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2013/05/02

映画『痕跡imprint -内藤陳がいた-』

昨日は新宿パークタワーホールで、かわなかのぶひろ先生の『痕跡imprint -内藤陳がいた』を拝見してきました。
東京では毎年ゴールデンウィーク期間中に開催されている映像作品の祭典・イメージフォーラムフェスティバルのGプログラム、「パーソナル・パースペクティヴ」の1本になります。

2011年末に逝去された、内藤陳・日本冒険小説協会会長をモチーフにした作品です。

私がかわなか先生と知り合ったのも日本冒険小説協会がきっかけでした。
日本冒険小説協会は毎年3月の終わりから4月のはじめにかけて全国大会があったのですが。

かわなか先生は、第1回全国大会でビデオ撮影をなさってました。あのころはでっかいビデオカメラで、確か肩に担ぐカメラ本体と、肩から提げるデッキ部分が分かれてるタイプだと記憶しています。そして、照明係の助手さんがついてました。

かわなか先生はご多忙なせいもあり、毎年ではありませんが、全国大会にお見えになり、カメラを回していらっしゃいました。
その、でっかかった、二人がかりのビデオカメラがだんだん小さくなり、片手で気軽に持てるサイズになっていったのも面白かったです。

初期のころは故郷から全国大会に参加していましたが、上京して、日本冒険小説協会公認酒場・深夜+1にも顔を出すようになり。
んで、ふとある日、かわなか先生の実験映画上映会のチラシが置いてあるのを見つけました。
行ってみようかなと思いました。あのころは四谷三丁目にあったイメージフォーラムにお伺いしました。

まぁほんと、その時は「おつきあい」のつもりだったんですが。「実験映画なんて退屈だろうなぁ」と正直言って、そのときは思ってました。
でも、その予想は裏切られ。

なんか不思議な経験でした。美男美女が出るわけでなく、ハラハラドキドキのストーリーが展開されるわけでも、スペクタクルな非日常的な風景が展開されるわけでもない。日常的な映像を断片的につなぎあわせていくという手法の作品だったのですが。不思議と退屈せず、魅かれて見ることができました。

それから実験映画を見るようになって。それからしばらく四谷三丁目時代のイメージフォーラムに足しげく通うようになって。
それからかわなか先生主催の実験映画上映会とかもお伺いするようになりました。
系統立てて実験映画を見たり学んだ経験はありませんが、少しは知ってるほうになったかなぁと。

2011年末に内藤陳会長がご逝去され。会長のいない、2012年3月の第30回全国大会で日本冒険小説協会も正式に解散しました。
そして今回、かわなか先生の会長追悼作が公開されると。

感慨深いです。

Gプログラムは2本立てでした。
まず最初に『Photograhs from Unknown Man』(尾沼宏星/ デジタル/50 分/2013)。
作者さんが5年前に旅行したインド-バングラデシュ-ネパール(記憶違いがあれば失礼!)をふたたび旅し、5年前に撮影した人々の写真を現在の当人たちに手渡していく、という趣向の作品でした。
ドキュメンタリーというより内省的、内向的なテイストの「映像作品」でした。時々挟み込まれる、作者さんの内的独白のテロップとか。

そしてかわなか先生の『痕跡imprint -内藤陳がいた』。

かわなか先生は物故された方をモチーフに、色々な映像作品を制作されていらっしゃいます。酒場の名物店主さんたち、アーティストさんたち、中上健次、「流し」のマレンコフさん、様々な方々を。
本作もその系譜に連なる一作になるでしょうか。

どういうかたちで作品が始まるかなぁと思いましたが。ちょっとびっくりするかたち。かわなか先生、ご病気でご入院中もカメラ回してらして、自分のドレンが抜かれる様子も作品に使っていらっしゃいましたが…。
そして会長との出会い、そして日本冒険小説協会が設立されて、と、解説的な部分もわかりやすく、懐かしい映像もありつつの作品でした。

なんかもうちょっとうまく書ければいいのですが。

会長の『読まずに死ねるか』第1作の出版記念パーティー。お集まりのそうそうたる方々。見覚えのある方々。私はそのころは故郷にいて、参加はしてないのだけど。
そして、その方々の中には、もう泉下にいらっしゃる方も多くて。
おおと思うような貴重な映像。懐かしい人々も。

うん、なんか、もうちょっとうまく書ければいいのですが。
どうも想いに言葉が追いつきません。

最近ふと、「どうして私はここにいるんだろ?」って不思議な気持ちになることがあります。
そして、私が、「今・ここ」にこうしているのは、内藤陳会長と日本冒険小説協会抜きには考えられません。そして、あの日、ふとした気まぐれで出した入会希望の葉書がなければ。

ま、いろいろと自分の来し方、行く末を色々考える歳になってます。
ほんと、そういう時にこの作品があって、ちょっとしみじみとしました。

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