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2011/07/20

『僕の妹は漢字が読める』

『僕の妹は漢字が読める』(かじいたかし:著 HJ文庫)
読了。ライトノベルです。

ライトノベルはあまり知りません。つか小説自体あまり読めなくなってますが。
出版社が普通の文庫とは違うレーベルで出してる、アニメ風の挿絵がたくさん入った、若い衆向けの文庫本、というくらいの認識でありますが。ほんとに、たまに、少し読むぐらいです。

んで、本書はツイッターのタイムライン上でよく名前を見かけて、ちょっと気になって買ってみた本であります。
若い衆向けみたいで、オッサンが面白く読める本かどうかは判らなかったので、読了できるかどうかも自信がありませんでしたが、面白く読めました。読みながらケタケタ笑えた本というのも久しぶりです。

時は23世紀。漢字は滅びてしまい、日本語の文字は平仮名カタカナ、そして記号で成り立っています。
そして、「萌え」が文学の、どころか、日本文化の中心になっていて。首相も二次元美少女という世界(マザーコンピューター方式なんでしょうか?)。そういう世界を舞台にしたお話です。

本作自体、実は23世紀の文体で書かれてるのを21世紀の漢字かな混じり分に“翻訳”したのだと前書きで説明されます。

ストーリー自体はネタバレになるので詳しくは紹介しませんが。

主人公はイモセ・ギン。高校生。ギンには血の繋がらないふたりの妹がいます。高校生のクロハと小学生、10歳くらいのミル。

トップシーンはギンが妹のクロハを伴って、ギンの大ファンの作家、オオダイラ・ガイに会いに行くシーンから始まります。
ギンは貰われっ子、クロハとミルは義理の妹になります。ギンは漢字は読めないのですが、クロハとミルは読めるみたい。車中、クロハはケータイ小説集を読むのですが、ギンは漢字交じりのケータイ小説を読めるクロハに感心します。

本作の醍醐味はなんといってもやっぱ、コミック、アニメ、ゲーム、そしてライトノベルといった「オタクカルチャー」「萌えカルチャー」のセルフパロディネタがギャグとして散りばめられているところにあるかと。

あたしはそこらへん、そんなに詳しくないのですが、けっこう元ネタに気づいたりして笑えました。詳しい人、どっぷりと浸っている人なら、さらに笑えるかと。

そしてやはり23世紀の小説の文体ですね。ひらがなカタカナ記号でできてる。単純に漢字なしで書いてるってのともまた違います。例えば、

でたひと→きよし
きよし「おくれちゃうにょ」
どうがサイトみてたら ねぼすけ←だめっこ
(48p)

てな感じ。いつか全編これで通した小説が読みたいのですが…。
けっこう書けそうだし、面白いものができるような気もします。
(「筒井康隆あたりが書きそう」と思うのは、やっぱりあたしがオッサンのせいでしょうね)

本書はこれで完結せず、続編があるようです。さて、どうなっていくのかしら?
そしてネタ的な部分はこんどはどんなのを繰り出してくるのかな?
楽しみです。

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