イメージフォーラム映像研究所2012年度卒業制作展
この週末はイメージフォーラム映像研究所2012年度卒業制作展を拝見してきました。
去年は別の用事と重なって1プログラムしか拝見できなかったのですが、今年は無事にA~Dの4プログラムぜんぶ見ることができました。昔はgとかhとかぐらいまでプログラムがあって全部見ようと思うと大変だったのですが。
イメージフォーラム映像研究所の生徒さんたちの作品が、私のような部外者(完全には部外者ではないけれど、少なくともOBとかではありません)に公開される、初めての機会かと。(もちろんそれ以前に作品を発表されている方も少なくないのでしょうが)
副都心線で渋谷へ。東横直通化から初めて。ヒカリエのエスカレーターで地上へ。それだけですが、ヒカリエに入ったのは初めて。昔のプラネタリウムのよすがらしい設置物を見てちょっと苦笑。
そして、久しぶりのイメージフォーラム。
まぁ私は実験映画についてきちんと教育を受けた者ではありません。そして、実験映画について語る事は難しいです。特に特定のストーリーを持たない、抽象的な、映像を構成した作品については。それを語る言葉もその作品にいたる系譜の理解も乏しいですし。なので、書かなかった作品がつまらないという事ではなく、それを語る言葉が無かったという部分もあることをお含みおきください。ま、「言い訳」として、まずそういう言葉を置きます。
あとそれと、記憶違い、勘違いがあったら、それもごめんなさい。
Bプログラム
「目目朱朱」(木村瞳/ビデオ/15分)
ある女性の、日常の様子をモチーフにした作品。そのタイトル通り、淡い朱色が基調になっていて。
「哀情」(田代眞梨/ビデオ/4分)
イメージで綴られるショートストーリー。愛が壊れるまで、かなぁ。
押しつぶされた口紅。
「Trip」(須賀川望美/ビデオ/8分)
旅の映像でしょうか?自然や車窓っぽい風景、それを様々に加工し、重ねあわせ、そういった映像で構成されている作品。なんとなく私も旅に出たいなぁと感じました。
「ありきたりのふつうの日々」(白岩義行/8ミリ/58分)
8ミリフィルムはもうとっくの昔に販売終了していると思いますが、イメフォの卒展にはまだ8ミリ作品があります。これもその1本。
映画の世界を志す青年の焦燥と高揚を、ぼそぼそとした独白と、自画像を中心としたイメージ映像で構成した作品です。映画青年、だからこそのフィルム撮り、8ミリではないかと。
映画界を目指し、しかし思うようにいけず、苦悩する姿。それは視点をちょっとずらせば「イタい」姿。もちろん作者さんはそこまで理解して、あえてこしらえてると思いますが。
いや、人の一生というのは、大なり小なり「自意識」との戦いかもしれません。それなくしては人は生きられないのだろうけど、またそれは人をさいなむものであり。うまく折り合いをつけて生きるべきなのでしょうが。この歳まで生きてきて、そんな感じがします。
それはたとえば映画という「アート」だけではなく、サラリーマンの世界の出世競争も同じじゃないかと思います。「特別な人間」であろうとする欲望、それはほとんどの人が大なり小なり持っているんじゃないかしら。
この作品の主人公の焦燥を、たとえば会社でなかなか出世できないサラリーマンの焦燥と置き換えても、同じような作品ができるのではと。
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