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2012/04/14

ゴトウイズミ『純喫茶的シャンソニエ』

120414

先日浅草ロックさんでのゴトウイズミさんたちのライブで求めたゴトウイズミさんの新譜『純喫茶的シャンソニエ』の事をちょっと書いてみます。

ゴトウイズミさんと出遭ったのは数年前、高円寺ペンギンハウスでの「独唱パンク」だったと記憶しています。お目当ての方の対バンとして。
イイ感じだったので、CDを購入しました。それがそのときの最新アルバムだった『「昭和喫茶にて。」』でした。
それから現在手に入る『私は哀しいアコルデオン弾きなの』と『「ヲルガン座にて。」』を購入しました。

ゴトウイズミさんの音源はAMAZONでの扱いがないのですが。ゴトウイズミさんの日記を拝読すると、高円寺の円盤というお店にCDを卸したという話を見かけて、円盤で探して『私は哀しいアコルデオン弾きなの』と『「ヲルガン座にて。」』を購入しました。高円寺の円盤はインディーズ音源にめっちゃ強いお店のようです。ライブもやっていて、時々見に行きます。

『「昭和喫茶にて。」』と『「ヲルガン座にて。」』は対になるアルバムです。収録曲はほぼ同じ。「『昭和喫茶にて。」』の方が一曲多いかな、そんな感じ。で、『昭和喫茶…』のほうはゴトウイズミさんアコーディオンソロ弾き語り。『ヲルガン座…』のほうは他のミュージシャンさんも加えてのセッションスタイルのアルバムでした。
『私は哀しいアコルデオン弾きなの』はその前作になるのかな?古いぶんむしろゴトウイズミさんの世界のコアな部分が感じられ。

ゴトウイズミさんは広島の方、年に数回上京されて、関東方面で数ステージのライブをなさっているようです。私は1回の上京で1回は見たいなぁと思ってます。(できなかった時もありますが)
そして広島ではヲルガン座というお店をなさっているそうです。いつか行ってみたいと思っているのですが。

(えと、注記ですが。正確には『私は哀しい…』と『昭和喫茶…』と『ヲルガン座…』はゴトウイズミ+アコーディオン名義、『純喫茶的…』はゴトウイズミ名義になってます。ちょとWALKMANがややこしい…)

ゴトウイズミさんの魅力は、うんと浅い部分で言えば「キモカワイイ」でしょうか。「ゴシック&ロリィタ」とも言えるかなぁ。かわいい部分とダークな部分の融合。

「叩き潰されたゴキブリのように 体がふたつになっても這って行くのよ 君の元へ それがほんとのアヴァンチュール」(「アバンチュール」-『私は哀しいアコルデオン弾きなの』収録)なんて歌詞を聴いた時には「良くこんな歌詞思いつくな!」って衝撃を受けましたし、ストーカーの心理を、ストーカーに寄り添ったかたちで切々と歌い上げた『妄想倶楽部』(『「昭和喫茶にて。」』『「ヲルガン座にて。」』収録)を聴いた時にはただただ涙でした。(つまりあたしも少々ストーカー体質故)

そしてその底にあるのは一種の「所在無さ」かなぁ。現世には居場所がない、居心地がない、それを求めても、渇望しても。その、痛みを伴った感覚。そこらあたりが私の琴線に触れるのだろうと思ってます。
私が好きなミュージシャンさんたち、日比谷カタンさんも青葉市子さんもVEXATIONさんも母檸檬さんもそういう部分を持っていると思います。

ゴトウイズミさん、一般性はないかもしれませんが、必要としている方にはとても必要な、難病のおクスリみたいな世界であります。

さて、『純喫茶的シャンソニエ』に話を戻して。

『純喫茶的シャンソニエ』に収められているのは
1.アングラシャンソニエ
2.純喫茶のうた
3.夜のさんぽ
4.クレのうた(インスト)
5.球体関節人形マリアンヌとシャルロットと歌をうたう私
6.真っ赤な嘘の始まり方
7.今日も私生きてる
の全7曲。

今回はゴトウイズミさんソロではなく、他のミュージシャンさんも交えてのセッション形式になってます。
あと歌詞カードには英訳も載っています。海外でも売れるといいなぁと。

今回もゴトウイズミさんの世界を堪能しました。

『アングラシャンソニエ』。バブルの頃から生き残っているシャンソニエ(シャンソンを聞かせる店)を舞台にしたうた。ちょいと賑々しい曲。

バブルの跡、つわものどもが夢の跡。そんなお店を舞台に。ま、バブルっていうとネガティブイメージしかない私(しかもちっともその恩恵に与れなかった)ですが、でも、あのころが最後の、人々が上を向いて生きていられた時代だったんだろうなというのもわかります。
「人生を歌うことに何の意味がある?人生を歌うことに何の意味があるっていうの?」という開き直り方がステキですし、ゴトウイズミさんの世界の真骨頂かとも思います。

『純喫茶のうた』。ゴトウイズミさんのサイトを拝見すると、ゴトウイズミさんは純喫茶、昭和喫茶がお好きのようです。だからもちろん『「昭和喫茶にて。」』というアルバムもあるのでしょうが。
親父に連れられていった薄暗い純喫茶、ヲトナの雰囲気、そしてプリンアラモード、確かにその思い出は私にもあります。

この曲もまた、かつての時代の影が歌いこまれています。

『球体関節人形マリアンヌとシャルロットと歌をうたう私』。球体関節人形とその創り主でもある歌をうたう私のおはなし。
日比谷カタンさんの『キッチンレアリヅム』、VEXATIONさんの『私はヲ人形』につづく、私の好きな方がお人形のことを歌ったうた。
「世界に広がる優しさや温もりや愛情が怖いから  世界に広がる憎しみや哀しみや争いが怖いのです」そう、それが、ゴトウイズミさんの感性、私の琴線にも触れてくるところでありますよ。

ラスト曲の『今日も私生きてる』。これは以前のライブでも拝聴して印象深かった歌。ライブの締めくくりだったかな。ラスト曲にふさわしい歌です。
たどたどしくても、しどろもどろでも、生きていく、そんな歌。

「電車に追い越されて 今日も私生きてる」。ふと気がついたのですが、ゴトウイズミさんの本拠地、広島ってのは路面電車が有名なところとか。だから「電車に追い越されて」って風景なんだなぁと。

「みんな声を上げてる 見えない声をあげてる 誰かが呼ぶ声まっている 見えない声をあげてる」…(落涙)

ここに書かなかったほかの曲たちも良かったです。
ほんと、ゴトウイズミさんの新譜は数年に一度くらいのペースみたいなのですが、だから、首を長くして待ってましたし、ほんと、楽しめました。

ゴトウイズミさん、音源はいくつかYouTubeに上がっています。それを聞いて、ご興味がありましたら、機会が合えば、ライブを見たり、そして、音源は、高円寺の円盤(http://enban.web.fc2.com/)さんで、円盤さんは通販対応してますから、日本全国どこでも手に入ると思います。ほんと、おススメでありますよ。

皆様もどうか…

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