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2010/05/19

『じょしらく(特別版 壱)』

『じょしらく(特別版 壱)』(久米田康治:原作 ヤス:原画 講談社:刊)
読了。コミックスです。現在連載中の作品でその第1巻。

今週は久米田ウィークですな。『さよなら絶望先生 第二一集』『かってに改蔵 新装版第3巻』そしてこの久米田原作の『じょしらく 壱』が出ます。
『さよなら絶望先生』と『かってに改造』は買うとして、『じょしらく』はどうしようか迷っていたのですが。どうも『じょしらく』は女流落語家さんものらしい、と。そして私的にはここ数年、噺家さんの顔見知りもできて、落語会とか寄席も行くようになっていまして(ここんとこ懐具合の関係で動けないのが申し訳ないのですが)。で、ちょっと読んでみるかと思った次第。
特別版は落語とか入ったおまけCDが付いてる版です。OVAつきみたいにそう高価じゃないし、せっかくならこっちを買おうと思って特別版の方を買いました。

私は見てませんが、近年、落語の世界を舞台にしたドラマとか映画とか色々あるようですね。だから『じょしらく』も落語の世界を舞台にした、女流落語家さんのストーリーかと思っていたのですが。

『さよなら絶望先生』とかはストーリー物とはあまり言えないと思います。「羅列ネタ」もの?いや、「羅列ネタ」はその要素にしてもその本質じゃないのでそういう言い方は正鵠を得ているとは思いませんが。なんていうのかな、ストーリーが進行して行くというよりは、作者の物の見方とか意見、つまりなんて言うのかな?“ネタ”をキャラたちに代弁させているようは趣向の作品ですよね。ストーリーらしきものはあるけど、それは副次的なものに過ぎない。いや、最近はストーリーで進行していく回も増えてるけど。

だから、『じょしらく』はそういった方向性とは違ったストーリーものじゃないかと思っていたのですが。
しかし買って読んでみてびっくり、むしろ『さよなら絶望先生』の方向性をコアに煮詰めたような部分もありました。

『じょしらく』は“ストーリー物”ではあまりありません。周囲との葛藤を通じてキャラが成長したり変化したり、つまり“ストーリー”が発生する作品じゃないです。つか、落語シーンもないよ…。
なんていうのかな「雑談もの」とでも呼ぶべき作品。寄席の楽屋で女の子の落語家さんたちが四方山雑談を繰り広げるという作品でした。「この漫画は女の子のかわいさをお楽しみいただくため邪魔にならない程度のさし障りのない会話をお楽しみいただく漫画です」と作品の途中途中に注意書きを挟んでいます。

この“雑談”が『さよなら絶望先生』の久米田っぽいです。で、しかも、登場人物は『さよなら絶望先生』より少ないですし、舞台もほとんど楽屋だけと思いっきり絞り込んでいます。

女の子たちの“雑談”ですから、舞台は別に寄席の楽屋でなくても、学校の昼休みでも部室でも会社の給湯室でもいっこうに構わないのでは。つか逆に男もいない師匠もいない寄席の楽屋ってかなり不自然だと思いますが。まぁ寄席の楽屋って事で和室に全員着物姿のおにゃのこ出しても不自然じゃないってのはありますが。そういう意味かしら。
まぁ何となく寄席の楽屋っぽい空気かなぁという感じはするのですが。しかし私は寄席の楽屋に入った経験はないのでほんとの楽屋の空気は知りませんが。

あと、この間の最終話が第1話のリライトになってました。何で第1話と同じ話?と思ったのですが、よく見ると絶望先生キャラとか入ってました。まぁ、コンピューター上で描いているなら、ここらへんのアレンジは簡単なのかしら。

特別版の付録CDですが。さすがに落語シーンのない女流落語家ものというのはアレなのか、落語2本とその台本のPDFファイル、そして壁紙集、出囃子の MP3が入ってます。
落語は『饅頭怖い』を元ネタにした『饅頭KY』と『寿限無』を元ネタにした『二次限無』が入ってます。

『饅頭KY』はAKB48の小野恵令奈さんが語りです。ちょっと棒というか、どうもはっちゃけるには恥じらいが邪魔してるって感じです。
AKB48はよく知らないので。秋葉原を歩いているとドンキの前にちょくちょく行列があって、あの人たちはAKB48のお客さんだとか。いつもいつも凄いなと思っていますが。そのくらいの知識しかありません。

『二次限無』は声優の後藤沙緒里さんが語り。漫画『さよなら絶望先生』でもアニメ版で後藤沙緒里さんが声を当ててる加賀愛の出番が増えたり中の人ネタやっ てたりして、原作者がプッシュしているようですが。この件がらみだったのでしょうか。
こちらはうまいです。てか、声でいろんな役を演じ分ける訓練を積んでいる声優さんって、同じく声でいろんな人を演じ分けなきゃいけない落語と親和性が高いような気がします。落語家と声優兼業の方っているのかな?声色をたくさん使い分けられる斎藤千和さんの落語とか聴いてみたいな、なんて。

『饅頭KY』は空気の読めないイケメンと彼に恋する女の子のお話。『二次限無』はアニオタが結婚して生まれた女の子に好きな二次キャラの名前をいくつもくっつけた名前をつけてしまうというお話。元ネタキャラがあまり解らないのが残念でしたが。ツンデレ揃えとかヤンデレ揃えとかしていたのかなぁ。

漫画本編は久米田康治っぽい、マニアックな知識も入ってました。「犬皮の三味線は稽古用」とか。各話のタイトルも落語のタイトルをもじったもの。落語にも造詣があるのかと思いました。

本作は月刊誌連載だそうで、この単行本には9ヶ月分収められてます。という事は次の単行本は9ヶ月先か。ちょっと待ち遠しくなりそうです。

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