« 2012年7月 | トップページ | 2012年9月 »

2012年8月

2012/08/23

映画『海軍特別年少兵』

今、京橋のフィルムセンターでは今井正監督特集をやっているようですが。
昨日、今井監督の『海軍特別年少兵』という映画を観てきました。

少し前、俳優の地井武男さんが急逝されて。そのときのツイッターの地井武男さん追悼ツイートの中に、本作が地井さんご出演の名作という事で紹介されていて、それに興味を持って、観ようと思った次第です。

フィルムセンターによる紹介はこちら
日本映画データベースによるキャスト&スタッフ表はこちら
1972年夏の映画になるようです。ちょうど40年前。

「海軍特別年少兵」とは。戦時下、兵員不足のためでしょうか、14・5歳の少年を志願制で採用した事があったそうです。そうやって集められた少年兵たちを「海軍特別年少兵」、略して「特年兵」と呼んだそうです。
学校での教育期間が1年くらい?あと兵科に応じての教育があるようですから、実戦につくのは16・7歳ぐらいになるのかしら。それにしても若いです。

本作は横須賀を舞台に、入隊してきた特別年少兵たちが訓練を受け、硫黄島で悲壮な戦死を遂げるまでの物語が描かれていました。

続きを読む "映画『海軍特別年少兵』"

| | コメント (2)

2012/08/22

『都市と消費とディズニーの夢』

『都市と消費とディズニーの夢-ショッピングモーライゼーションの時代-』(速水健朗:著 角川oneテーマ21)
新書です。読了。簡単に言えば「ショッピングモール」の歴史を概説した本、になるかな?
サブタイトルについている「ショッピングモーライゼーション」は速水さんの造語で「ショッピングモール化」というような意味になるようです。

速水健朗さんの本は『自分探しが止まらない』『ラーメンと愛国』と読んでます。
他に読みたい本もありますが、まだまだ手を出してないのですが。

私が新書に手を出すのはたいてい、「世の中になんとなく感じている“違和感”をなんとかしたい、自分の中のそれ、そして、それを感じさせる“世の中”を理解する手がかりが欲しい」といった動機なのですが。『自分探しが止まらない』はそういった課題のために読んでみた本です。『ラーメンと愛国』もある程度はそういう課題に対しての答をたとえば「作務衣系ラーメン店」における現代人の自意識のあり方とかから考えさせてくれました。

今回の『都市と消費とディズニーの夢』はそういったのはほぼ無かったのだけど、でも、結論から先に言えば、とても面白くずんずんと読ませてくれました。

ウォルト・ディズニーが晩年に都市計画を始めて、自分の都市を作ろうとしていたなんて「おぉ!」と驚く話から、まず手に取ることはないであろう専門書からの引用から、そしてひとつくらいは見たことあるか、せめてどんなおはなしか知ってるよなぁと思うような映画からの引用、そういったものを織り交ぜた上手な語り口で楽しませてくれて、ずんずん読んでいけて、まぁそう理解が困難な部分もなくて、新書の「頭ひとつ上の知性」を楽しませてくれたと思います。

そういう意外な方向からの切り口を見せたり、語り口の巧みさは『ラーメンと愛国』にも繋がるタッチだったかなと。面白かったです。
ただ、「ショッピングモーライゼーション」という速水さんの造語はいまいちぴんとはこなかったのですが…。

続きを読む "『都市と消費とディズニーの夢』"

| | コメント (0)

2012/08/21

『さよなら絶望先生』さようなら

『さよなら絶望先生 第三十集』(最終巻)(久米田康治:作 講談社:刊)
『さよなら絶望先生』ももう終わり。

『さよなら絶望先生』を読み始めたのは、アニメ1期がきっかけでした。
「シャフトアニメは面白いなぁ」と思い始めた時期でした。アニメ『さよなら絶望先生』も面白くって。
それで原作も読もうと思って、読み始めて、それも面白くって。

不思議な感じでした。ギャグとかコメディとは言えるんでしょうが、ストーリーとはちょっと違う。ストーリーを見せるようなのとはちょっと違う。ある種の「知見」が散りばめられているスタイルですが、薀蓄ものもちょっと違う感じ。
強いて言えば学習漫画っぽく感じました。ストーリーを進めつつ何らかの知見を解説するって感じかなぁ。いや本作では「知見」とゆーより「ネタ」っつーか。

いろいろ世の中のアレコレにツッコンでまわるネタがよかったです。お話の流れそのものがツッコミにいったり、たびたび登場する羅列ネタとかも。
そして何よりもその“自虐”のセンスが良かったかなぁ。

やっぱ『さよなら絶望先生』を愛好する層は、ちょっとややこしい自意識を抱え込んでしまってる人が多いと思います。つかあたしがそうだから。
ちょいと自意識過剰気味、しかもそれが自虐にも行ってる。こじらせてる。自意識過剰だなぁと思いつつ自意識過剰な事をしてさらにそれに自分ツッコミをしなくてはいられない。そんな感じ。

アニメの主題歌を筋肉少女帯の大槻ケンヂが歌うってのも。たぶん、『さよなら絶望先生』が好きな人は筋肉少女帯も好きなんじゃないかしら。いや、根拠は私が両方好きってだけだけど。でも、両方ともちょっと屈折した自意識をこじらせてしまってる奴が好きそうとは感じます。ソースはあたし。

そこらへん、うまく説明できないけどね。そういう風に感じます。

この最終巻に収められた「エイプリルクール」ネタって、本作を好きそうなメンタリティの持ち主にありがちな行動パターンじゃないかしら?さすが解っていらっしゃると思いましたよ。

さて、単行本も近刊になるとそろそろ終わりって空気を漂わせ始めてきて。で、どうも、終わったらしいとマンガネタサイトで知って。そっちの情報は封印しつつ、しかしどうしても気になってチラ見しながら、単行本で読んでるあたしは単行本を待ちました。

最初に見かけた最終巻の案内は2ヶ月近く先って話だったかな?ずいぶん先だなぁ、待ちくたびれるなぁって思ってましたけど。とうとう最終巻の発売日。それはちょっとさみしい思いで迎えました。帰り道、本屋さんに寄って。読み終えて、深いため息。

続きを読む "『さよなら絶望先生』さようなら"

| | コメント (1)

2012/08/20

ARTiSM FESTA 2012 SUMMER

昨日、土曜日は池袋ライブ・イン・ロサに「ARTiSM FESTA 2012 SUMMER」というライブを見に行ってきました。ARTiSMさん主催の企画ライブ、ロリィタ、ゴシック、ゴシック&ロリィタ系のライブであります。母檸檬さんご出演ということで。本企画自体は18日と19日の2日連続ライブのようであります。あたしは18日だけ。

お目当ては母檸檬さんがメインで、あと、ゾンビロリータさん、ストロベリーソングオーケストラさん、廻天百眼さん、というところでありました。

夏バテか、それとも他の原因(体にまったく気を遣ってない中年男として、心当たりはたくさんありますが)か判らないけど、かなりヘロヘロ状態で向かった池袋ロサ。
母檸檬さんの前の廻天百眼さんのときもかなりモーロー状態だったんですが。
でも、母檸檬さんのセッティング中にアドレナリンかなんか出たんでしょうかね、なんか再起動したような心地がして、ちょっとだけ元気が出てライブを拝見できました。

4時ごろ開演だったけど、最初がゾンビロリータさんでした。ゾンロリさんも母檸檬さんの対バンでたびたび拝見しておりますが。好きだけど、ゾンロリさんだけお目当てでライブには行けてないってスタンスのバンドさんですが。よかったです。
ちょいと自虐系コミカル方面にいっているんだなって感じでした。

これをあたしは自分の中で筋少系、筋肉少女帯系ってカテゴライズしてるんですが。ま、活動凍結前までオフィシャル筋少ファンクラブ、ノーマン・ベイツの会員でありましたし。

ぐしゃ人間さんもご出演だったのだけど。ぐしゃ人間さんも母檸檬さんの対バンで何度か拝見してますが。イイ感じだったです。ボーカルの方がイイ感じ。

しかし、まぁ、会場の隅っこでヘバって聞いてたってレベルですが。

続きを読む "ARTiSM FESTA 2012 SUMMER"

| | コメント (0)

2012/08/15

『おおかみこどもの雨と雪』

ま、盆休み中でありまして。といっても部屋でぼんやりするばかり。
まぁ映画の一本も、久しぶりのぜーたくで封切り映画でもと思って。
昨日、『おおかみこどもの雨と雪』を見てきました。

ただ、細田守監督作品で有名なの、『時をかける少女』『サマー・ウォーズ』は未見でした。
両方ともテレビ放映を録画したのはあるのですが。
(本作を見てちょっと興味を持って、改めて『サマー・ウォーズ』の録画は見てみました)

どうもなんか可愛い女の子が出てきて「キラキラしている」作品っぽい印象があって。残念だけど、地虫のような人生を送ってきたあたし、そういう作品を観ると、「オリにはこんな人生無縁だったヨォ!」と髪かきむしって壁殴りしそうでありますので。
だから原田知世の時かけも見なかったなぁ。映像化作品は『タイム・トラベラー』しか観てないよ…。
ただ、本作は、「ファミリー」路線っぽいし、いろいろ興味を惹かれる部分もあったし、ちょっと見ようかなと。

ここ十数年のことですが、「トシ取ったなぁ」と感じるのは、それまでただただウザいだけの存在と思っていた“子供”を可愛いと思うようになったことです。
もう結婚して子供を作って、育ててってのは無理な相談のトシなんですがね。
まぁそれがさみしくもあり、「無い子には苦労しない」って事も思う部分もあり、ひとり暮らしの気楽さとさみしさっちゅーか、ま、そんな感じなんですが。

まぁ、この世に愛する存在がある、憎みきってはいけない、と気づくのは、自分をいろいろ引き止める手段としても有効ですしな。だから、心の防衛機能のどこかが、子供を可愛いと感じる、微笑む事を選択しているのかも知れません。なんかそんな感じの「取ってつけた」感も自分の中に感じます。

ま、ここらへんが本作を見るにあたっての自分の中のスタンス、として言っておくべき事かなぁ、と。

んでちょっと閑話休題して。

印象に残ったのは美術。冒頭の花のシーンとか、実写かと思いましたよ。実写取り込みと3DCGIを併用しているのかなと思うのですが、そういうリアルさとあわせてアニメーションらしい手作りの温かみもあって。とてもうつくしい作品でありました。

さて、お話について。

(以下ストーリーに触れつつ書いていきますので、ネタバレ注意)
(あと感想というより辛気臭い「自分語り」が続きますので注意)

続きを読む "『おおかみこどもの雨と雪』"

| | コメント (4)

2012/08/03

自分の中の課題として

日本冒険小説教会が解散して。

個人的な事情ですが、ここのところ小説がまったく読めなくなっていました。ノンフィクションっていうか、軽めの教養本っていうか、そういうのならちょっとは読めるんですが。小説は読めなくなってる、読み始めてもすぐ放り出してしまう。部屋の隅にそういう読みさしの小説本が何冊も詰まれている状態。

たぶん、自分の心の中で、自分でもよく解らない変質が起きているのではと思うのですが。

でもなんかまたここんとこ小説本が読みたくなってきたかなぁと感じて。
そして、会員時代は、大賞の投票とかあるし、新刊本を読まなきゃと思っていたのですが、もうそんなことは気にしなくてよくなってしまって、だから、今まで読みこぼしていた昔の名作本とかいいかなぁと思って。

で、早川書房から映画化に伴ってジョン・ル・カレの「スマイリー三部作」が再刊されたと知って。実は恥ずかしながらスマイリー三部作は未読でしたので、読んでみることにしました。
再刊されたハヤカワ文庫の『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を買ってみました。
新訳版のようです。

本書には本編の前にジョン・ル・カレによる「序文」が収められています。本作を書くきっかけとか書かれた短いエッセイです。91年に書かれた文章のようなので、旧版には収められていないと思うのですが。オリジナルの『ティンカー~』が書かれたのが74年のようですから、17年後にどういうきっかけで書かれた文章かもちょっとわかりませんが。

この、序文だけで今まで自分がもやっと考えていた事をかたちにしてくれる文章に出会えました。それだけで本書を買ってよかったと思うくらい。

(BUFF註:ジョン・ル・カレが)フィルビー(BUFF註:キム・フィリビーのこと。有名な二重スパイ)をきらったのは彼がわたしとあまりにも多くを共有するからだった。(中略)大きすぎる男に育てられた子の対抗手段は、逃げとごまかししかないことを、私が知るように彼も知っていたのだ。わたしはまた、そうやって生まれた内向する怒りが、いかに容易に世間の父親像との愛憎、ひいては世間そのものとの愛憎関係になりうるかを知っていた、というか、知っているつもりだった。
(本書10p)

ああ、そうだったのだなと。 まさに「逃げとごまかし」の人生、 愛憎の人生だったなと

続きを読む "自分の中の課題として"

| | コメント (0)

« 2012年7月 | トップページ | 2012年9月 »