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2010/06/29

『化物語』最終回「つばさキャット 其ノ伍」

いよいよ『化物語』最終回「つばさキャット 其ノ伍」の配信が始まりましたね。
ただ、問題は、前回前々回とだいぶ間があいてしまって、お話を忘れてしまってるんですが。なんつーかそれなんて『飢狼伝』?う~ん、バックナンバーも見られるようにしておいて欲しかったなと。セルソフトを買えばいいんでしょうが。

『化物語』はほんと、新房シャフト作品の集大成であり最高峰であると思いました。アヴァンギャルドというかシュールというか、そういう演出・画作りがとても効果的で印象的になってると。
大変面白く拝見しました。

(以下ネタバレゾーンにつき)

「障り猫」にとり憑かれた羽川翼に対峙する阿良々木暦。『化物語』では「するがモンキー」とかでもそうでしたが、それは翼の心の底に押し込めていた願望を発揮するための存在だったと。
羽川翼は阿良々木暦が好きだったと。それを押し込め、暦と戦場ヶ原ひたぎの仲を祝福する翼。しかし、心の底に押し込めた暦への思いが歪んでいき、「障り猫」のかたちで噴き出すことになったと。

翼にとり憑いた障り猫は、翼と暦の結縁を要求します。しかし、それはできないと、ひたぎとの事があると断る暦。それを聞き、暦を殺そうとする障り猫(と羽川翼)。いったんは殺されることを受け入れた暦、しかし、暦は、翼が自分を殺せばひたぎは翼を許さないと、翼を殺すと、それに気がつき。ま、そういうかたちで殺されるわけにはいかないと助けを求めます。

暦の影から現れる、暦に取り付いていたヴァンパイアの成れの果て、忍野忍。彼女は障り猫のとり憑いた羽川翼に飛び掛り、エナジードレインをもって彼女を制圧します。

そしてラスト、暦たちの元から忍野メメは姿を消し。

う~ん、やっぱ暦君の自己犠牲願望が気になります。あるいは自己消滅願望と言っても良いかな?自殺願望ってほどじゃなくても。たぶん、暦はなにか「善きもの」のためなら進んで自分の命を差し出すのでしょう。そして、そういう衝動を抱え込んでしまっているのはやっぱり暦は心の底にとてつもなく大きな空虚を持っているからでしょう。

そういう人物として、私は『ライ麦畑でつかまえて』の主人公の少年を思い出すのだけど。
彼も心に空虚さを抱え込んでしまっている。そして、いつも「悪党と刺し違える自分」を夢想している。

今回も暦が助かろうとした原因は、ひたぎに翼を殺させたくないから。ほんと、自己評価が低い、自分に価値を認めない動機ですな。まず、「何で俺が死ななきゃならない、助けてくれ」がふつーで、ちょっと自己価値評価が下がれば「ひたぎが悲しむから死にたくない」になるのでしょうが、さらにそれより下ですな。

まぁ、そこらへんは暦とひたぎの仲が進めば、ひたぎが暦を癒すようになるのでしょうか。
まぁ、ひたぎも不器用っぽいけど心根は優しい、そういうことができる少女っぽいですし。

しかし翼も自己抑圧的な少女です。両親が離婚結婚繰り返して、両親とも血が繋がってない。いや血が繋がってなくても愛情は受けられるかもしれませんが、愛情もどうも受けてない。そういう状況を自分を押し殺して耐えている。そういった彼女の状況を理解してくれたのが暦だろうから、暦に想いが行っても無理はないのでしょうが。

つか、翼を娘にしたいなぁ。翼を娘にして愛情ジャブジャブうざいくらいに注ぎたいです。いやほんと、翼の両親は翼も愛さず、誰に、何に、愛情を注いでいるのでしょうか?愛情を注ぐ対象のない人生ってつまらない、ほんとさみしいものだと思いますが。
そのさみしさ、つまらなさに気づかず、我欲でズンズン生きてってるのでしょうかね?

自己の心の底の暗黒面に支配され、暦を殺そうとする羽川翼。しかし、またさらに心の底では自分が倒される事も願っていた…、と。だからあの台詞。

とまれほんと面白い作品でした、『化物語』は。
終わってちょっとさみしいです。

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