひとことで言い切ってしまうと取りこぼすものが多い気がしますし、「癒し系」というのも安直に使われて、手垢にまみれきった言葉のような気がしますが。
私はある種の「いたみ」を感じたのですが。ほんとにそうだかはわかりません。でも、その、「いたみ」を感じたからこそ、私は青葉市子さんの世界に惹かれたのだと思います。そして、その世界で「安らげる」のだと思います。
ちょうヘビーローテで聴いていて、そして、自分にとってはある種の「おくすり」とも呼べるべきおうたたちになっています。青葉市子さんのお歌の世界でまどろむような気分になるのが好きです。
さて、『ラヂヲ』ですが。リリース直前あたりまで、AMAZONあたりの表記は「タイトル未定」になってました。「ひょっとしたら『タイトル未定』ってタイトルなのかなぁ」と思っていましたが、リリース少し前にチェックすると『ラヂヲ』というタイトルになってました。
さて。
『ラヂヲ』、WALKMANに取り込む時に気がついたのですが、「青葉市子と妖精たち」という名義になってます。細野晴臣、坂本龍一、小山田圭吾、U-zahann、といった超一流の方々が参加されています。
2013年元旦にNHK FMで放送された「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」のスタジオセッションをCD化したものだそうです。だから『ラヂヲ』というタイトルなのか…
近年、青葉市子さんはさまざまな大御所ミュージシャンさんたちと活動しているという話はネット情報とかで見かけてました。ただほんと、青葉市子さんのライブは数年前、数回行ったきりなので、そういう活動は拝見してないのですが。
そしていよいよそういう活動の成果が音源化されて、嬉しい限りです。
本CDに収められた曲たちは
- IMPERIAL SMOKE TOWN
- Mars 2027
- STAR FRUITS SURF RIDER
- 日時計
- 不和リン
- レースのむこう
- 重たい睫毛
- 奇跡はいつでも
- 悲しみのラッキースター
- Smile
の全10曲。
「不和リン」「重たい睫毛」は青葉市子さんの1stアルバム『剃刀乙女』、
「日時計」「レースのむこう」は2ndアルバム『檻髪』、
「IMPERIAL SMOKE TOWN」「奇跡はいつでも」は3rdアルバム『うたびこ』
からのセルフカヴァー。
「Mars 2027」はこのアルバムオリジナル曲になるのかしら。
そして、ここらへんは詳しくないのですが、歌詞カードを見る限り、「STAR FRUITS SURF RIDER」は小山田圭吾さんのカヴァー、「悲しみのラッキースター」は細野晴臣さんのカヴァー、そして「Smile」はチャップリン映画で有名なスタンダードナンバーのカヴァーのようです。
「Smile」はともかくも、「STAR FRUITS SURF RIDER」と「悲しみのラッキースター」のオリジナルを聞いた事はないのですが。
いっとう好きな曲は「Mars 2027」です。火星にぽつんと取り残された、役目を終えた無人探査機の気持ちといった印象のうた。
次に好きな曲は「STAR FRUITS SURF RIDER」。ボサノバ調の優しい曲。ちょっとさみしい感じもして。
今までの青葉市子さんのソロアルバムは単色で最低限の文字だけ入ってるというジャケットだったのですが、今回は表が青葉市子さんのイラスト、そして裏面がイラストとご参加のミュージシャンさんたちの写真のコラージュになってます。青葉市子さんのイラストは子供の描いたような、というか、一般的なマンガやアニメなどの「タッチ」が入ってないっていうのかな、そういう独特のイラストです。
なんていえばいいか、ほんと、青葉市子さんらしい「フリーダム」なイラストです。そのフリーダムなスタイルは私が拝見した数少ないライブでも感じられましたが。
で、「紙ジャケ」仕様であります。
毎年1月あたりに青葉市子さんの新譜は出ていたのですが、今年は出なくて、ちょっとさみしい思いをしていたましたが、こういうかたちで新譜が出て嬉しい限りです。
こういう活動がきっかけで、青葉市子さんを知ってファンになる人も増えるかな、増えて欲しいなぁと思います。潜在的に青葉市子さんの世界を必要とする人がどんどん出会ってほしいと思ってます。
そして次の新譜も楽しみに、首を長くして待ちましょう。
次はいつ出るのかなぁ…
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