『さよなら絶望先生 第三十集』(最終巻)(久米田康治:作 講談社:刊)
『さよなら絶望先生』ももう終わり。
『さよなら絶望先生』を読み始めたのは、アニメ1期がきっかけでした。
「シャフトアニメは面白いなぁ」と思い始めた時期でした。アニメ『さよなら絶望先生』も面白くって。
それで原作も読もうと思って、読み始めて、それも面白くって。
不思議な感じでした。ギャグとかコメディとは言えるんでしょうが、ストーリーとはちょっと違う。ストーリーを見せるようなのとはちょっと違う。ある種の「知見」が散りばめられているスタイルですが、薀蓄ものもちょっと違う感じ。
強いて言えば学習漫画っぽく感じました。ストーリーを進めつつ何らかの知見を解説するって感じかなぁ。いや本作では「知見」とゆーより「ネタ」っつーか。
いろいろ世の中のアレコレにツッコンでまわるネタがよかったです。お話の流れそのものがツッコミにいったり、たびたび登場する羅列ネタとかも。
そして何よりもその“自虐”のセンスが良かったかなぁ。
やっぱ『さよなら絶望先生』を愛好する層は、ちょっとややこしい自意識を抱え込んでしまってる人が多いと思います。つかあたしがそうだから。
ちょいと自意識過剰気味、しかもそれが自虐にも行ってる。こじらせてる。自意識過剰だなぁと思いつつ自意識過剰な事をしてさらにそれに自分ツッコミをしなくてはいられない。そんな感じ。
アニメの主題歌を筋肉少女帯の大槻ケンヂが歌うってのも。たぶん、『さよなら絶望先生』が好きな人は筋肉少女帯も好きなんじゃないかしら。いや、根拠は私が両方好きってだけだけど。でも、両方ともちょっと屈折した自意識をこじらせてしまってる奴が好きそうとは感じます。ソースはあたし。
そこらへん、うまく説明できないけどね。そういう風に感じます。
この最終巻に収められた「エイプリルクール」ネタって、本作を好きそうなメンタリティの持ち主にありがちな行動パターンじゃないかしら?さすが解っていらっしゃると思いましたよ。
さて、単行本も近刊になるとそろそろ終わりって空気を漂わせ始めてきて。で、どうも、終わったらしいとマンガネタサイトで知って。そっちの情報は封印しつつ、しかしどうしても気になってチラ見しながら、単行本で読んでるあたしは単行本を待ちました。
最初に見かけた最終巻の案内は2ヶ月近く先って話だったかな?ずいぶん先だなぁ、待ちくたびれるなぁって思ってましたけど。とうとう最終巻の発売日。それはちょっとさみしい思いで迎えました。帰り道、本屋さんに寄って。読み終えて、深いため息。
最近のコメント