『フラクタル』第4話
さて、『フラクタル』第4話、「出発」の話など。
(ストーリーに触れつつ書いていきますので、ネタバレゾーン注意)
3話Bパートからいきなりエンリたち「グラニッツ一家」による星祭り(フラクタルシステムによる一般市民の洗脳)襲撃という血腥い展開になりましたが。
主人公・クレイン少年の許に「落ちてきた」少女・フリュネが現れ、中断した星祭りを続行させ、完了させます。
星祭り阻止をもくろんでいたグラニッツ一家は目標を変更し、フリュネを拉致して撤収します。しかしグラニッツ一家は飛行船から垂らされた縄梯子で離脱するんですが、ネッサの手下だったデブの遺体はどうやって収容したんでしょ?ウインチで引き揚げた?ま、動けない重傷者や死者の撤収のためにそういうのを用意してたのでしょうが。
逃げようとしたクレインとネッサはエンリに見つかり、結局グラニッツ一家と行動を共にし、飛行船で現場を離脱します。
フラクタルシステムに背き、自給自足の生活を送る「ロスト・ミレニアム」運動の人たち。フラクタルシステムに仕える「僧院」はそれを容認してきたようですが。しかし、「ロストミレニアム」のテロリスト分子・グラニッツ一家の襲撃で犠牲者を出したことにより、僧院はグラニッツ一家制圧に乗り出します。脱出の準備をするグラニッツ一家。しかし、その前に僧院側の飛行船に襲撃されるグラニッツの村。
クレインとネッサはグラニッツの村から逃げようとしますが。逃げようとする途中、幽閉場所から逃げようとするフリュネの姿を目にします。フリュネは彼女だけで逃げようとしますが、追いすがるクレインと共にたどり着いたのは結局グラニッツ一家の飛行船。彼らと行動を共にすることを余儀なくされたようです。
しかし、ネッサはフリュネに嫌われていると思い、二人とは別に行動することを選びます。
今回、フリュネもまた「世界の鍵」と呼ばれます。ネッサだけじゃないorネッサではない?
フリュネとネッサ、ふたり一組で「世界の鍵」なんでしょうか?
とすると、ネッサはフラクタルシステムに侵入するためのベクター、フリュネはそれによってフラクタルシステムに組み込まれる?本体なのかもしれません。
フラクタルシステムには何らかの「人格」が必要で、その人格の持ち主がフリュネなのかもしれない。そして、そうすることは、フリュネにとって死を意味するのかもしれない。だからフリュネは僧院を逃げ出し、フラクタルシステムなんてなくなればいいと語るのかもしれない。
フラクタルシステムは崩壊しようとしているようですが。それは、私は、人類が数を減らし、老朽化したフラクタルシステムを補修する技術力・生産力を失いつつあるせいと思っていましたが。
しかし、それは、勘違いで、フラクタルシステムに組み込む「人格」の老朽化?がフラクタルシステムの崩壊の原因で、新しい人格、つまりフリュネの人格を組み込むことによりフラクタルシステムは復活するのかもしれない。
しかし何で冒頭、彼女は星祭りを完了させ、しかし、グラニッツ一家に拉致されるとフラクタルシステムがなくなればいいと話すのか。冒頭は軽い洗脳を受けた状態で、拉致がきっかけとなってそれが解け、僧院を抜け出したときの精神状態に戻ったのか。
また、フリュネはクレインが、彼女が残したブローチからネッサを呼び出せたことに混乱した態度をとったように見受けられました。それは、ネッサを呼び出せるのが、彼女のようなフラクタルシステムを再生できる特殊能力の持ち主に限られているのに、クレインがネッサを呼び出せたことに驚いたのかもしれません。
しかし、グラニッツ一家の星祭り襲撃もちょっと理解できません。これは「革命のためのテロ」じゃなくて「テロのためのテロ」じゃないかと。ただの殺戮じゃないかと。
そして、ふと思ったのですが。
人は集団を作って生きていく動物です。そして、その集団同士が争い、弱い集団を駆逐するか併合し、どんどん大きくて強い集団を作っていきました。それが人類の歴史だったのではと。
しかし、その過程において、外部的にも内部的にもたくさんの犠牲者を出してきました。戦争や迫害、権力闘争などで。その「繁栄」は「苦痛ある繁栄」だったのではと。苦痛と共にあったのではと。
しかし、フラクタルシステムは人々のそういった「ダイナミズム」を去勢し、なおかつそういう「去勢された人々」が生きていけるような社会システムを構築しました。しかし、その「ダイナミズム」を失った人類は、戦争や権力闘争の犠牲者を生まない代わりに、少しづつ滅びへの道を歩んでいると「平穏な滅び」への道を進んでいると。
ロストミレニアム運動はそういうダイナミズムを取り戻す、人類を再び「苦痛ある繁栄」の道に戻そうとすることじゃないかしら?その「苦痛」のための「血しぶきの祭り」(まるしー船戸与一)があの星祭り襲撃じゃないかしら。
そう解釈してみたんですが。
どうかな?
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