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2011/03/07

『魔法少女まどか☆マギカ』第9話

『魔法少女まどか☆マギカ』第9話「そんなの、あたしが許さない」の感想です。

(お約束ですが、以下ストーリーに触れつつ書いていきますのでネタバレ注意)

まぁ今回も新設定判明&欝展開のおはなしでしたが。

今いちばんツッコミたいところ、「なぜ、暁美ほむらはソウルジェムが濁りきるとどうなるのかについて事前に美樹さやかや鹿目まどかに説明しなかったか?」という理由は明かされませんでしたが。

ここらへん、こういうジェットコースターで奈落の底へ真っ逆様なストーリーにするために、逆ご都合主義になっちゃってないかと思うのだけど。いやまぁたぶんあとから説明があるか、それとも私の理解度が低いのかなのでしょうけれども。

いよいよキュウべえがなぜ魔法少女を勧誘するのかについての解説がありました。これもちょっとよく解らない。地球なんて宇宙にとっては塵芥みたいなもの。さらにその上に巣食う人類がいくらエネルギー出したって宇宙を救えるワケなんかないと思うのですが。

よくわかんない超設定であること、『エウレカセブン』に出てきた「件の限界」みたい。「件の限界」ってのは「知的生命体が一定以上の密度で存在すると宇宙が崩壊する」という理論なんだけど。あれが出てきた時点で『エウレカセブン』はちょっとついていけなくなったです。まだ録画が積読状態。

まぁ、でも、そういう疑問点が気にならないぐらい鼻面をグイグイ引きずりまわされてる感じがして、夢中になって見ましたが。そして深いため息。

ファンアートで杏子も増えているそうですな。私も某サイトでいろいろ見てます。巴マミや美樹さやかや佐倉杏子の幸せそうにしている姿、なんか和みます。気持ちが“補完”されます。そして、そういう幸せそうにしてる彼女たちの姿を描きたい人たちの気持ちも痛いほど解りますな。

それだけ本編が超鬱展開だって、そして、見る側は、彼女たちに思い入れを持って見るということ。例えば傍観者的に彼女たちの様子を見るのではない、それだけ気を入れてみてるのだなと。彼女たちの運命に心を痛めつつ見てるのだなと。

鬼頭獏宏『なるたる』、ケッチャム『隣の家の少女』、沙村広明『ブラッドハーレーの馬車』、馳星周『楽園の眠り』を見てきたあたしもクラクラします。

ま、閑話休題。

ソウルジェムが濁りきり、魔女となった美樹さやか。彼女と刺し違え、死ぬ運命を選んだ佐倉杏子。さやかを倒すだけだったら暁美ほむらと杏子が共闘すればよかっただけでしょうが。杏子はあえて刺し違えることを選んだ、と。

なんとなく本作の通奏低音に「孤独」があるような気がします。

佐倉杏子は両親のために魔法少女になったのに、そのせいで両親を失い、孤独の日々を送りながら、表面は強気に振舞いながら、心の底では自分の死を願っていたような気がします。それは「自殺」という方向性ではなく、何か「善きこと」のために自分の命を差し出す機会があれば、進んで自分の命を差し出すというような。

『ライ麦畑で捕まえて』の主人公の少年がそういうタイプだったかと。彼は悪漢と刺し違えて死ぬ自分をたびたび夢想します。
また、シャフト的に言えば『化物語』の阿良々木暦もそういうタイプじゃなかったかと。「するがモンキー」のエピソードがいちばんだけど、彼は自分を犠牲にして誰かを助けようとすると。暦も孤独と虚無に囚われた日々を過ごしていたのではないかと。ま、暦君はもう戦場ヶ原ひたぎがいるから大丈夫だろうけど。

そういう風に杏子も孤独と虚無の中、苦痛の中、人生を送っていて。それを何か「善き事」を成すことと引き換えに終わらせることを心の底では願っていたのではないかと。
彼女の人生の楽しみはたぶん「食べること」だけだったかと。それは食事にも事欠いた自分の昔の反動というだけでなく、一種のストレス食いだったような気がします。(あれだけ食べても太らないように魔力を使ってて、だからグリーフシードがたくさん要ったりして)

巴マミも孤独でしたな。交通事故で父母を失い、彼女は助かることと引き換えに魔法少女になったけど、ひとりぼっちになってしまって。ひとりぼっちで戦わなくてはいけない、苦痛にまみれた人生。それが仲間ができるという希望が見えたとたん、彼女はあっさりと死んでしまう。
暁美ほむらも孤独な少女。しかし、彼女の孤独を癒してくれるこの世でたったひとつの存在がある。それは鹿目まどか。だから、彼女のまどかに対する執着は半端ない。

マミの死は唐突であっけないものだったけど、杏子の死はドラマチックでした。

死の覚悟を決めて、髪をほどく杏子。髪をおろした杏子の姿は、ほんとかわいらしくて、反則っぽかったです。そういう「髪をほどいて下ろすとかわいらしくなる法則」ってのはありますな。『ブレードランナー』のレイチェルとか『マクロス』の早瀬未沙とか。杏子の場合はさらに死を覚悟した時でありますから。

そして、髪に編みこんでいたらしいアミュレット。たぶん、宗教家だった親の宗教では十字架みたいなものだったのでしょう。それと自分のソウルジェムと融合させて。そして、それを自ら砕き、そのエネルギーでさやかと運命を共にする杏子。ふたりともに苦痛に満ちた人生から解放された、と。

しかし、杏子の「物語」を知るのはさやかだけみたいだったから、彼女の物語はもう誰も知ることなく消えたのでしょうか。(知ってるとしてもせいぜいキュウべえだけか)。切ないです。

しかし、今回、ほむらと杏子が自分たちは無事でさやかを倒していたなら、殺していたなら、まどかはふたりを、リクツでは許せても、感情的には許せなくなったのでは。たぶん、杏子はもとよりほむらもまどかは遠ざけるようになっていたのではと思います。だから、このケリのつけ方は、物語的には収め処じゃなかったのではないかと。

さて、メインキャラふたり消えるとお話を進めるのはかなり苦しくなるかなと。新キャラ登場するのでしょうか。
また、そろそろ暁美ほむらが鹿目まどかになぜあれだけ執着しているか理由が語られる頃合だと思いますが。それは異世界?過去or未来?そして、それに関わる新キャラが出てくるのかな?

たぶん、そして、ワルプルギスの夜を迎える。どうも超強力な魔女が来るような感じですな。
いや、ひょっとしたらキュウべえが来た世界からなにか来るんじゃないかとちょっと思ったりしたのですが、それは違うかなぁ。

ところで、ですが。さやかの体はどうするのかな?どこかのホテルに置かれているようですが。発見されて大騒ぎ、そしてさやかの失踪後挙動不審になったまどかがいちばん怪しまれると思いますが。ま、そこらへんの始末はほむらがやるのかしら…。

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