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2012/11/09

『超エロゲー ハードコア』

『超エロゲー ハードコア』(阿部広樹・多根清史・箭本進一:著 太田出版:刊)
読了。
スタイル的には『超クソゲー』シリーズの1冊になるのかなぁ。本作の前に『超エロゲー』という本があったようですが、読んだかどうだかは記憶にありません。『超クソゲー』シリーズは好きで、出ると買っていたはずですが。
『超クソゲー』から続くフォーマットで、エロゲーを作品ごとに紹介する短い文章に、業界関係者へのインタビュー記事や秋葉原レポートを散りばめたスタイルです。

エロゲー自体はあまり遊んだ記憶がありません。何本かは買いましたが。ここらへん、テキストアドベンチャーがあまり好きでないという部分があるかしら?いや、ゲーマーとしても私自身コアなゲーマーではありませんが。
ま、収入ガーってのもありますが、ほんとうに好きな奴ならメシ抜いても買うでしょうし。

私が『超クソゲー』シリーズが好きなのは、その「紹介芸」にあると思います。
ゲームをまだ遊んでない人たちにもポイントを抑えて面白おかしく紹介する、それができる、そういう上手さ、面白さを感じます。

本書でもその紹介芸、よかったです。未プレイ者にも面白く読むことができました。

収められているインタビューはまず巻頭に虚淵玄氏。『まどか☆マギカ』の脚本担当として大ヒットを飛ばした方。
まぁ、エロゲーの世界はマイナーな世界ではありましょうが、そこから出てきて表舞台で大ヒットを飛ばした方と。「オラが村」出身の大スター、巻頭を飾るにふさわしい方。
オールドタイマーにとっても、例えば、「ピンク映画出身の大監督」的な類推ができます。

次がエロゲー雑誌、『ピュアガール』の元編集長・加野瀬未友氏のインタビュー。『ピュアガール』は読んだ事がないのですが。加野瀬氏、『ARTIFACT』というサイトを運営なさっていたとか。おおと膝を叩きました。そう、10年ちょっと前ですかね、ネット巡りをしていたらたまたま本書の著者のおひとり、阿部広樹氏のサイト『A_Prompt』に出会って(どういう経緯だったかはもう憶えていないのだけど)、それから関連サイトとかも回って、そして『超クソゲー』を阿部氏たちが出すという事を知って、読んでみたのが『超クソゲー』シリーズを読み始めたきっかけ。それからクソゲーブームが来て。その回っていた関連サイトに『ARTIFACT』もあったと思います。

この『ピュアガール』という雑誌も、様々な才能が蝟集する「場」であったようで。梁山泊っていうか。そういう「場」が生まれること、ありますな。例えば酒場なんかでも。またトキワ荘とかアングラカルチャーにおける風月堂とか。

そして3人目がメイザーズぬまきち氏。あの、『School Days』を創った方。『School Days』もまた遊んでないのですが。確か『School Days』という超とんでもないゲームがあるというのを知ったのは本田透氏のサイトからかなぁ。そしてアニメ化されて、最終話放送休止騒動が起きて、これもアニメマニアの話題にしばらくなったかと。『まどかマギカ』の大ヒットとは別方向で、エロゲー界から「表」に出てきた作品だったかなと。

最後が本書の著者さんたちのゲストを交えての秋葉原訪問記とフリートークです。
秋葉原は私もたまに行きますが、見る方が別方面から見るとこう見えるって部分も楽しかったです。

そして著者3人による「あとがき」。

阿部広樹「そもそもエロゲーとは、自由と多様性と逸脱の物語です。」
そう、そういうの、面白かったです。紹介記事を読んでいるとマニアックなフェチも含む様々な「そんなのアリなの!?」と驚くような設定、物語、システム。『超クソゲー』シリーズでもそういうの楽しかったのですが、こちらではさらにそれが進んでいるような。

多根清史「しかし「エロゲー的なるもの」は様々なジャンルに普及し、あらゆるエンタメに浸透している。」
これもオールドタイマー的な感覚でしょうが、かつてのSFと類推します。もともとSFは小説の世界だったのが様々なジャンルに普及し、もはやSF抜きにして各種エンタメは存在し得ない状況。ただ、SF小説の方はいまいちぱっとしない状況(失礼!)ではないかと。

箭本進一「エロゲーは自由なジャンルです。一八禁要素があれば、アドベンチャーでもシューティングでもロールプレイングでも何でもOK。」
これもほんとにかつてのピンク映画を類推します。ピンク映画出身でのちの名監督。ま、ピンク映画関係者が一般映画に行くのは理解しやすいとして、じゃあ、エロゲの才能はどういう方面で活かされるのだろう、と考えたこともかつてありましたが。それを考えたりしましたが、ひとつの回答がシナリオライター・虚淵玄という事でありましたな。

という方向で、エロゲーに関してはかなりな門外漢の私も本書を楽しめました。
私も少し遊んでみたいんですが、いかんせんカネがなぁ。
…とぼやいているうちはぜったい遊ばないんでしょうな。

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