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2013/05/27

万有公演『SUNA』

昨日は笹塚の笹塚ファクトリーさんで、演劇実験室◎万有引力公演『2013年版 SUNA -わたしはあらんとしてあるもので、あるとはすべてであり、わたしはあらんとしてあるもの-』を観てきました。

今年は寺山修司没後30年、演劇実験室◎万有引力も創立30周年。つまり、寺山修司没後、その劇団、演劇実験室◎天井棧敷は解散したのですが、天井棧敷団員、J・A・シーザーがその衣鉢を継いで旗揚げしたのが演劇実験室◎万有引力とか。(私はそう理解してますが、詳しい事情はよくは知りません)
高橋咲『15歳 天井棧敷物語』によると、寺山修司は天井棧敷の頭脳、J・A・シーザーは天井棧敷の顔、という描写があったと記憶しています(記憶違いがあったらごめんなさい)。

今回、万有引力の『SUNA』公演期間中に、1日限りの特別公演が2本あります。3種類の公演、その準備の手間、ちょっと想像しただけでぼっとしてしまうのですが。

なんかもう万有引力のホームベースみたいな感じのする笹塚ファクトリーさん。…と言いながら、去年は笹塚ファクトリーでの公演はなかったようだけど。
いつもの通り、観客を整理番号順に並ばせ、一気に客入れする方式。よく考えたらこれも去年の公演ではなかったんじゃないかしら?

今回はいつも通りに手前に客席、奥が舞台という配置でした。開演前、いつもの万有スタイルでもう役者さんは蠢いています。ステージ奥には映像も。つかもう開演してると解釈すべきかしら。

(以下少々ネタバレゾーンにつき)

舞台は本舞台の手前に一段低い台がしつらえられています。岩や石やジャリや、ガラス壜?のようなものが配置され。それから舞台手前側に腰ぐらいの高さの四角い箱が数個並べられていました。
万有公演では舞台奥に1段高くなった足場とかあったりするのですが、今回そちらはあっさり目でした。

今回は「理想宮」を造ったフランス人の郵便配達夫・シュヴァルがメインモチーフ。あと、いまだ書かれざる物語のヒロイン、ナジャが登場します。Wikipediaに「『ナジャ』 (NADJA) は、1928年にフランスのシュルレアリスム作家アンドレ・ブルトンが発表した自伝小説、および、それに登場する(実在した)女性である。」という項目がありますので、このナジャじゃないかと思うのですが。シュヴァルの「理想宮」は特に公開を目的とせず、彼がこつこつと造り上げた作品のようですが、それを評価したのがまたアンドレ・ブルトンというつながりがあるようです。

といっても、オーソドックスなお芝居のように、シュヴァルの人生が描かれたり、『ナジャ』という物語の(読んだことはないですが)舞台化という事ではなく、そこから演繹される思弁的なものが演劇として展開されているというかたち(書きながら自分でもよくわかってない…)。これはもうほんとに万有引力(もちろんその前身の天井棧敷からなんでしょうが)スタイルであります。
普通のお芝居を「物語」とするなら、こちらは「詩」、あるいは「論」といった感じでしょうか。それを「演劇」として見せる。

「論考」であればそれはロジカルな「論文」として記述されるのでしょうが、万有(棧敷も?)ではそれは「演劇」として記述される。ちょっと不思議な感覚。
(いや、書いてて自分でもわからなくなってきた…)

衣装、小道具も素敵でした。俳優さん女優さんの多くはランドセルを加工したものを背負ってるのが多かったなぁと。
その独特の美術センス、そして鍛え抜かれた万有引力の皆さんの体技。
もちろんJ・A・シーザーの楽曲も!
素晴らしい「お芝居」をかたちづくっていたと思います。

井内俊一さんご出演がとても嬉しかったです。数年前、退団されたようで、とてもさみしかったのですが。

そして今回、久しぶりに観客参加シーンもありました。世界はひとつのお芝居、虚構、だから出演者・観客の区別はない。観客席もまたただの傍観者でいられる「安全地帯」ではない。だから客席すら役者さんが動き回る、「観客」もお芝居に巻き込む。そしてお芝居が始まったことも終わったこともない。だから緞帳を使わず、客入れの時からもうお芝居は始まってる。つか、すでにもうみんなお芝居。そして、お芝居は終わらない。役者さんがはけ、客電が点いて、もちろんカーテンコールなんてない。それで観客にも「お芝居」を持ち帰ってもらう。終わることのないお芝居を。ここらへんも初心者のころは面食らったのだけど。今はなんとなくその意図も理解して、面白く思ってます。

どういう理由だかはうまく説明できないのだけど、今回の公演もまた、めちゃくちゃのれました。(正直言って万有公演でもうまくのれなかった時もあるのだけど)

さて、あと2回、特別公演も見に行きます。3日連続はちょっときついけど、楽しみであります。

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