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2010/10/18

万有公演『阿呆船』

昨日はパルテノン多摩野外特設ステージで行われた演劇実験室◎万有引力公演『阿呆船』を見に行ってきました。今回は万有の皆さんのほかに、一般公募で集められたスタッフ&キャストの皆さんもご参加のお芝居だそうです。

『阿呆船』というタイトル、私の好きなThe Doorsの「Ship of Fools」という曲と何か関係があるのかなと思ったんですが。
どうやら15世紀のドイツの作家、セバスティン・ブラントが書いた『阿呆船』という風刺文学があるそうです。Wikipediaによる解説はこちら。んで、Wikipediaによるとそれを元ネタにした作品がいくつかあるとか。本作もThe Doorsの「Ship Of Fools」もそのひとつなのでしょう。

さて、パルテノン多摩では万有引力を率いるJ・A・シーザーの展覧会「私の演劇ノート展」も開催中。それが5時までみたいで。お芝居の開場は5時50分ですが、ちょっと早めに行くことにしました。

パルテノン多摩は私が初めて万有のお芝居を見た場所。『100年気球メトロポリス』でした(実は今までずっと初めて見た万有は『100年気球ラビュリントス』と思っていましたが、劇団サイトの公演記録とどうも食い違いがありまして、『100年気球メトロポリス』が初見だったかと)。パルテノン多摩一帯を使った準・市街劇という感じのお芝居。あちこちで同時進行されるお芝居を、引率の劇団員に連れられて見て回るというお芝居でした。

それからパルテノン多摩での万有のお芝居は『100年気球ラビュリントス』を見ました。こちらはパルテノン多摩のホールを使ったお芝居でしたが、舞台がいくつかこしらえてあって、それぞれの舞台で複数のお芝居が同時進行するというスタイルのお芝居でした。

『メトロポリス』スタイルのお芝居、またやってくれないかなぁ。ほんとあれで万有に一発ではまったのですが。

とまれ、ぼちぼちとパルテノン多摩へ。

京王多摩センターを降りて。ほんと、パルテノン多摩ってのは不思議な場所です。京王多摩センター駅からだだっ広い直線の道がパルテノン多摩に繋がってます。参道っぽく。両脇にはビルに入ったお店。もうぜんぶ都市計画で忽然と現れた場所なんでしょうね。そういう、ある意味、空中楼閣のような場所。

その突き当りが大階段になっていて、そこが今回の野外劇場への入り口になってました。
『100年気球メトロポリス』では、最初お客さんにくじ引きさせて班分けをさせるのですが、その班長係りの劇団員さんたちが、確か、剣道の面を覆面にこの大階段で待機していたと記憶しています。

その大階段のてっぺんに回るプロペラのついたオブジェ、それから立て看板、スクリーン。

それらを脇に見ながら『わたし演劇ノート展』へ。
戯曲、シーザーさん手書きの楽譜、その他資料類の展示でした。見せ方も凝っていて、一種のインスタレーションのようにもなっていました。シーザーさんご愛用のかなり使い込まれたギターもありました。

で、どうも当日は特別に6時までやってて、終演後もしばらくやってるそうでした。そりゃ、そうだわね。そのくらいは想定しておくべきでした。いや、ちょっと混んでいて、お芝居ついでの方も多かったのかな?だったらお芝居のない日だったらゆっくり見られたかなぁ。そうすべきだったかもしれない。

んで、ファーストフードで適当に晩メシを済ませ、入り口でぼんやり開場を待ちました。

会場時間が近づくと、役者さんたちが大階段の上に姿を現します。

私のチケットには「ろ○×」と書いてあったので、いろはに…かと思ったのですが、どうもチケット販売ルート別の識別だったらしく。その販売ルート別にチケット番号順に並ぶシステムになってました。んで、チケット番号順に入場する方式。いちばん売れそうにないルートで買っとけばもっと前になってたかな?ま、けっこう前に座れましたが。

大階段を昇っていくと、そこが今回の特設ステージ。どうも公園の池の上に造られているようです。
白木の舞台と客席。舞台は手前と奥が段違い。舞台奥にやぐらが組まれ、船のマストのような柱が立ってます。上手奥に小さい碇(動くみたい)、下手奥に大きな碇(こちらは固定みたい)

客席は中央と左右の3分割。舞台正面には池が露出(って書き方は変だけど)しています。
客席は椅子席の前方に床に直に座る桟敷席。桟敷席は水しぶきをかぶることがあるというのでビニールが配られています。ま、水しぶきが飛ばないようになるべく注意はしていますが、もし飛んできたら、くらいのスタンスだと思っていたのですが、それはまったくもって甘い考えでありました(笑)

虫のすだく声。お月様が見え隠れするくらいのお天気。ちょうど舞台の背後あたりに月が見えるようになってました。

さて、チケットを見ると開場が5時50分、開演が6時50分、1時間も間があります。どうするのかなと思ってたのですが。いつもの万有方式なら、お客さんを整理番号順に並べといて、一気に客入れ、そしてその時にはもう役者さんは舞台や場合によっては客席の間を蠢いているのですが。

だから開場時間とされているのは受付開始時間ぐらい?で、開演時間直前に一気に客入れかと思ってたのですが。でももう開場時間の5時50分には客入れ始まってます。1時間、どうするのかなと。蠢く役者さんで1時間もたせるのかなと。

いや、もたせました。開場してしばらくして役者さんたち登場、ふたりの男性の無言の合図に合わせてさまざまに蠢く役者さんたち。見知らぬ方が多かったです。今回の公募で参加された方々が多かったのでしょうか。

これで4~50分くらいもたせました。そしていよいよ本編の始まり。
置くから手前、赤い絨毯がするすると延べられ。背後から照らすつよい照明に浮かび上がる男の姿。細身でちょっと歪んだスタイルは、まるで「ナイトメア・ビフォアー・クリスマス」のジャックのよう。その風情だけで圧倒されました。

阿呆船、町の阿呆どもを乗せて追放するための船。それをめぐるおはなし。
今回も寸劇の積み重ねといったスタイルでした。
メインになるのは阿呆船に乗せられようとする男のお話、かな。

役者さんたちは広いステージを駆け巡ります。んで、池にも飛び込みます。
もう盛大に水をはね散らかして。ほんと、客席にもばんばん水しぶきがかかります。
「気をつけてますが、場合によっては水しぶきがかかるかもしれませんので注意してね」レベルじゃありませせん。ほんと、ばんばんかかってきました(笑)

しかしほんと、舞台も濡れて足場が悪そうですし、水に濡れた衣装は重くて肌に張り付いて動きづらいと思うのですが。

野外での万有のお芝居はおととしの「人力飛行機ソロモン」以来ですね。
やっぱり野外劇は風情があるものです。
お芝居、楽しみました。

そしてまた「100年気球メトロポリス」や市街劇みたいな「入っていける」お芝居がまたあるといいのですが。そう思っています。

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コメント

100年気球からご覧いただいたのですか。ありがとうございました。展示会の時間を早くお伝えいていればと申し訳なく存じます。外にこだわっていました、日常に演劇を持ち込みたいと常に考えていますので。いかがでしたでしょうか、ファーストフード店のあとの劇場感覚は。
またの機会があればご支援ください。次は何かと心穏やかでありません。企画者の心を躍らせるところにシィーザ演出の本当の魅力がありますので。いつかまた企画したいですね。

投稿: 三四郎さん | 2010/10/29 21:10

◎三四郎様
万有の方でいらっしゃいましょうか。
「日常に演劇を持ち込む」という考え、ほんとワクワクします。
また何か面白いこと、期待してます。

投稿: BUFF | 2010/11/01 16:37

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