圓朝まつり
昨日は谷中の全生庵さんに「圓朝まつり」を見に行きました。
幕末~明治期の大落語家、三遊亭圓朝の御命日近辺の日曜日に、圓朝の菩提寺である全生庵で開かれるお祭りだそうです。私もあまり詳しくはないのですが。
三遊亭圓朝という落語家は、Wikipediaによると落語中興の祖、そしてそれ以上に近代日本語、言文一致体のきっかけとなった大名跡のようであります。
全生庵さん。お寺さんなのに「~寺」じゃなくて、庵。私はここらへんも疎いのですが、珍しいと思います。
歴史は比較的新しく、入り口で頂いたリーフレットによると、山岡鉄舟が明治維新に殉じた人々の菩提を弔うために建立されたお寺さんのようです。そういう由来でありますので、山岡鉄舟御自身のお墓もここにあるそうです。
10時過ぎぐらいに最寄り駅の千駄木着。団子坂出口から緩やかな坂を上って。団子坂、D坂ですな。江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』。坂の途中には「乱歩」という喫茶店もあります。数年前にちいこさんの展覧会を見に行きましたな。
(追記:団子坂はどうやら反対側の坂のようで…)
改めて見回すと確かにお寺さんの多い道です。どういう由来なのでしょうか。ここらへんも疎いでありますよ。そして、坂の上に建設途中の東京スカイツリーが遠望できるというのも面白い風景であります。
んで、10時ちょっと回ったくらいで全生庵さん着。全生庵さんは2階建て、本堂は正面の階段上がって2階のようですが、そこから読経の声らしきものが聞こえてきます。追善供養の読経でしょうか。
ややあって皆さん降りてこられ、階段正面に設けられた篝火に、使い古しらしき扇子を入れていきます。これが扇子お炊き上げ供養のようです。ご挨拶などもあり。
さほど広くない(失礼!)全生庵さんの境内、人がみっちりです。そして、藝人さんたちの模擬店。藝人さんたちの焼いた焼きそばやよそってくれるカキ氷なんかを食べられるのも年にこの日くらいのものかもしれません。
長い行列ができているので、「これはウマいもんに違いない!並んでみようか」と思って行列の先のほうを見ると藝人さんにサインを求める方の列だったりして。これもまたこの日の興趣ではないかと。
さて、もうひとつのお目当ては圓朝の幽霊画コレクションの公開です。
8月いっぱい、圓朝忌にちなみ公開されているようです。木戸銭5百圓也。
ほぼぜんぶ掛け軸のようです。作者は伝円山応挙あたりから圓朝同時代の?方まで。伊藤晴雨もありました。
病み衰えきった風情の幽霊が多かったです。牡丹灯篭のお嬢さんとかもうちっとは美人に描いてあげてもいい感じもしますが。
なんて言えばいいのかな、“死”が今よりもっと身近にあった時代のものかなぁという気がします。病み衰えた亡骸を目にする機会が多かった時代。もちろん早死にも多かったでしょうし、貧しさゆえにまともに物も食べられず死んだり。死に化粧とか、ドライアイスとかもあまり普及してなかったでしょうし。そういう、異形と化していく亡骸が当たり前にあって、それを目にしていたような時代のセンスという感じがしました。
さすが圓朝まつりの最中ですからお客さんは多目。もしゆっくり見たいのなら8月中の他の日が宜しいかと。ただ、ひとっ子ひとりいない状態で幽霊画というのもちょいと怖いかしら?
まぁあたくしは幽霊にはなりたくないですね。ルサンチマンは募りつつありますが、この世に恨みや未練は残して逝きとうはない物でございます。死んでも遭いたい人はいるても、死んでも力になれたらなりたい人はいても。まぁそこらへんはお盆に済ませればいいかなぁと。
ほんと、境内は大混雑。お天道様はカンカン照り。暑かったですが。
ま、冷房効いた屋内でずっと過ごしていては身の毒、たまにはちょっときつくてもお天道さんに当たるのは熱い薬湯に入るみたいなことかもしれません。もちろん熱中症には気をつけて。
わたしもちょっと調子がよくなった気もします。
圓朝まつり、記念落語とかイベントもあるようでしたが、それは拝見しませんでした。
お昼過ぎに帰宅。
また圓朝まつり、そして寄席とかも行きたいなぁと。
ただひとりってのはちょいとつまらないですな。
可愛い女の子としっぽり、なんてのがイイんですがね。
それは無理目か…
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コメント
さらに追記です。圓朝まつりは今年でいったんおしまいのような話も見かけました。こんど見に行こうという方はご注意くださいな。
投稿: BUFF | 2011/08/08 15:00