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2011/03/25

『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』

『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』(武居俊樹:著 文春文庫)
読了。
小学館に入社し、少年サンデー誌で赤塚不二夫の担当となり、担当者の枠を超えて赤塚不二夫のある時はブレーン、ある時は遊び仲間となった著者の赤塚不二夫に関する思い出の手記であります。

ハードカバー版が刊行された時から気になっていた本ではあったのですが、書店の店頭で見かけるとぱらぱらとめくってみたりしていたのですが、未読でした。

この4月30日、本作を原作とした映画『これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫』が公開されます。
本作の監督の佐藤英明さんは日本冒険小説協会の大先輩。佐藤さんが日本冒険小説協会公認酒場「深夜+1」で働いていたころ、だいぶ相手をして頂きました。迷惑をおかけしたこともあったと思います(酔っ払って憶えてないですが…)。佐藤さんは映画の道に進まれ、助監督としてたくさんの映画に参加され、そしていよいよ本作で監督デビューであります。もちろん私も見に行くつもりですが。だから、映画の前に読んでおこうと思って本書に手を出した次第。

さらに言えば、さんざんお世話になってる日本冒険小説協会・内藤陳会長、そして10年ほど前に出会い、ライブや詩学校にお伺いしている三上寛さんもまた、赤塚不二夫人脈の方であります。
そういう意味でも本書はもっと早く読んでいるべきだったのですが。

冒頭シーン。病室で昏睡状態の赤塚不二夫をおちょくる武居俊樹。このシーン、発刊当初ずいぶん批判されたと記憶しています。悪ふざけにもほどがあると。私もハードカバー版を書店で立ち読みして、ちょっと引いたりしたのだけど。

でも、本書を読み進むと、そういうのが成り立つ関係だったのだなと深く深く解ります。

そいや、某トークショーでも赤塚不二夫の周囲にいらした方が、「青梅の赤塚不二夫会館に(昏睡状態の)赤塚不二夫本人を展示してはどうか?どうせ当人解らないのだし」なんて話をされたことがありますよ。

仕事も真剣、そして、漫画を描き終わってからの遊びも真剣、そして深い深い赤塚不二夫と周囲の人たちの交わり。そういう関係のなせる発言だったんだなと、本書を読んで感じ入りました。

翻って自分はそんなに真剣に人と付き合ったことがあったのだろうかと思ったりもしました。それは私が今までできてこなかったことのひとつかと。だから親友と呼べる友人も、さらには家族も持つことができなかったんだろうと思ってます。

だから、本書に描かれる赤塚不二夫と著者や周囲の人たちとの交流も、とてもうらやましいと思う反面、私はそういうところまではとても付き合えないよなぁと思いました。

次々と巣立っていく赤塚不二夫のアシスタントたち。そういう、なんて言うのかな、そののち活躍する“才能”が“蝟集”した梁山泊的な“場”って時々あると思いますが。それを生み出した赤塚不二夫の強烈な“人としての力”もまた凄いなと思います。

そういった“場”が今はどんなジャンルでどういう場所にあるのかなとちょっと考えたり。これから芽吹く“才能”が集まってる場。

バカボンやおそ松くんの作品の舞台裏、赤塚不二夫の漫画制作作法といったものもまた、面白いです。そして赤塚不二夫の来し方も。そういった「赤塚不二夫研究」の資料的な部分も解りやすく書かれていて、赤塚不二夫についていろいろ知りたい方にもいい入門書となっています。
そういう意味でも面白い本でした。

著者のような強烈な才能と出会い、せめぎあう人生、とてもうらやましく思います。まぁ私は若い頃からヘタレで、そういう人生を持つ資格などなかったけど。そして、もう、そういう事のできるトシではないけれど。著者のようにバカになりきれない、お利口さんな人間だけど。

ほんと、もっと早くに読んでおけばと思う本でしたよ。
そして映画も楽しみに待ちましょう。

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