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2012/08/21

『さよなら絶望先生』さようなら

『さよなら絶望先生 第三十集』(最終巻)(久米田康治:作 講談社:刊)
『さよなら絶望先生』ももう終わり。

『さよなら絶望先生』を読み始めたのは、アニメ1期がきっかけでした。
「シャフトアニメは面白いなぁ」と思い始めた時期でした。アニメ『さよなら絶望先生』も面白くって。
それで原作も読もうと思って、読み始めて、それも面白くって。

不思議な感じでした。ギャグとかコメディとは言えるんでしょうが、ストーリーとはちょっと違う。ストーリーを見せるようなのとはちょっと違う。ある種の「知見」が散りばめられているスタイルですが、薀蓄ものもちょっと違う感じ。
強いて言えば学習漫画っぽく感じました。ストーリーを進めつつ何らかの知見を解説するって感じかなぁ。いや本作では「知見」とゆーより「ネタ」っつーか。

いろいろ世の中のアレコレにツッコンでまわるネタがよかったです。お話の流れそのものがツッコミにいったり、たびたび登場する羅列ネタとかも。
そして何よりもその“自虐”のセンスが良かったかなぁ。

やっぱ『さよなら絶望先生』を愛好する層は、ちょっとややこしい自意識を抱え込んでしまってる人が多いと思います。つかあたしがそうだから。
ちょいと自意識過剰気味、しかもそれが自虐にも行ってる。こじらせてる。自意識過剰だなぁと思いつつ自意識過剰な事をしてさらにそれに自分ツッコミをしなくてはいられない。そんな感じ。

アニメの主題歌を筋肉少女帯の大槻ケンヂが歌うってのも。たぶん、『さよなら絶望先生』が好きな人は筋肉少女帯も好きなんじゃないかしら。いや、根拠は私が両方好きってだけだけど。でも、両方ともちょっと屈折した自意識をこじらせてしまってる奴が好きそうとは感じます。ソースはあたし。

そこらへん、うまく説明できないけどね。そういう風に感じます。

この最終巻に収められた「エイプリルクール」ネタって、本作を好きそうなメンタリティの持ち主にありがちな行動パターンじゃないかしら?さすが解っていらっしゃると思いましたよ。

さて、単行本も近刊になるとそろそろ終わりって空気を漂わせ始めてきて。で、どうも、終わったらしいとマンガネタサイトで知って。そっちの情報は封印しつつ、しかしどうしても気になってチラ見しながら、単行本で読んでるあたしは単行本を待ちました。

最初に見かけた最終巻の案内は2ヶ月近く先って話だったかな?ずいぶん先だなぁ、待ちくたびれるなぁって思ってましたけど。とうとう最終巻の発売日。それはちょっとさみしい思いで迎えました。帰り道、本屋さんに寄って。読み終えて、深いため息。

最終巻はこの『さよなら絶望先生』の世界の舞台裏明かし、なりたちの種明かしというおはなしがメインでした。

今まで散りばめられていた、もう覚えてないような謎描写の伏線を回収しつつ、「こんな話誰も憶えてねーよ」って昔のネタも掘り返しつつ、アニメのOPとかまで回収する、なんか回収に回収しまくってどとーのような結末でした。

いや、まぁ、本書を読んだだけでは気がつかない「回収」もかなりあって、解説サイトのお世話にもなりましたが。
(そして、『さよなら絶望先生』が好きな人は解説サイトを作ったり「語りたがり」でもあると思うんですが。例:あたし)

回収しそこなってる部分もあるかもしれませんが、そう細かくは読んでないので、解説サイトには「回収しそこなってるとおぼしき伏線。結末と矛盾しているエピソード」の紹介もあったりすると面白いかもですわ。まぁ、この結末ならそれまでのお話と齟齬をきたすという事が置きにくいって部分もありかもです。

最終巻で「共同幻想」の話が出てきましたな。
そう、たぶん、『さよなら絶望先生』の読者は共同幻想という考え方にも親和性があると思います。あたしは岸田秀の「唯幻論」が好きですが。そして吉本隆明の「共同幻想論」はあまり理解できてないのですが。「対幻想」とか。

ま、『さよなら絶望先生』が好きな人間は筋肉少女帯が好きで語りたがりで共同幻想論が好きと思ってます。(例:あたし←ひつこい)

終わってさみしいでありますよ。

あと、解説サイトとか見てたら、やっぱこの終盤は連載で見たかったなと少し思いました。
あの机のシーンとか、あとの展開が判らないまま見せられたらやっぱ衝撃的だろうなと。

ほんと、終わってさみしいです。
久米田康治の次回作はどういう風になるのかしら?
やっぱ絶望先生の延長上かしら?それとも違う方向に行くのかしら?
『さよなら絶望先生』のパターンを思いっきり煮詰め、登場人物もうんと絞り、舞台もうんと限定したのが久米田康治原作の『じょしらく』になると思います。だから、そっち方面は『じょしらく』で、違う方向性を新作でやるのかなぁとか思ったりもするのですが。

さて、どうなるか楽しみです。

読むようになるかはわからないのだけど…

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コメント

あと自己レス

あの千里が引きずっている箱はオリジナルの亡骸が入った棺桶かと思って一瞬ぞっとしたぞ。ドレスが入っていたのね。

投稿: BUFF | 2012/08/21 11:49

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