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2013/05/13

2013年5月の国際寺山修司学会@東京

5月11日の土曜日と12日の日曜、国際寺山修司学会のイベントをちょっと拝見してきました。
国際寺山修司学会、愛知学院大学の清水先生が主催されている寺山修司研究の学会です。恥ずかしながら詳しい事は私もよく解っていないのですが。
年に数回大会が開かれ、寺山修司研究の発表が行われ、そしてまたイベントなどもあるようです。

通常大会は愛知学院大学で開催されているようですが。出張されての大会もあるようです。寺山修司の出身地、青森とかでも。そして今回は東京での大会のようです。

国際寺山修司学会の出張版は2007年、早稲田大学の大隈講堂で開催された寺山修司最後の映画『さらば箱舟』の上映と、寺山修司と親交のあった、その活動の初期に、寺山を脚本に迎えて映画を作っていた、篠田正浩監督をお招きしてのトークショーがあったと記憶しています。

今回の東京での国際寺山修司学会の大会は、11日土曜日の多摩美術大学での研究発表会と12日の早稲田大学大隈講堂での寺山映画上映会とトークショーというかたちでした。

土曜日、出勤日。夕刻、かねて考えていたてけとーな理由をごにゃごにゃと口にして職場を離脱。上野毛の多摩美に向かいました。
発表会の終盤、ちょっとだけ拝見できました。面白そうだったんですが。見られなくて残念。
それからどなたか外国の方が制作した寺山修司ドキュメンタリーの予告編があって。おぉ!びっくり!!三上寛さんがホスト役でありました。この本編は5月25日、愛知での国際寺山修司学会の大会で上映されるようです。

そして多摩美の学生さんたちの劇団による小公演。舞台で行われるパフォーマンス、それに声をかける観客席に紛れこんだ役者さん。そのやり取り、どこか自然で、時折客席から上がる笑い声も役者さんかなぁとか感じられて、その紊乱、不思議で面白かったです。
5月4日、昭和精吾さんたちの「われに5月を」公演でも拝見した詩の一節の朗読もありましたよ。

そして、終了後の懇親会にちょっとずうずうしく混ぜて頂いてきました。
雑魚のトト交じり…

さて、翌日の日曜日は寺山修司の出身校(中退になるそうですが)、早稲田大学大隈講堂での寺山映画の上映会とトークショー。

上映会は大隈講堂の大講堂で開催されました。前回の上映会は地下の小講堂でしたので、大講堂での上映を拝見するのは初めてです。
大隈講堂自体あまり入った経験がなく、大講堂は初めてになるかなぁ。もうあまり昔の記憶もないのですが。
やっぱり風情のある建物ですよ。雨どいの支え金具でさえ意匠が凝らされていて。もう今現代の建築物にはそこまで凝ったものはないですな。現代の建築物の方が華美っちゃ華美なんでしょうが。

映画の上映は寺山修司の実験映画『二頭女』『ローラ』、劇映画『田園に死す』の3本でした。

まず実験映画『二頭女』。影についての思索を具現化した実験映画、かなぁ。寺山修司のエッセイで影について語ったものを読んだ記憶がありますが。
そして『ローラ』。これは寺山修司が行ってきた、「虚構」と「現実(いや、寺山的に言えば“現実”という名の“虚構”)」の狭間の作品。
1974年の作品ですが、その時から現在まで森崎(寺山)偏陸さんがスクリーンに呑み込まれ、スクリーンの中で裸にひん剥かれてほうほうの態で出てくる、という役をなさってます。当時のままの衣装、当時のままの髪型、当時のままの体型で。
森崎偏陸さんは寺山修司側近でいらした方。そして、寺山修司没後、寺山修司元夫人の九條今日子さんとともに寺山修司ご母堂・はつさんの養子となられ、戸籍上は寺山修司の弟となった方です。

実はあたし、『ローラ2』っての誰か作らないかなぁと思ってます。2はアニメにして、アニオタが二次元美少女わんさかのスクリーンの中に飛び込んでいくという趣向で。ああ、私もほんとそうしたいです(笑)

そして劇映画『田園に死す』。『田園に死す』を見るのもほんとうに久しぶりです。
やっぱ色々忘れてるし、忘れるのは仕方ないにしろ、記憶違いのところも多かったなぁ。

あの美術は、昭和アングラを求める人たちの、あちこちでお手本になってるかと思います。また、つい先だって読了した九條今日子『回想・寺山修司』にも撮影時のエピソードが載っていて、改めて拝見してとても面白かったです。

また、寺山修司の最後の映画『さらば箱舟』に通じる「時計」を巡るエピソード。
両作にご出演の原田芳雄さんの存在感も素晴らしいです。

そして上映後にトークショー。早稲田大学教授で天井棧敷団員でいらっしゃった安藤紘平さんの司会進行で、ゲストに大学時代同級生で親交のあった脚本家の山田太一さん、前述のように寺山修司元夫人であり、寺山との離婚後も天井棧敷の制作等で寺山修司のサポートを続けてこられた九條今日子さん、そして萩原朔太郎のお孫さんでいらして、天井棧敷に美少年役として入団し、後に演出をつとめられ、今は多摩美で教えていらっしゃる萩原朔美さん、4人でのトークショーでした。(ところで『ヱヴァンゲリヲンQ』のエンドロールで安藤紘平さんのお名前を見たのですが、どういうお仕事されたのかしら?)

トークショー、とても面白かったです。文字起こしされたのも読みたいなぁ。

山田太一さんや寺山修司が学生時代に参加されていた同人誌の映像もありました。
寺山修司が描いたカットというのもありました。こういうのもあるんだ!って面白かったです。

そしてトークショー終了後、特別ゲストの山崎ハコさんのギター弾き語りで寺山修司作詞の『かもめ』他1曲。これもまたよかったです。

広い大隈講堂はほぼ満席、客層も老若男女。寺山修司と同年輩ぐらいに見受けられる方から、学生さんくらいの年頃の方まで。私もうっすらと識っている、あの方かなぁという、関係者の方の姿も。

私は高校時代、演劇部の部室に転がっていた角川文庫版の寺山修司の戯曲に出会い、それからエッセイを中心に寺山修司を読んできました。あの、鬱屈した日々に、寺山修司の「さかさま」の思想は一服の清涼剤となってくれました。だいぶ助けられたと思ってます。
だから、今でも、いろんな人たち、寺山を潜在的に必要としている人たちが、なるべくたくさん寺山と出会って欲しいと思っています。

寺山修司研究というのもほんとう、面白そうです。今でも寺山本を読んでいて、あるエピソードを別の方がお書きになったのを読んだり、「これはこういう事なのかなぁ」というのがすとんと腑に落ちたり、そういう瞬間はとても楽しいです。そういうのをもっと整理していけば、もっと理解も深まるし、楽しいことだとは思うのですが。

とまれ、楽しい週末でありました。
私の雑魚のトト混じり、色々お話を聞かせてくださった皆様、ほんとうにありがとう御座いました。

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