« 録画用HDD交換 | トップページ | 『ラーメンと愛国』 »

2011/12/05

映画『タンタンの冒険』

この週末、帰省の切符を買いに新宿に行きました。
年末年始の切符をとるには少々早めにみどりの窓口に行き、申し込みをして、んで、お昼にその申し込み(あるいは第2~第4希望)の切符が取れたか確認して、取れてたらその切符をお金を払って受け取るってシステムなんだけど。

だから、朝行って、お昼まで待たなきゃいけない。だったら久しぶりに映画でも見て時間を潰そうかなと思って。新宿駅近辺の映画館で上映時間が合うのはって検索してみたら『タンタンの冒険』がちょうどいいなって感じで、『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』(3D字幕版)を見ることにしました。

『タンタンの冒険』、原作は読んでません。フランスあたりのベストセラーコミック、冒険物ってくらいの事前知識ぐらい。
あ、あと、大貫妙子さんにこのおはなしを下敷きにした『タンタンの冒険』って曲があって、好きです。カセット音源しか持ってないし、それも行方不明なのでもう10年以上は聴いてないのですが。

大貫妙子さんはいくつか「おはなし」をモチーフにした曲があって。私が聴いたことあるのはこの『タンタンの冒険』の他に『ピーターラビット』『地下鉄のザジ』『ドリトル先生』あたりかな、ぜんぶ好きな曲です。いや、閑話休題。

だから、映画の『タンタンの冒険』もそういう意味でちょこっと興味を持っていました。
その程度の興味なのですが。

そして現用の3D映画を見るのは実は初めてです。大昔、小さいころに、赤青セロファンの立体映画を見た経験はありますが、3Dはそれから何十年ぶりかです。3D映画ってどんな感じだろう。そういう興味もあって。

ま、ふらっと覗いてみて、満席ならあっさりと諦めよう、別の時間つぶしを探そうくらいの気持ちで某シネコンへ。やっぱ朝一の上映はすいてました。無事に席を取れました。いや、『けいおん!』はもう既に満席のようでしたが…。さすが『けいおん!』、凄いや。

まぁ正直言ってシネコン的なシステムはまだちょっと慣れてない、つか苦手なんですけど。
上映場所の入り口で3Dメガネ手渡されて、ドキドキ。

3Dメガネを見ると精密機器っぽいです。ボタン電池のバッテリーボックスの蓋っぽいのもありますし。ちょうど眉間のところにセンサーっぽい受光部分らしきものもあります。
んで、おそるおそるかけてみます。が~ん!やっぱり!!

あたしの特大頭には小さいよ!!!(号泣)

借り物だから壊したら弁償だよなぁ。でも、“通常の”使用においては壊れたとしてもこっちの責任じゃないんじゃね?と思いつつ。ぐりぐりぐりぐらと頭にはめ込んでいきます。
頭にわっかを嵌められた孫悟空の心地で上映を待ちます。

で、おはなしは。

タンタン。少年っぽい感じだけど。彼はジャーナリストで、それに冒険家であり、探偵でもあるようです。タイプライターの置かれた彼の事務所、彼が解決した事件や、冒険で色々発見したことを伝える新聞の切抜きがたくさん飾られていて。つかとっちゃん坊や?

ちなみに劇中で「タンタン」は「ティンティン」と発音されます。『サンダーバード』に出てくる女の子、「ミンミン」は原語では「ティンティン」だそうで。「ティンティン」というニックネームは向うじゃ結構当たり前なんでしょうか。いや、ふたたび閑話休題。

さて、ある日、彼は骨董市で古びた帆船模型を見つけ、惹かれた彼はそれを買い求めます。しかし、その帆船模型は隠された財宝への鍵が隠されていて、それを狙う悪党どもに彼は目をつけられ、あげく冒険に巻き込まれていく、というおはなしでした。

うん、面白かったです。「よくできてた」という印象です。余韻がずっとあとまで残るとか、深く考えさせるとか、そういう部分はあまりないけれど、2時間弱の上映時間ずっと楽しませてくれます。ウェルメイドというか。大作志向ではない、小品だけど、破綻なくこじんまりとできていて、面白くできている佳品だと思います。ポップコーンとコーラ片手が似合うような感じの映画。

登場人物がマンガっぽい画になってました。たぶん、特殊メイクとCGを使ったのでしょうね。メイキングをちょっと見てみたいなと。見損ねてしまったんだけど、ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』もそんな感じの画でしたし。そういった新しい技術を活用して不思議な画を見せる、それもこれからの方向性として進んでいくのだろうなと。

カメラワークも凄いです。ただ、もう、そういう凄いカメラワークを見ても、「どうせCGでしょ」と思う昨今でありますが。もちろん、かつての特撮スタッフさんくらい、今のCGクリエイターさんも創意工夫と苦労をされているのでしょうが。

本作を見ていて、あれっと気がついて、面白いと思ったのは、女優さんがほとんど出てないって事。アイドル系入った若手美人女優さんは本作には出てきません。タンタンの相棒は犬のスノーウィ。おはなしが進むと同行するようになるのもアル中気味の船長のオッサンですし。いちばん出番の多い女優さんは、オペラ歌手役のオバサンだけ。それにしても本編中の登場時間はそう長くはないです。

そこらへん、面白いと感じました。

例えば昨今の邦画なら、アイドル系の若手美人女優や男優は必ず出さないといけない、たぶん、作り手サイド、プロデューサーより上のレベルでそういうのを出さないといけないという強迫観念を持ってる。そうじゃなきゃお客さんは呼べないと思っているのか。だから、無理してもそういうアイドル系の若手女優男優を出すようにおはなしをつくってしまう。
それは決してよい事とは思えないのだけど…。

ま、そこらへん、アイドル系若手女優を出さない、その人気に寄りかかる道は捨ててる本作はそれだけでも凄いなぁと思ってしまったり。

さて、これが私の3D初体験だったのだけど、どうかなぁ?

ま、確かに立体感は面白いものでした。酔ったりしないかとも思ってましたが、それもないし。
ただ、細かいディティールに目を凝らそうとするとちょっときついです。私はガンマニアなので、銃が出てくると「なんて銃だろ?」と思って目を凝らすのですが、それがちょっと難しい。ま、きちんとサイズが合ってたらそれも無いかもしれません(微苦笑)。

残念だけど。3D前提の、3Dじゃなきゃ魅力が半減っていう映画じゃなきゃ、もう3Dは観に行かないと思います。それはそのイレギュラーな特大頭で3Dメガネがきついという私の事情というのもありますが。

まぁそう現在の3D映画ってそう魅力的じゃありません。前にも書いたように画のディティールに目を凝らしにくいし、メガネ自体をかけ馴れてない身にとってはメガネは邪魔臭いし、ちょっと暗い感じもするし、目も疲れるような気もします。“見世物”感覚でちょっと見て、「へぇぇ」と感心する程度がいちばんいいかと思います。

ま、そのうち、3D技術も進化するでしょう。メガネも要らなくなるかもしれません。そして、女優さんのスカートを下から覗きこめるような、ほんとうの3D映画が生まれるかもしれません。たとえば、空間を自由に移動できて、好きな場所からおはなしを眺められるような映画ができてくるかもしれません。ゲームのようにインタラクティブ性を持つようになるのもいいかなと。そうなってしまった映画はもう既に「映画」とは呼べないかとも思いますが。そういうメディアもこれからできるでしょう。

うん、最後にもういちど書きますが、『タンタンの冒険』、面白かったです。木戸銭払って、上映時間きっちりと楽しめる作品でした。見てよかったなと。原作のほうも機会があったら読んでみましょう。

そして、映画が終わり、久しぶりにちょっと贅沢なお昼ごはんを食べ、無事に取れた切符を受け取り、そういう休日でありました。

| |

« 録画用HDD交換 | トップページ | 『ラーメンと愛国』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 録画用HDD交換 | トップページ | 『ラーメンと愛国』 »