つかこうへいとわたくし
つかこうへいさんがお亡くなりになったそうです。
本とかお芝居とかたくさん見た、あるいは実際にお会いしたことがある、という経験はないのですが、思い出深い方であります。
私が高校時代、演劇部に入っていたのですが。まぁ、中学のころ好きだった奴が入部したというのがきっかけ。あまり熱心に活動してなかったし、舞台に上がるのは苦手なので大道具をやってました。
みんなが講堂で稽古している間、それを遠くに聞きながら講堂の裏でひとりトンカチ振るってるの、そういうの、好きでした。
ちょうどその頃はつかこうへいブームの真っ最中。例えば高校演劇コンクールでつかこうへいをかける演劇部はいくつかありましたし、部の先輩がつかこうへいみたいな戯曲を書いてきたり。
つか、つかこうへいのお芝居もかけたことがあります。大道具にちょっとひと工夫要るお芝居で、頭をひねって工夫したのを思い出します。
お芝居は「熱海殺人事件」が地元に来た時しか見たことはないし、本とかも少し読んだぐらい。エッセイ『傷つくことだけ上手になって』とか面白く読みましたが。
でもまぁそれ以降のつかこうへいの作品、あるいは動きというのはほとんど知らないのですが。映画『蒲田行進曲』をビデオで見たぐらいか。
あ、そうそう。第1回日本冒険小説協会が熱海であると知って、まず思い浮かんだのは『熱海殺人事件』でした。
つかこうへいの思想。
『熱海殺人事件』はやっぱり衝撃的でしたよ。殺人犯を捕まえてみればダサダサの男。その男を「殺人犯っぽく」仕立て上げるために四苦八苦する刑事たち。
ほんと、こういうおはなしのありかた、想像もつかなかったです。「こういう発想もあるのか!」って。ずいぶん衝撃を受けました。
退屈な現実より、刺激的な現実、いや、刺激的な虚構かな。退屈な現実より刺激的な虚構。ということなのかな?つかこうへいのあのころの思想は。
『傷つくことだけ上手になって』でも、ふつーに平穏無事に成長してきた子供より、両親離婚とか波乱万丈な体験をしてきた子供の方がうらやましいなんて書いてたと記憶しています。(ここらへんかなりうろ覚えで違うと思いますが。もう二十数年前に読んだ本ですし)
高校時代影響を大いに受けたのは、寺山修司(これも演劇部室に戯曲が転がっていたのがきっかけ)といわゆる“ハードボイルド”小説、冒険小説でしたが。つかこうへいの影響もあります、私。
まぁほんと、二十数年もつか作品には触れていない私ですが。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
そいや演劇部のみんな、今頃どうしてるかしら?
同窓会も行った事ないあたくしですが、ちょっとそんなことを考えてます。
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